投稿者: hitotsuya

  • 美しいものには“毒”がある!?

    美しいものには“毒”がある!?

    近ごろの気候がおかしいのか!?  それとも僕が歳をとったから、そう感じるのか—!? ともかく、今年の夏は暑いです。大阪では、もう二週間近くも35度を超える猛暑日が続いているうえに、夕立もなく、公園の木々には立ち枯れたものさえあります。

    いつもの年なら染料となる植物を採取するころなのですが、この暑さと植物の元気のなさに、その気になれずいます。ところがドッコイ!! さすが雑草ですね。しっかりと生きているものがいます!

    美しいものには“毒”がある!?
    これは「ヨウシュヤマゴボウ」。その名のとおりの外来種で、大きくなると2メートルにもなり、ゴボウの名のとおり、頑丈な根を張るので駆除が大変です。そのうえ、毒まである嫌われ者ーー。でも、別名を「インクベリー」といい、実で美しい紫を染めることができりそうです。しかし、その実は暑さのせいか、今のところ小さな状態です。

    美しいものには“毒”がある!?

    涼風が吹くころには、紫の実がたくさんなるでしょう。本当に別名のごとく、色も形もブルーベリーのような、いかにも美味しそうな実がなるのですが、毒があるので、決して口にしてはいけません!! でも、驚くほど美しい色に染めることができるそうです。まさに 美しいものには“トゲ”ならぬ“毒”があります。秋、実を採取して染めることができたら報告します。

  • ひとつ屋のタグ

    ひとつ屋のタグ

    僕には、今も二人の先生がいます。一人は染色の先生、もう一人は縫製の先生です。一つの作品が完成すれば、必ず二人の先生に見せて意見をうかがうことにしています。

    最近になって、そのどちらの先生からも「ほんとッ!! うまくなりましたねぇ~。もう“売り物”になるレベルに達しましたねぇ~ 」といっていただきました。とても嬉しいです。しかも、染色の学校で開催される秋のイベントに出展するチャンスもいただきました。

    そこで、作品に付ける“ひとつ屋のタグ”を作ろうと考えています。近ごろでは、小ロットで本物のタグや折りネームを作ってくれるところもあるようですが、せっかく一つ一つ手作りしているのに、タグだけは機械で作ったものにするのもなぁ~ と考えた末に、基本に立ち返ってタグも一つ一つ手作りすることにしました。

    ひとつ屋のタグ
    どこにでも売っているアルファベットのスタンプと布用のインクです。考えてみれば、これで充分です。作品の雰囲気に合わせて、タグも一つ一つ違ったものにしようと思っています。

    ひとつ屋のタグ
    そもそも「ひとつ屋」という名前にしたのは、いろんなことがあって一つ一つのことを大切にしたいと思ったからです。正直のところ、今はビミョ~な雰囲気のタグですが、お墨付きの言葉をいただけた今だからこそ、やっぱ基本の思いを大切に、タグも一つ一つ手作りすることにします!

  • Tシャツ 『 十三夜 』

    Tシャツ 『 十三夜 』

    “雲の型紙を使ったTシャツ” が、ようやく完成しました。何度も何度も失敗しただけに、かなり嬉しいです。しかも、納得の出来栄えです!

    柄のメインは背面で、藍で斑(むら)染めした地に、雲の柄を抜染(ばっせん)し、さらに銀箔を押し月を表しました。イメージしたのは「わが庵(いほ)は 月待山のふもとにて 傾むく月の 影をしぞ思う」という足利義政(あしかがよしまさ)の詩歌。京都は東山の銀閣寺――月待山の背後から上がる冴え冴えと輝く月と秋の夜空の静けさです。


    ▼ デザインのメインは背面です。


    ▼ こちらが正面です。


    正面はシンプルにしましたが、下の写真のとおり、雲の柄がポケットにかかっているのがポイントです。 前後の身ごろ、袖、ポケットと、 必要なパーツを単体で染めてから、それぞれに柄を施してた後に縫うという、結構と手間がかかりました。


    「十五夜」でなく「十三夜」にしたのは、陰暦の9月13日の夜に昇る月が、十五夜(陰暦8月15日)に比べ、が「芋(いも)名月」と呼ばれるのに対しして小さく清楚な雰囲気を感じたからです。

    お盆も終わり、月の美しい季節ややってきますね。


  • インドアカネで染める。

    インドアカネで染める。

    できるだけ自分で育てたり、採取したりした染料植物を使って染めようと心がけていますが、それだけでは限界があるので、ときには染料店で購入したものを使うこともあります。その代表が茜(アカネ)です。


    「茜」は、日本にも自生するアカネ科の蔓性多年生植物で、本州をはじめ、四国や九州での路傍や林で見ることができます。根から赤い染料を抽出することができるので、つまり“赤根”なんです。紅花(ベニバナ)よりも古くから染料として用いられてきましたが、日本の茜は手に入りにくく、一般の染料店で売られているのは、西洋茜(セイヨウアカネ)やインド茜がほとんどです(上の写真は「インド茜」です)。

    染色方法は最も基本的な方法で、ただ煮出した液に布を浸し、その後に媒染します。その媒染も、明礬(みょうばん)で大丈夫なので、とても手軽に染めることができます。下の写真は染色中です。“濃染処理をした布”と“精練のみの布”です。


    写真は上から、“精練のみの布” “濃染処理をした布”。三番目が“回数を重ねて濃く染めた布”です。どれも、フリンジをつけてスカーフに仕立てる予定です。

    茜はとても美しい色に染まります。お盆も過ぎ、これからの季節には茜色が似合います。そんな色を、いつの日か、自分で採取した “日本茜” で染めてみたいです。


    2019年の夏
    インドアカネの販売開始!

    ※ インドアカネは、ひとつ屋の実店舗のほか、Amazon楽天Yahoo!creema などでも販売しています。

  • 大阪の自然

    大阪の自然

    自宅から染色学校へは約1時間。といっても、車でも電車でもなく、自転車です。週に一度の通学なのですが、少しでも運動になれば !と思い、この酷暑のなか、汗を拭き拭き、ペダルをこいでいます。

    つい先日のこと、その通学の途中に、ふと見上げると遠くに生駒(いこま)の山々が美しく見えています。この学校に通いはじめて、もう2年目に入ったというに、最近その光景に気付きました。

    大阪の自然

    子供のころは大阪市内からでも3階ほどの建物に上がれば、東に生駒山や金剛山(こんごうさん)の山並みが見えたものですが、今は数多くのビルに遮られ、ほとんど見ることができません。

    考えてみれば、南北に細長い大阪のこと、思いのほか山と海との間に距離はありません。実際、海岸部から自転車で1時間足らずで、こんなにも山は近くになります。

    大阪の自然
    確か、戦国時代に日本にやってきた宣教師の日記にも、生駒の山から光り輝く大阪城(当時の大阪城は金箔瓦)が見えたということが書かれてあるとか。きっと見えたんでしょうね。どこからでも山々が、そして大阪城が—。

    “喧騒の街”というイメージが付きまとう大阪ですが、意外も山も海も近くにあり、かつてはそれらと密接に繋がった文化を育んできました。ところが、今では西部(海辺)に暮らす僕らすら、この街で海を意識したことなんてありません。なので、いつも思うんです。大阪に生まれ育った者らしい作品を作ろうと思えば、歴史や文化はもちろんのこと、もう少し“大阪の自然”についても勉強しなけば! と。