私が暮らす村では、毎年、秋に住民たちによる村内の草刈りと林道整備があります。朝、皆が思い思いの道具を携えて公民館に集まり、割り当てられた場所の草刈りや溝掃除、倒木の整理などを行います。
▼ この数年は雨が続きましたが、今年は晴天に恵まれました。
私たちの班は峠へと通じる林道の整備が担当。今でも軽トラック一台がやっと通れるほどの道なのですが、昔はさらに細く、牛に引かせた小さな荷車が通れるくらいの道だったそうです。
▼ 山の清々しい空気に満ちた林道
今ではめったに人も通らない道ですが、かつては隣村に通じる重要な生活道路だったそうです。さまざまな物資が人や牛の背に担がれて峠を越えたと聞きました。そんな古道には、行き交う人々を見守ってきた弁天さんと地蔵さまが、今もひっそりと佇んでいます。
▼ 弁天さんの祠
▼ 村の境界――峠で人々を見守ってきたお地蔵さん
こうして村の行事に参加させていただいて、いつも感じるのが “ここに暮らしてきた人々の息遣い” です。そして、何百年と続くその営みに触れるたびに「ここに来てよかった」と心から思います。
弁天さんと地蔵さまの掃除も済ませ、里に下りてくるころには陽もすっかり傾き、山並みを美しく染めています。ほかの班の帰りを待って、恒例のお疲れ様会 🍻 が始まります。正直、なんといってもこれが楽しみなんです! 改めて「ここに来てよかった」と思います。