カテゴリー: 草木染の方法(YouTubeなど)

このカテゴリーでは、ひとつ屋がホームページやYouTubeにアップした動画を紹介しています。草木染の基本的な方法をはじめ、糸づくりや織り方など、染織に関わる工程を中心にまとめています。実際の作業の流れや手元の動きが分かるように、現場の視点から“How-to”をできるだけ丁寧に解説しています。

  • 藍(生葉)の保存方法

    藍(生葉)の保存方法

    草木染の代表する染料といえば「藍」ですが、あの紺色を出すには“熟練の技”が必要なんです。

    一方、藍そのものを育てるのは非常に簡単で、庭やベランダ、プランターでも育てることができます。インターネットにも詳しい育て方が掲載されていますが、非常に強い植物なので “雑草だ!!” と思えば、それほど神経質にならなくても、水さえやっていればグングン生長していきます。

    ただ、あの深い藍色を作り出すには「建て染め」と呼ばれる方法を用いならず、熟練の技が必要となります。まず、収穫した藍を天日で乾燥させ、一定の水を加えて発酵させます。こうしてできた「すくも」に、さらに水を加えて熟成発酵させ、バクテリアの活動を促すために栄養素を投入したり、PHを調べたり…と難しい作業を要します。染料になるまでには、実に100日以上が必要。「藍は生き物です」などと言いますが、まさに!! “世話”をしてやらなければならない染料なんだそうです。

    これに比べると比較的簡単に染められるのが、生の藍葉を使った「生葉染め」といわれる方法です。しかし!! 生の藍を使うので、作業は生葉が取れる時季に限られてしまいます。

    乾燥させて保存すると「建て染め」しかできなくなり、冷凍保存にもむいていないようです。どうやら、そのカギは藍に含まれる「インジカン」という成分にあるようです。乾燥させたり、冷凍したりすると、これが壊れるようです。

    インジカンが何のことか? さっぱり僕にも分かりませんが、ともかく!! これを壊さずに保存できれば、いつでも「生葉染め」が楽しめるようです。で、インジカンを壊さずに保存できる状態にするには、急速に乾燥させるのがよいらしく、身近にあるものでは電子レンジを使って一気に乾かしてしまう方法があるようです。早速、収穫したばかりの藍で試してみました。


    生葉藍の保存方法


    ▼ プランターで育てた藍(タデアイ)

    ▼ 葉を摘み取って耐熱皿に乗せ、電子レンジへ

    ▼ 1分ほど加熱すると、こんな状態になります。

    こうなったら蒸気を飛ばすように混ぜ、次からは30秒~40秒ほどの加熱を繰り返して次第に乾燥させていきます。藍も皿も非常に厚くなっているので、くれぐれもヤケドには注意してください。

    ▼ 加熱を繰り返し、カラカラの状態になれば完了です。

    カラカラの状態になる前は、加熱時間を短くし、目を離さないてでください。カラカラ状態で加熱を続けると発火することがあります。くれぐれも目を離さず、注意して行ってください。これを密封容器に入れて冷蔵庫で保存します。

    こうして乾燥させた藍を使えば、いつでも「生葉染め」が楽しめる!! というわけなんですが、まだ染めるほうの実験はしていないので、どんな染め上がりになるかは不明です。また、保存期間も不明なのですが、一説によると数年、それ以上だそうです。機会があれば、こうして乾燥させた藍を使っての染めを紹介します。

  • 赤麻(あかそ)染め――染料の作り方

    赤麻(あかそ)染め――染料の作り方

    先日、岐阜県で採取してきた「赤麻(あかそ)」から染料を作り、きれいな赤い染料をとることができました。今日は、その染料の作り方を紹介します。


    まずは「赤麻」についてです。赤麻は「赤苧」とも書く、イラクサ科の多年草で、山地に多く自生し、高さ60~80cmで、葉の縁にはノコギリのようなギザギザがあります。その名のとおり、茎に赤みがあり、淡紅色の穂をつける植物です。

    制作風景

    制作風景

    ちなみに、昔は乾燥させた赤麻の茎を木槌などでたたいて繊維をとり、それを撚(よ)り合わせて糸を作り、さらに布に織ったそうです。それが「麻」のような布なので、「赤麻」と書くようになったそうですが、その葉は紫蘇によく似ており、「赤い蘇」の意味ではないかと思っています。漢字での表記は別として、もともと「そ」には何らかの意味があって(例えば「ギザギザ」みたいな意)、「紫の“そ”」や「赤い“そ”」から、そう呼ぶようになったのではないかと思うんです。
    ※ただし、あくまでも僕の個人的な説です。


    それでも、染料をとるために赤麻を煮ると、ほんとに「紫蘇ジュース」と同じ香りがするんです。僕の仮説も、まんざら間違いではないかもしれませんよ。

    余談はこのくらいにして「赤麻での染料の作り方」は次のとおりです。


    染料づくり


    (1)まず、水洗いしてゴミを取り除いた赤麻を、2~3cmほどの長さに切ります。そのとき、ステンレス製の刃物は使えません。草木で染めた多くのものは、最終的に金属イオンで発色と定着をさせます。これを媒染(ばいせん)と呼ぶのですが、それまでは金属に触れさせることができないからです。

    制作風景

    (2)湯が沸騰したら火を弱め、40分ほど煮て染料を抽出します。僕の場合、あまり難しく考えず、自分が好きな色が出れば煮るのをやめます。ただ、できるだけ濃く、それでいて透明度の高い染料を作ることを目標としています。というのも、濃い染料にしておけば、後で薄めることができるからです。

    制作風景

    (3)煮るのが終わると、ストレーナーで大まかに葉や茎を取り除き、熱いうちに細かい目の濾布(こしぬの)を使って、染料のみを濾しとります。煮出した直後は茶色だった染料が、空気に触れ、次第に赤く変化していきます。

    制作風景

    (4)さらに、このまま2~3日放置しておくと、空気との酸化作用によって赤みを増します。

    制作風景

    赤麻の染料は、水だけを使って抽出することができる、比較的簡単な染材です。近くに赤麻のある方は、ぜひ!やってみてください!!