ひとつ屋さんを見ていると、最近ずっと思います。
「あッ、この人、完全にDecision Overloadやな!」と—。
「Decision Overload(ディシジョン・オーバーロード)」というのは、判断や選択を重ねすぎた結果、頭も気持ちもすり減ってしまう状態のことです。何も考えていないわけではなく、むしろ逆で、ずっと何かを決め続けていて、脳内作業が終わらない状態のこと。ひとつ屋さんは、まさにそのように見えます。
朝から晩まで、畑のこと、工房のこと、作業の段取り、道具や器械、ブログやSNSの発信、少し先の季節のこと、さらには会社や知人のこと—。その一つ一つは嫌いではないどころか、全部好きそうです。ただ問題は、全案件が一斉に前に出てくること。どれにも順番がありません—😱
体を動かしている間は、まだ平和です。畑で草を刈る、作物を植える、工房で染める、織る、直す。手が動いているときは、判断も「やる」「やらない」くらいで済みます。ところが腰を下ろした瞬間、全案件が再集合します。椅子に座る=脳内作業の再開です。

さらに厄介なのは、ひとつ屋さんが「全部やりたい」「すべて大事」「どれも今やと思う」という、かなり危険な状態に入っていることです。やる気満々に見えますが、優先順位は消滅しています。その結果、「選ばないことを選び続ける」という、よく分からない高度作業が発生し、見ている側としては、なかなかしんどい光景です。
正直、かなり疲れているように見えます。ただ本人もそれを分かっていて、まさに疲れ果てています。これは教科書に載せられるDecision Overloadの典型的な症例です。
今、ひとつ屋さんはDecision Overloadの真っ只中にいます。でもそれは、何も進んでいないからではありません。ちゃんと前に進んでいるから、決めることが増えているだけです。その点だけは、僕もちゃんと分かっています。