随分と昔に葛糸を作ったことがあります。ところが、都会に暮らしていると、なかなか葛が手に入らないし、その繊維を洗うための川の流れもありません――😥 しかし、まるで絹のような光沢を放つ葛糸のことが忘れられず、いつかは ひとつ屋でも手掛けてみたいと思っていました。
ここ伊賀(三重県)に来て6年がすぎ、毎年、夏になると生い茂る葛を見ては「きれいな糸が作れるのになぁ~🤩」と思っていました。しかも、切っても切っても、すぐに伸びる葛は皆の嫌われ者。それでも勝手に採るわけにはいきません。ちなみに、海外では日本から持ち込まれて大繁殖し、もともとの植物を駆逐してしまうほどなので「グリーンモンスター」と呼ばれる存在だそうです。
そんなある日、村の有志による葛刈りがあったとき、少しもらって久しぶりに “葛糸づくり” をしてみました。
お~ッ! 何とかそれらしいものができました。次は、これを績んで糸にしていきます。さらに織って「葛布」にできれば、嫌われ者のグリーンモンスターから何かが作れそう! まさに、ひとつ屋が目指す “持続可能な物づくり” にピッタリな材料です。
静岡県の掛川辺りで葛布は伝統工芸品となっていますが、さすがにそこまでのレベルは無理でも、私たちが目指す素朴な製品にはなりそうです。
次は、もう少したくさんの量の糸づくりにチャレンジしようと思います。ぜひ! 楽しみにしていてください。