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ロウケツ染め③『染色』

先日のブログで紹介した『ロウケツ染め「蝋伏(ろうぶせ)」』の作業について書いています。

ひと口に「ロウケツ染め」といっても、さまざまな技法があり、今回は「蝋伏(ろうぶせ)」という基本的な技法で、布に蝋を置くことで染料が入るのを防いで図柄を表現します。たとえば、白地に蝋を塗り、黄色で染めれば、蝋を塗ったところだけが白く残ります。次に、その上(黄色い分)に蝋を塗り、赤い染料をかければ、黄と赤の掛け合わせでオレンジ色の地となり、白と黄の柄が浮かび上がります。こうして色を重ねて多色を表現するのが「蝋伏(ろうぶせ)」の技法と原理です。


ロウケツ染めの方法
前回までに、白地を蝋で伏せる作業を終えています。


原画を布に写しとる作業をしています。


白地を蝋で伏せる作業をしています。

今回は一色目となる黄色を染め、さらに黄色になる部分を蝋で伏せていきます。下の写真の白っぽい花(下の小さな花)が白くなり、上の黄土色っぽい花(上の大きな花)が黄色になります。


最初に考えておいたカラープランニング(最も上の写真の右に写っている色つきのもの)に基づいて、黄色になる全ての部分を蝋で伏せていきます。この作業を終えると、次はオレンジに染めるために、赤い染料で染めていきます。もとの黄色に赤色を乗せてオレンジ色を表現するのですが、染料の配合には微妙な感覚が必要です。こうしてできた染料をハケにとって、布へと刷り込んで染めていきます。下の写真は、その途中の風景です。


黄から赤へと染められていきます。
染め重ねる作業を終えると、蝋の上にのった染料を拭き取って乾くのを待ちます。乾く時間が非常に大切で、この間に染料が布に定着していきます。赤く見えているのも、次第に尾オレンジ色に変化していきでしょう。


布が乾ききったら、またカラープランニングを見ながら、オレンジになる全ての部分を蝋で伏せていきます。最終的に五色の色を使うので、現在のところ、作業はやっと半分といったところです。このところの残暑で、作業に集中できず、少しザツになっているのが気になっていますが、秋風の吹くころの完成を目指して、残りの半分の作業を頑張るとします。

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