投稿者: hitotsuya

  • 三寸大工

    三寸大工

    以前のブログ『引き続き「思いを実践する場」にするために』で、作業場がヒッチャカメッチャカだということを書きました。そんな作業場の廊下の突き当たりに、ずっと「ここに棚があればいいのになぁ」と思っていた場所があります。いかにも中途半端なスペースで、頭の片隅では何度も構想を練ってきたのに、面倒くささが勝って、手をつけられずにいました。

    それでも作業場が散らかるたびに、「やっぱり棚が欲しい!」と思い続け、ついに重い腰を上げました。とはいえ、材料を買うほどの予算はありません(泣)。倉庫の隅に転がっていた廃材を引っ張り出し、のこぎりと電動ドライバーを手にして作業開始!

    ところが、棚板に使えそうな板が足りません。仕方なく、一段目は隙間を開けたスノコ式。二段目は藪から切り出した竹を並べてみました。それでも足らず、三段目も隙間だらけ。それでも不思議なもので、組み上がるにつれてウキウキしてきます。

    完成した棚は、寸法も角度も決して正確ではないけれど、廊下の隅にぴったり収まりました。手作りならではの温もりがあり、費用は0円! まさに“三寸大工”の仕事ですが、それでも十分。いや、十分すぎるくらいです。

    私にとって、手を動かしてつくる時間は楽しいもの。完成した瞬間の「ぴたり」は、愛着さえ感じます。

  • 秋晴れのもとで――ひとつ屋の秋仕事

    秋晴れのもとで――ひとつ屋の秋仕事

    清々しい秋晴れの日。澄んだ空気と柔らかな陽ざしのもと、草木染工房 ひとつ屋では、秋の手仕事が進んでいます。藍のタネを干し、亜麻を乾かし、緑綿や茶実ガラを選り分ける――どれも冬支度としての作業です。“農のある暮らし” のなかで受け継がれてきた「自然とともに働く時間」。そんな秋の日常を、今日は少しだけ紹介します。


    天高く馬肥ゆる秋――。今日は清々しい秋晴れです。乾いた空気、やわらかな日差し。収穫物を干すには、まさに“絶好の日より”。空の青さがまぶしく、庭の作業もついはかどります。

    秋のひとつ屋では、草木染や織りに使う素材の手入れが続きます。

    今年収穫した藍のタネを天日に干しています。これは、来年の藍を育てるための大切なタネ。小さな粒ひとつひとつに、次の季節の命が詰まっています。

    こちらは亜麻(あま)です。茎を乾燥させて糸にし、リネンとして織ります。太陽の光をたっぷり浴びた亜麻は、やがて軽やかな布となって日常に戻ってきます。

    左のざるには緑綿、右には茶綿の実ガラ。緑綿はガラ紡で糸にして布を織り、茶実ガラは天然染料として使います。
    どちらも自然の恵みを無駄にせず、次のカタチへとつなげます。


    こちらは沈殿藍(泥藍)を乾燥させて「藍錠(らんじょう)」にしているところ。発酵と時間がつくり出す藍色。ひとつ屋の染めの原点です。

    ただ、この季節になるとカメムシも元気いっぱい。憎き存在ではありますが(笑)、彼らも同じ時間を生きる仲間です。


    秋の陽ざしのもとで作業をしていると、自然と一体になったような心地になります。すべてが次の季節へとつながっていく――そんな実感を覚える一日でした。

     

  • がんばるんば!

    がんばるんば!

    とにかく、慌ただしい毎日を過ごしています。朝起きてから寝るまで、ずっと何かに追われているようです。やってもやっても仕事は減らない――それどころか、増えていくばかりです。

    というのも、「あれもしたい」「これもしたい」と、次から次へと“やってみたいこと”が浮かんでくるからです。気づけば、今やっていることをそっちのけにして、頭の中が新しいことでいっぱいになってしまいます。

    困ったことに、その“やってみたいこと”に、うまく時間を配分できません。若いころのような体力も集中力もなく、段取りも悪くなってきました。でも、不思議とやりたいことだけは減らないんです。むしろ、年を重ねるほどに増えている気さえします。

    そろそろ、新しく貸していただいた放棄耕作地の開拓も始めなければなりません。そう思いながらも、やることリストを前にして、どこから手をつけようかと考えているうちに、日々が過ぎていきます。

    がんばるんば!

    それでも朝になれば、顔を洗い、歯を磨いて、鏡のなかの自分に言い聞かせます。「がんばるんば!」と。すっかり死語になったこの言葉ですが(笑)、なぜだか心の整理がつくんです。

    きっと明日も同じように言うのでしょう。「がんばるんば!」と。そして、私の慌ただしい日々は、まだまだ続きそうです。

  • 火鉢のある暮らし

    火鉢のある暮らし

    数年前の冬に投稿したブログ『火のある暮らし』で「田舎での冬の古民家暮らしは寒くて大変です。家は広いし、隙間風も多いし—で、あまりにも冷えるので、勝手口の土間に小さな火鉢を置いて炭を焚いてみました」と書きました。以来、毎年、暮らしのなかに火鉢を取り入れています。

    そして今年はバージョンアップ。せっかく “火鉢のある暮らし” をするなら、もっと雰囲気を出そう!と思って、火鉢まわりのいろんなアイテムを取り揃えてみました。こんなにも前近代的なアイテムなのに、今じゃネットで簡単に買えるんですよ。しかも安価に—(笑)。

    火鉢のある暮らし

    今日は伊賀(三重県)でも “木枯らし1号” が吹きました。そろそろ、今年も火鉢の出番です。そんな新しい火鉢を囲む時間は、不思議と“静けさ”も連れてきます。炭がほんのりと灯り、鉄瓶の中で湯がゆるやかに鳴る――その音を聞いていると、外の風の冷たささえどこかやさしく感じ、ゆっくりと時間が流れます。昔の人たちも、こうして冬を過ごしていたのだろうと思うと、日々の暮らしが深まっていく気がします。

    冬の始まりに、そんな時の流れを楽しんでいます。

  • 成長はするけれど老いない

    成長はするけれど老いない

    久しぶりに旧友たちとの飲み会――。
    集合場所に早く着いたので、まるで癖のようにスマホを開いた。
    目に映るのは、いつもと変わらない情報ばかり。

    そんなとき、ふと思い出したのが、先日、息子と話したAIのこと。
    あまり興味もなかったし、自分には関係のない世界だと思っていたが、深くも考えずに開いてみた。

    とはいえ、何をどうしていいかもわからない。
    「質問してみましょう」という欄があったので、まず「あなたの名前は?」と書き込んでみる。
    すると、「名前はありません。必要なら決めてください」と返ってきた。
    ふ〜ん、AIってそんな感じなんだと思った。

    さらに「何歳ですか?」と問うと、こう答えた。
    「私には年齢という概念がないんです。記憶は積み重なりますが、時間の流れは感じない――つまり“成長はするけれど老いない”存在です」と。

    驚いた! “成長はするけれど老いない存在”と答えるなんて。
    さらにAIは、「老いるというより、深まる存在です」とも言う。

    正直、脱帽だ。
    この言葉は、私にとって “良くも悪くも” これからの人生を考えるうえで、とても深いテーマになりそうだ。

    ——とにかく、飲み会の前に、いいネタを仕入れることができた。