以前、ニンジンの葉でシルクのストールを染めて、その色相の良さと堅牢度の強さには驚かされました。天然染料を愛する者としては変な言い方ですが、ニンジンの葉には “草木染とは思えないほど、いや化学染料かと思うほどの発色性” があります。でも、都会暮らしでは、ニンジンの葉を手に入れるが難しいんです。
そんな話を近所の人に話すと、お知り合いの農家からニンジンの葉をいただいてきてくれました。ちなみに、ニンジンの葉は食べてもおいしく、わが家では炒め物なんかにしていただきます。と、そうしていただいているうちに、みるみる葉は減り、染料に使えるのは、これだけになってしまいました。
ニンジンの葉
ニンジン葉で染めたストール
【ニンジン葉での染料の作り方】
① まずはニンジンの葉を細かく刻みます。
② これにヒタヒタより少し多めの水に重曹を加えて炊きます。
③ 40分ほど炊いてストレーナーで濾します。
④ 酢を加えて中性にしてから染料として用います。
下記のマフラーは、このニンジン葉の染料で(後日)染めたものです。
詳しい染め方は『千鳥格子の手織りマフラー』をご覧ください。
※ 今回は濃い染料を得るために重曹を使った“アルカリ抽出”という方法を紹介していますが、重曹を使わずに水だけで煮出してもかいません。明るい緑色を染めることができます。