春に植えたバナナが花を咲かせ、実をつけ始めました!😁 でも、これは南国の話ではなく、ひとつ屋染織農園のある三重県伊賀市の話です!😲
伊賀は格別に寒い地域ではありませんが、かといって温暖な場所でもありません。しかも、ひとつ屋は果物農家でもないのに、ここでバナナを栽培しています🤣
▼伊賀の農園で大きく育ったアケビバナナ。大きな葉の間から、鮮やかなピンク色の花が見えています。

というのも、以前から「芭蕉布を作ってみたい!」と思っていました。芭蕉布は、イトバショウから繊維を採り、糸にして織る布です。
ところが、ここ伊賀ではイトバショウの冬越しは難しいらしく、いったんは諦めようと思いました。それでも「日本の冬、特に東海地方の冬に耐えられるバナナはないものか?」と調べてみると、アケビのような実を付ける「アケビバナナ」という品種にたどり着きました。
そこで早速、苗を10株購入。春に小さな苗を植えたところから、この実験は始まりました。その後、梅雨に入ると一気に大きくなり、そして、この夏――とうとう花を咲かせました!
▼大きな葉の間から現れたアケビバナナの花。鮮やかなピンク色がとても印象的です。

そこで次に気になったのが「このバナナから糸を作ることはできないのか?」ということです。早速調べてみましたが、残念ながら芭蕉布のように糸を採って織物にするのは難しいようです😢
でも、さらに調べていくと、植物からフェルトのような布状の素材を作る文化があることを知りました。それが「タパ」です。
タパとは?
タパは、南太平洋の島々を中心に古くから作られてきた「樹皮布」です。主にコウゾの仲間やパンノキ、ガジュマルなどの木の内皮を剥ぎ、それを木槌などで何度も叩いて薄く広げ、必要に応じて重ね合わせながら一枚の布状の素材にしていきます。
糸を紡いで織る布とは、まったく違います。植物そのものを叩いて広げ、布のような一枚の面にしていく「織らない布」です。見た目にはフェルトのように感じるものもありますが、羊毛を絡ませて作るフェルトとは製法が異なります。
もちろん、アケビバナナから作るものを、そのまま伝統的な「タパ」と呼ぶことはできません。ひとつ屋が作ろうとしているのは、タパの考え方や技法に着想を得た、アケビバナナによる新しい植物素材です。
▼花が進み、小さな実がつき始めたアケビバナナ。ここからどのように変化していくのでしょうか。

とはいえ、タパは南太平洋の島々で長い時間をかけて育まれてきた文化です。僕にはまだ分からないことも多く、詳しい資料や作り方についても、これから少しずつ調べていかなければなりません。
そして、アケビバナナも今春に植えたばかりです。まだ大規模な収穫は控え、まずは株を充分に育てたいと思っています。それでも、無理のない範囲で少量を採り、叩いてみる、広げてみる、重ねてみる――。そんな試行錯誤の実験から始めてみようと思います。
でも、その前に⋯。まずは、バナナの味見ですよね!🤣
アケビバナナの実は、一般的なバナナのように果肉たっぷりというわけではなく、種がとても多いそうです。それでも、自分たちで伊賀に植えたバナナが花を咲かせ、実までつけたのですから、一度くらいは食べてみないわけにはいきません😁
伊賀で育ったアケビバナナが、この先どんな素材になるのか。タパのような植物素材になるのか、それともまったく別のものが生まれるのか――。まだ答えは分かりません。でも、だからこそ面白いんです。
今後のひとつ屋の新しい物づくりを、楽しみにしていてください!