春の桜とともに、古くから日本人に愛されてきた菊の花。毎年、秋になると全国各地で愛好家たちが丹精込めて育てた菊を展示する「菊花展」が開催されています。さらに、観賞するだけでなく、お茶に用いられたり、めまい、眼の疲れ、解毒、消炎などの生薬とされたりもしてきました。
このように、お茶や生薬にされるのは、東アジアを原産地とするキク科キク属の多年草である「シマカンギク(島寒菊)」で、日本でも近畿地方以西から九州の日当たりのよい山麓で見られます。ちなみに、この菊が観賞用のキクの原種のひとつだと考えられているそうです。
また、掲載の色見本のとおり、菊花を煮出して染めてみると、優しくも華やかな色を得ることができます。古くから日本人に愛されてきた菊の花。その花だけを用いた菊花染め—、ぜひ! 贅沢な色を楽しんでください!
※50グラムでTシャツ1枚、または大き目のストール1本を染めることができます(素材や染め方よって濃度や色味が異なります)。
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▼ キクカ(菊花)
キクカ(菊花) での染め方
(1)キクカ(菊花) をステンレスかホーローの鍋に入れ、水を加えて中火で約40分ほど焚いて染料を作ります。
(2)布やザルで桑葉を濾し取った染料に布や糸を浸して弱火で40分ほど焚いて染めます。色むらにならないよう、時より攪拌してください。染色後、染料を捨てないください。
(3)染め上がった布や糸は、ぬるま湯で軽くすすいで好みの媒染剤に40分ほど浸して発色・色止めをします。
(4)布や糸をぬるま湯ですすいで、②で取りおいてきた染料に戻します。
(5) 好みの色(濃度)になれば、染料から引き上げ、ぬるま湯でよくすすぎ、風通しのよい日かげで乾燥すれば完成です。色見本は下記をご覧ください。
▼ 各媒染(アルミ、鉄、銅、チタン)による各繊維(コットン、シルク、ウール)の色見本。
草木染染料販売
◆ ひとつ屋の植物染料について
この「キクカ(菊花)」は、もともと生薬として販売されているものではありますが、あくまで染料でございます。染料以外での使用の場合は自己責任でお願い申し上げます。