猛暑が続いていた先日のこと、夕涼みをしようと思って大和川(やまとがわ)の河川敷を散歩しました。で、よく見ると、あるあるッ!! 生い茂った夏草のなかに“染料となる植物”が。栴檀草(センダングサ)に山牛蒡(ヤマゴボウ)、それに背高泡立草(セイタカアワダチソウ)などなど。
漢字で書くと実感が薄れますが、実はどれもが「帰化植物(外来種)」です。明治時代以前の日本には存在しなかった植物ばかり。が、そのなかに芒(ススキ)に似た「刈安(カリヤス)」があるじゃないですかッ!!
「刈安」は文字どおり“刈りやすい草”の意味で、どこにでも自生し、よく群生する植物のため、奈良時代には庶民の衣服を染めるための染料して活用されたことが記録にも残されているそうです。
そんな「刈安」が川原を覆いつくすほどある!
な~んて、喜んだのも束の間、工房に帰って改めて調べてみると、これがッ!! 「刈安」ではなく、「西蕃蜀黍(セイバンモロコシ )」という、似ても似つかない帰化植物でした。
ダメですねぇ。生来の都会ッ子は—。
考えてみれば、子供のころから身近に野草や山菜と呼ばれる植物が一切ありませんでした。あったとしても、その名も不明な帰化植物ばかり。この歳になって、また勉強が必要そうです。
でもッ!! 考え方を変えてみれば、現在、身近にある帰化植物(園芸植物を含め)のほとんどが、化学染料が主流になった明治以後に日本にやってきたものばかり。ってことは、その多くが草木染に試されたことのない植物ってことなのです。現に、この「西蕃蜀黍」を調べてみても、草木染に関する情報がありません。これはッ!! やってみる価値がありそうです。