桑(クワ)はクワ科クワ属の植物で、北半球の暖帯から温帯地域にかけて10数種が存在します。元来、ユーラシア大陸の東北部から朝鮮半島にかけての地域が原産とされ、かなり古い時代に日本に渡来したと考えられています。かつては全国各地で栽培されていました。
桑の葉が養蚕に用いられる(蚕のエサとなる)ことはよく知られていますが、乾燥させて生薬や茶としても利用されます。また樹皮は紙や糸の材料となり、木材も指物などの工芸品に重用されました。そして掲載の色見本のとおり、その葉を煮出して染めれば、とても華やかな色を得ることができます。古くから人々の身近にあった桑。ぜひ! 美しく染めてみてください。
※50gでTシャツ1枚、または大き目のストール1本を染めることができます(素材や染め方よって濃度や色味が異なります)。
※ 草木染用植物染料は、ひとつ屋の実店舗のほか、Amazon、楽天、Yahoo!、creema などでも販売しています。
▼ クワ(桑葉)
クワ(桑葉) での染め方
① クワ(桑葉) をステンレスかホーローの鍋に入れ、水を加えて中火で約40分ほど焚いて染料を作ります。
② 布やザルで桑葉を濾し取った染料に布や糸を浸して弱火で40分ほど焚いて染めます。色むらにならないよう、時より攪拌してください。染色後、染料を捨てないください。
③ 染め上がった布や糸は、ぬるま湯で軽くすすいで好みの媒染剤に40分ほど浸して発色・色止めをします。
④ 布や糸をぬるま湯ですすいで、②で取りおいてきた染料に戻します。
⑤ 好みの色(濃度)になれば、染料から引き上げ、ぬるま湯でよくすすぎ、風通しのよい日かげで乾燥すれば完成です。色見本は下記をご覧ください。
▼ 各媒染(アルミ、鉄、銅、チタン)による各繊維(コットン、シルク、ウール)の色見本。
草木染染料販売
◆ ひとつ屋の植物染料について
この「クワ(桑葉) 」は【ひとつ屋 染織農園】で完全で無農薬・有機肥料で栽培したものではありますが、あくまで染料でございます。染料以外での使用の場合は自己責任でお願い申し上げます。
ひとつ屋では、桑の栽培から養蚕、さらに製糸、染織—と、一貫した工程で【ひとつ屋 シルク】の製品づくりを行っています。この桑は養蚕のために栽培したもので、一切の農薬を使用していません。
▼ ひとつ屋の桑畑
▼ 養蚕の風景