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絞り染めの方法|波模様の作り方を解説

今日は、先日のブログ『Tシャツ「波に千鳥」』で紹介した、“波”の部分についてです。今回は、絞り染めの方法として、この波模様ができるまでの工程を紹介します。

▼ Tシャツ「波に千鳥」。今回紹介するのは、この“波”の部分です。

絞り染めで表現したTシャツ「波に千鳥」の波模様

絞り染めで波模様を作る方法

このTシャツの“波”の部分は、いわゆる絞り染めで作っています。絞り染めにはさまざまな方法がありますが、今回使ったのは、布を平縫いして、その糸を引き締めることで防染する“縫い締め絞り”です。

京都絞り工芸館では、縫い締め絞りを「型通りに一定の針目で縫い、その糸を引き締めることで防染する」基本的な絞り方として紹介しています。ここでは、僕が当時呼んでいた“平縫い引締め絞り”として、その工程を紹介します。

▼ 今日、紹介するのは、この波模様です。

縫い締め絞りで作った波模様の完成部分

絞り染めの方法① 波模様の下絵を描く

まずは、下の写真のように布に下絵を描きます。今回は、日本の伝統的な文様である“青海波(せいがいは)”をイメージしてみました。青海波は波文の一種で、扇のような形が連続して広がっていく文様です。

なんて書くと、すごく立派な感じがしますが、実は「どんな柄にしようかなぁ?」と考えていたときに目に飛び込んできたのがCDでした。その円弧を利用して描いただけの曲線の重なりです。でも、僕の好きな雰囲気ではあります。

▼ CDの円弧を利用して描いた波模様の下絵。

絞り染めの方法で使う波模様の下絵

絞り染めの方法② 下絵に沿って平縫いする

この線に沿って、ひと針ひと針⋯、できるだけ均一に括り糸で縫っていきます。後でかなり強く引き締めるので、当時は絞り染め用の丈夫な糸を使いました。この段階で引き締めながら縫ってしまうと、布が縮んで下絵が見えなくなってしまいます。

そのため、写真のようにラインごとに縫い、あとで引き締められるよう糸を十分に残しておきます。少しもったいないように見えますが、作業を続けるためには大切な余白です。

▼ 下絵のラインごとに、均一な針目を意識しながら縫っていきます。

波模様の下絵に沿って平縫いしている絞り染めの工程

糸を一本ずつ引き締める

すべて縫い終わったら、糸を一本ずつ強く引き締めていきます。ここで布が寄せられ、染料が入りにくい部分ができることで、絞り染め特有の模様が生まれます。括り糸でも強く引っ張りすぎると切れてしまいますが、弱すぎると防染が甘くなり、模様がぼやけます。

単純な工程のように見えて、この微妙な引っ張り加減が必要です。縫い方だけではなく、締め方も仕上がりを左右する大切なポイントです。

▼ 縫った糸を一本ずつ引き締めた状態。

絞り染めの方法で糸を引き締めた縫い締め絞りの状態

染料の中で染める

そして次は染色です。絞った箇所の奥まで染料を行き渡らせながら、全体ができるだけ均一になるよう注意して浸し染めをします。染料の中で絞ったところを揉んだり、開いたりしながら、染料をヒダの中まで通していきます。

ただし、入りすぎると本来白く残したい部分まで染まってしまいますし、反対に染料が十分に行き渡らないと意図しないムラになります。どこまで染料を入れるのか⋯。ここも、とても気を遣う作業です。

▼ 引き締めた布を染液に浸して染めていきます。

縫い締め絞りした布を染液に浸して染めている工程

最後に糸を抜いて模様を開く

そして最後が、糸を抜く作業です。ここが最もドキドキする工程です! 一本一本の糸を少し引っ張りながら、布を傷つけないように結び目を切って解いていきます。

糸を引っ張りすぎると、結び目が布を無理に通って大きな穴になってしまうことがあります。反対に引っ張らなければ、結び目を布から離して切ることができません。ほんとッ! ここが最も神経を使う作業なんです。実は、僕もここで布を傷つけてしまったことが何度もあります。

▼ 糸を解くと、縫った曲線に沿って波模様が現れます。

糸を解いて現れた絞り染めの波模様

絞り染めならではの表情

型染めの凛とした雰囲気も好きですが、僕は絞り染めに残る、少し揺らいだ輪郭や手仕事らしい表情も大好きです。具象的な柄を正確に表現するには向いていない場合もありますが、偶然性を含んだ線やにじみには、機械的には作りにくい魅力があります。

こうした技法も、ただ昔の方法として残すのではなく、今の素材やデザインと組み合わせながら使っていきたいと思っています。ひとつ屋が大切にしている「温故知新」の考え方にも、どこかつながっているように感じます。

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