7月に入って本格的に再開した染色の勉強――。まずは半年にわたって基本的な染色技法の習得です。最初の三ヶ月で「ろうけつ染め」を、後半の三ヶ月で「型染め」を学びます。
すでに「ろうけつ染め」の実習は始まっているのですが、正直のところ “ 四苦八苦している ” というのが現状です―― 。
というのも「ろうけつ染め」は、溶かした蝋(ろう)を筆や専用の道具で布に塗り、その部分が染まらないことを利用して図柄を表現する技法で、おおらかで自由な手描きの雰囲気が特徴の一つなのですが、実は僕、この “ 手描き ” というのが、とても!! 非常に!! 苦手!! なんです。
なので、これが必要ではない「絞り染め」や「型染め」の技法を中心に作品を作っており、「ろうけつ染め」を意図して避けてきました。それなのに!!、最初の課題が「ろうけつ染め」だなんて— どんなデザインにすればいいのか!? 手描きが苦手なだけに、それさえも思いつきません。
実は、そんな思いもあって、おおらかで自由な雰囲気のするアフリカや南米の染織品にヒントを得ようと、先日のブログに書いた「国立民族学博物館」に行ってきたというわけなんです。
本当はこんな染めがしたいんです!!
一見すると簡単そうに見えるんですが、この雰囲気を出せないんです。 おおらかで大胆で、そして自由な雰囲気――、まねることはできても、オリジナルとして描くことが、僕の頭の固さでは無理なんですよね。
もちろん、何度もチャレンジしたんですが、
納得できるものにはなりませんでした。
そして、行き着いたのが、
アフリカ人じゃないし・・・。
という開き直り。
せっかく染色を再開したわけだし、近いうちに!! おおらかで大胆な作品にチャレンジしてみようと思ってはいるのが、最初の課題でもある今回は、“アフリカ人のようなデザイン”ではなく、“ 日本人っぽい図案 ” にすることにしました。
で、悩んだ末に、こんな図案にしました。
これは宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる空想上の植物で、牡丹(ぼたん)をはじめ、蓮(はす)、柘榴(ざくろ)などを組み合わせた図案になっています。日本では正倉院の宝物をはじめ、このブログでも紹介した平等院にも見られた模様です。唐草模様のように同じ図柄を連続して用いることが多いようですが、僕の描いたものは若干のアレンジをしています。
ちなみに、課題で作るのは40×100cmの布。テーブルセンターにも、タペストリーにもできるものです。これからの作業は、この図案を布に写して蝋を置き、染めてあげていきます。
さて、どうなりますやら!?
楽しみにしていてください。