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伝統柄のデジタル化

ひとつ屋の工房には、私が学生のころからコツコツと集めてきた染色用の古い型紙があります。どれも古道具屋の片隅で見つけたものばかりですが、大きなものや小さなもの、合わせ型も含めると、100枚以上はあるでしょうか――。

その多くが戦前から昭和30年代のものだと思います。というのも、昔は職人さんが不要になった和紙を柿渋で張り合わせて渋紙も自ら作ったらしく、ところどころに大福帳だったらしき文字があり、時代が推測できます。

その多くが私には読めないのですが、判読可能な部分によると、そのあたりの時代のような気がします(憶測)。しかし、どれもすでにボロボロで実際に型染の型紙として使うのは難しそうです。

なので、あくまで私のコレクションにすぎず、デザインのアイデアに困れば、引っぱり出してきては眺めるという程度でした。といっても、どれも柄が精緻すぎて再現することすら難しく、「昔の人はどうやってこれを彫った(切った)のだろう?」と、やはり眺めているばかりです。

それらの多くが浴衣や手ぬぐいの染型だと思われ、伝統的な柄はもちろんのこと、意外なほどモダンなものもあります。

先日も久しぶりに眺めながら「これらのデザインでTシャツなどを作ればオシャレだろうなぁ~」と考えてみるものの、あまりに古いので実用はできず、かといって、新たに作り直すにも柄が細かすぎてできそうにもありません。

などと考えていて、ふと「レーザー加工機を使えば、この精緻な柄も再現できるのではないだろうか?」と頭をよぎりました。

ちなみに、以前に紹介した「蛸唐草」の型紙もレーザー加工機で彫ったものです。

古道具屋の片隅で朽ち果てるのを待つばかりだった型紙が、デジタルの技術を得て現在によみがえろうとしています。もちろん! 当初の思いのとおり、それらの柄で衣服やカバンなどの身近なアイテムを作るのが最大の目的です。まずは、この古い型紙をCADやイラストレーターでデジタル化することから始めます。お~ッ! まさに!ひとつ屋らしいアイテムづくりだ! 楽しくなってきましたよ!

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