この『栽培絵日記』のコーナーでは、栽培絵日記の【ひとつ屋染織農園】での栽培記録を絵日記風に写真と短いコメントで紹介しています。
今週になって、ようやく東海地方も梅雨入りした。雨が降ると、畑の植物たちが一気に成長する。5月、五月晴れが続くのは、気分的には良いのだが、あまりに雨が降らないと、植えたばかりの植物たちの生長を心配しなければならない。それは毎年のことだが、梅雨になると暖かい雨のおかげで、植物たちは急に生長し、そして、いつものように安堵する。今年も、無事に藍も綿も、桑も—、まずは順調に生長している。
▼ 本日の【ひとつ屋染織農園】の藍畑。初めての自家採取のタネで生育を心配したが、例年どおりの藍畑の風景に安堵する。
▼ こちらは和綿畑。ようやく支柱立てが始まり、まずは、ひと安心だ。
▼ 紅花畑。こちらは、日照時間や施肥に不安があったが、何とか花を咲かせ始めてくれた。
▼ 紅花
▼ 苧麻畑。大阪の圃場から移植したので、不安だらけであったが、順調に生長してくれている。ただ、今年は移植したばかりで貧弱なので収穫は来年以降になる。
▼ 虫にたかられるマリーゴールド。
鹿、猪、アライグマ、ヌートリア、鳥、モグラ、そして虫—。農業とは、地上はもとより、空、そして地下からの敵との闘いである。想像していた以上に苦戦しているのが正直な気持ちだ。これらの獣のほかにも、こちらではまだ被害はないが、熊やキョン(小型の鹿)も大きな問題になっている。カメムシの大発生も「臭いッ!」なんて、もはや笑いごとではない。そこに追い打ちをかけるように、機械設備、肥料、燃料の高騰だ。
農業をなめていたわけではないが、こうして真正面から向き合うと本当に大変であることを痛感させられる。気候変動や環境変化、さらには外来生物—と、これまでの農業のあり方を激変させる要因ばかりである。親の気持ちになれば、これを職業として子供に進めるのは難しい。
人間が壊した自然のバランスを人間がどう補っていくかを真剣に考えなければ、この国の農業に未来はないように思う。