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【草木染】カラスノエンドウ

毎年春になると、ひとつ屋の染料農園畑のあちこちに現れる「カラスノエンドウ」。いわゆる厄介な雑草なのですが、その優しい緑や愛らしい花は、どうしても憎めません。それでも放っておくとたちまち畑が覆われてしまうので、仕方なく刈り取ります。今回は、そんなカラスノエンドウで絹やウール、綿を染めてみました。
ちなみに、「カラスノエンドウ」は、正式に「ヤハズエンドウ」というそうです。

▼ 春、花の咲くころの「カラスノエンドウ」。スイートピーの似た愛らしい花が印象的です。

以前から、これの植物も草木染めの材料になることは知っていましたが、あまりにも身近な植物だっただけに、その機会を逃していました。今年は意を決して色見本を作りました。その結果は以下のとおりです。


【ヤハズエンドウ】


◆ 学名/Vicia sativa ◆ 分類/マメ科ソラマメ属
◆ 備考/「ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)」は、春になると高さ60~150cmにもなり、本州から沖縄の至る所で見ることができます。その名のとおり、エンドウに似た小型の紫色の花と実を付けます。
◆ 染色/’20年4月5日、採取(大阪)と染色。絹(シルク)のチタン媒染で美しく発色しています。ウールも良好です。未処理の綿はほとんど染まりません。堅牢度は未確認です。
◆ 媒染/中媒染(金属イオン等については、下記の色見本をご確認ください)


【カラスノエンドウ染め方】


① 採取したカラスノエンドウの全草を2~3センチの長さに切り、約40分ほど焚いて染料を作ります。
② 布やザルでカラスノエンドウを濾し取った染料に布や糸を浸して弱火で40分ほど焚いて染めます。色むらにならないよう、時より攪拌してください。染色後、染料を捨てないください。
③ 染め上がった布や糸は、ぬるま湯で軽くすすいで各媒染剤に40分ほど浸して発色・色止めをします。
④ 布や糸をぬるま湯ですすいで、②で取りおいてきた染料に戻します。
⑤ 好みの色(濃度)になれば、染料から引き上げ、ぬるま湯でよくすすぎ、風通しのよい日かげで乾燥すれば完成です。


※写真下の説明「被染材(濃染=カチオン処理済)/媒染剤/コメント」

綿/アルミ

綿/アルミ

綿(濃染処理)/アルミ

綿(濃染)/アルミ

絹/アルミ

絹/アルミ

羊毛/アルミ

羊毛/アルミ

綿/銅

綿/銅

綿(濃染)/銅

綿(濃染)/銅

絹/銅

絹/銅

羊毛/銅

羊毛/銅

綿/鉄

綿/鉄

綿(濃染)/鉄

綿(濃染)/鉄

絹/鉄

絹/鉄

羊毛/鉄

羊毛/鉄

綿/チタン

綿/チタン

綿(濃染)/チタン

綿(濃染)/チタン

絹/チタン

絹/チタン

羊毛/チタン

羊毛/チタン

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