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息子の人生、親の思い

昨年の秋のこと、突然に息子が「〇×△中学に進学したい」と言い出しました。そこはスポーツの強豪校で、体育を専門に学ぶ学校です。当たり前のように地元の公立中学校に進むと思っていた僕には、まさに“寝耳に水”。親として大きな選択を迫られることになりました。

息子がとある球技に熱中し、それなりの結果を出していたのは知っていました。でも、それはあくまで小学生レベル。しかも、そもそも喘息だった息子に少しでも健康で強い子になってほしいと願い、それを勧めたのは私たちで、低学年のころは嫌々ながらの練習の日々だったはず。

「大丈夫なのか!? 今、その道に進めば、将来の選択肢が狭まってしまう。まだ小学生なのに、もう将来を決めてしまっていいのか!?」 と、随分と悩みました。

本人にも「全国レベルのチームは、並大抵の努力じゃ付いていけへんよ。頑張って、頑張って――、血のにじむような努力をしても、二軍・三軍のベンチにも入れへんこともある。そんときは、ほんまに辛いし、ミジメやで。わかってるか!? プライドまで傷つくんやで。心が折れるんやで!! 」と何度も話し合いました。

それでも、なお「いきたい!」という息子。

・・・・・・。考えてみれば、あのとき親が願ったとおり、息子は少しばかり“強い子”になったのかもしれません。それに、そもそも彼の人生。僕らは傍らで見守るほかありません。

と急遽、受験が決まり、これまでどおりの練習のほかに、受験勉強の塾通いが加わり、息子の毎日は目の回る忙しさ。正月休みも返上で頑張り、先日ようやく合格通知をいただきました。

と、喜んだのも束の間、もう今月の中旬からは入学を前にクラブの練習が始まります。受験の前に中学校の先生からは「1年365日、朝早くから夜遅くまで休みはなく、家にはいられないと思っていてください」といわれていたので、その覚悟はできていましたが、正直のところ“寂しい”ばかりです。

これから、中学・高校・大学と、おそらく息子とゆっくり過ごせる時間はないでしょう。のんびりと過ごせる“最後の日曜日”となった先週、二人で近江路を旅してきました。

▼ 琵琶湖博物館に水生植物公園

▼ 織田信長の安土城

▼ 井伊家の居城――国宝の彦根城。

毎週のように手を繋いで出かけていたのが、ついこの前のことなのに――。春からは一足飛びに、まるで高校生か大学生のような暮らしが始まります。ひとりっ子で、はためには過保護なくらい手を掛けてきただけに、“ふつうの中学生”という期間がなかったことが、本当に!お父ちゃんは寂しい~!! でも、それが彼の歩む道・・・。これから父は遠くで見守りながら、10年後にゆっくり呑める日を楽しみにします。

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