ご近所の方々が運営する家庭菜園の一角をお借りして、草木染に使う植物ばかりを育てる「ひとつ屋染織農園」を始めたのは、2014年の春のことでした。
植物を自分で育て、その植物から染料をつくり、布を染め、最後には服に仕立てる。今回は、蓼藍の栽培から始まった一連の物づくりを振り返ります。
蓼藍を種から育てる
▼ 最初に栽培を始めた蓼藍
農園で最初に栽培を始めたのが、藍染めの原料となる蓼藍(タデアイ)です。
藍には地域によってさまざまな種類があります。タデアイをはじめとする藍の種類や歴史については、徳島県公式ページの「藍について」でも紹介されています。

▼ 夏の太陽を浴びて大きく生長した蓼藍
春に植えた蓼藍は、夏の太陽を浴びながら、ずいぶん大きく生長しました。

育てた蓼藍から染料をつくる
▼ 収穫した蓼藍から沈殿藍をつくる
大きく育った蓼藍を収穫し、ついに自分たちの手で藍の染料をつくりました。
葉を水に浸して発酵させ、消石灰を加えて撹拌し、藍色の成分を沈殿させます。詳しい工程は、関連記事「沈殿藍(泥藍/藍錠)の作り方」で紹介しています。

自家製の藍で布を染める
▼ 自分でつくった藍染料で染める
自分で育てた蓼藍からつくった染料を使い、布を染めました。
染料メーカーがつくった染料を、決められた方法で使うのではありません。植物の生長を見守り、収穫し、染料をつくり、その状態を確かめながら、自分の手で色を染めていきます。

染めた布を服に仕立てる
▼ 自家製の藍で染めた布からつくった服
自家製の藍で染めた布を使い、最後には服に仕立てました。

自分で育てた色を染める
正直なところ、まだ市販の藍染料で染めたような、思い描いていた藍色にはなっていません。
それでも、「自分で藍を育て、自分で染料にし、自分で染め、自分で縫って服にする」という一連の仕事を通して、これまで追い求めてきた「自分らしさ」に近づけたような、大きな手応えを感じています。
植物の状態によって染料の出来は変わり、染め上がる色も毎回同じではありません。思いどおりにならないことも含めて、自分で育てた植物から生まれた色には、市販の染料とは異なる実感があります。
自分で育てた色を、自分の手で染める。その布を縫い、身にまとうものへと仕立てる。これこそ、まさに「物づくりの醍醐味」です。
これからは、もっともっと、もっと! 自分たちにしかできない色と物づくりを研究していこうと思います。