以前から、これで染めてみたい!! と思っていた植物に“枇杷(びわ)”があります。そう思って、工房の近所で枇杷の木を探すと、あちらこちらでよく見かける庭木でした。
で、改めて調べてみると、今から三千年も昔の経典のなかに“枇杷は大変に優れた薬効をもち、生きとし生けるものの万病を治す植物”として紹介されているそうです。日本でも、奈良時代に光明皇后が施薬院で貧しい病気の人々の治療に枇杷を効能を用いたといわれています。以来、枇杷が寺院に植えられるようになり、さらには民間療法(薬)として庭木となったのでしょう。
ところが、その効能はもちろんのこと、甘くて美味しいフルーツが増えた最近では果物としても、その存在価値が薄れた枇杷は、手入れされることもなく荒れるの任せているものも見受けられます。そんな一軒のお宅にお願いして枇杷の葉を切らせていただきました。
染料にするのは実でなく、葉の部分です。まずは細かく刻んで干します。今までに一度も枇杷葉を使って染めたことがないので、正直のところ、正しい方法が分かりません。たぶん、オレンジからピンク色に染まるはずのですがーー。染め上がりを楽しみにしていてください!!