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100リットルの大鍋を使う染色用の竈(かまど)づくり①

昨年の冬、作業場の一角に時計型薪ストーブを設置しました。そこから今回の、100リットルの大鍋を使う染色用の竈づくりへ話がつながります。

購入したときは、寒い作業場で暖を取れれば充分だと思っていました。ところが、実際に火を入れてみると、暖を取るだけでなく、湯を沸かしたり、染織作業に使ったりと、何をするにも便利です。たった1シーズンでしたが、すっかり気に入りました。

同じ火で暖を取り、湯を沸かし、染色にも使える。仕事に必要な熱を無駄なく生かせることに、薪ストーブの大きな魅力を感じました。

時計型薪ストーブを選んだ理由は、以前の記事『時計型薪ストーブ』に書いています。作業場へ設置し、煙突を屋根まで通した様子は、『憧れの“薪ストーブ”を迎えました(前編)』と『憧れの“薪ストーブ”を迎えました(後編)』で紹介しています。

時計型薪ストーブが活躍した昨冬

▼ 作業場に設置したばかりの時計型薪ストーブ

100リットルの大鍋を使う竈づくりのきっかけになった時計型薪ストーブ

時計型薪ストーブは、作業場の暖房としてはもちろん、やかんで湯を沸かしたり、鍋をかけたりできるので、染織作業でも大いに役立ちました。

▼ 薪を燃やし、やかんの湯を沸かしている様子

時計型薪ストーブで薪を燃やし、やかんの湯を沸かしている様子

便利な時計型薪ストーブを使ううちに、次に欲しいものがはっきりと見えてきました。

それは、大きな布を染めるための大鍋と、その大鍋を安定して使える染色用の竈です。

時計型薪ストーブには、まだ1シーズンしか働いてもらっていません。それでも、この場所を本格的な染色作業に使える火場へ作り替えるため、いったん取り外すことにしました。

▼ 竈づくりのために取り外した時計型薪ストーブと煙突

100リットルの大鍋を使う竈づくりのために取り外した時計型薪ストーブと煙突

100リットルの大鍋で大きな布を染めたい

前々から、大きな布を染めるための大鍋が欲しいと思っていました。

しかし、大鍋を手に入れれば、それだけで染色ができるわけではありません。大量の染液を温め、染色中も必要な温度を保つには、大鍋に合った火場が必要です。ガス代のことなどを考えると、なかなか手を出せず、長いこと悩んでいました。

ひとつ屋では、これまでも“へっついさん(かまど)”を使い、染料を煮出したり、布を染めたり、糸や生地を炊いたりしてきました。薪の火を染織作業に使うことは、ひとつ屋にとって特別なことではなく、日々の仕事の一部です。

そこで今回、意を決して用意したのが、100リットルの大鍋です。

そして、この大鍋を使うための超大型竈を、作業場のなかに作ることにしました!😲

▼ 100リットルの大鍋を置き、竈の大きさを確かめます

100リットルの大鍋を置き、レンガで染色用の竈の大きさを確かめている様子

100リットルの大鍋を安全に支える竈を作るために

100リットルの水は、それだけで約100キログラムになります。そこへ大鍋そのものの重さが加わり、その下では火を燃やします。

これまで、工房や納屋では、自分たちでできることはなるべく自分たちの手で作ってきました。しかし、今回ばかりは、素人づくりで済ませるには規模が大きすぎます。

大鍋を安全に支え、火の熱に耐え、これから何年も染色作業に使える竈にしなければなりません。耐久性や安全性を考え、今回はプロの左官屋さんに相談し、作ってもらうことにしました。

▼ 竈づくりに用意されたレンガと板材

染色用の竈づくりに用意されたレンガと板材

100リットルの大鍋を支える竈づくりが始まりました

材料が揃い、早速、作業開始!

まずは、大鍋と竈全体を支える土台づくりです。作業場の床にブロックが組まれ、少しずつ竈の大きさが見えてきました。

▼ ブロックを組み、染色用の竈の土台を作ります

ブロックを組んで作られた染色用の竈の土台

時計型薪ストーブを使ったひと冬があったからこそ、作業場に薪の火がある便利さと、これから必要になる火場の姿が分かりました。

100リットルの大鍋とサステナブルな染色へ

染色には、たくさんの水と熱が必要です。だからこそ、何を燃やすかだけではなく、ひとつの火をどこまで無駄なく仕事に生かせるかも大切だと考えています。

暖を取り、湯を沸かし、染料を煮出し、布を染める。ひとつの火をいくつもの仕事へつなぎ、丈夫な竈を長く使い続けることも、ひとつ屋にできるサステナブルな染色の形です。

今度の竈が完成すれば、これまで鍋の大きさでためらっていた、大きな布の染色にも取り組めるようになります。

さて、100リットルの大鍋を支える竈は、どんな姿に仕上がりますやら。ぜひ、楽しみにしていてください! 僕も楽しみです!

※ 火を扱う竈のため、安全を最優先し、プロの左官屋さんに施工を依頼しました。詳しくは、消防研究センターの「火気器具等の取扱いについて」をご覧ください。