投稿者: hitotsuya

  • 最も基本的な再生可能型の物づくり

    最も基本的な再生可能型の物づくり

    先日のブログで 『枇杷葉染め』 の工程について書きました。そこでは枇杷の葉を使ってのストールの染め方を紹介しました。

    最も基本的な再生可能型の物づくり

    とても美しい色に染めることができました。

    最も基本的な再生可能型の物づくり

    そして、その後に残るのが煮出した後の枇杷の葉––。つまりは “出がらし” です。

    最も基本的な再生可能型の物づくり

    これを一旦 乾燥させます。
    最も基本的な再生可能型の物づくり

    そして【ひとつ屋染織農園】のコンポストへ。

    最も基本的な再生可能型の物づくり

    わが家で出た生ゴミや米ぬか、さらには工房で出た茶がらやコーヒーの出がらしも一緒にコンポストに入れています。肉類や魚介類の生ゴミ以外は、このコンポストで堆肥にすることができ、これを肥やしにして次の染料植物を育てることができます。ちなみに、染料の出がらしを乾燥させるのは、水分過多でコンポスト内の腐敗を防ぐためです。

    まさに!! 草木染は “最も基本的な再生可能型の物づくり”  です!

  • 板締め絞り

    板締め絞り

    久しぶりに藍染めで板締め絞り(いたじめしぼり)のストールを染めています。これは板で布を挟んで染めるもので、最も古い染色技法の一つです。

    ▼ まずはストールを三角形に折りクランプで締めます。

    板締め絞り

    ▼ これを藍で染めます。

    板締め絞り

    ▼ その後、仕上げ処理して広げると—。

    板締め絞り

    おもしろい柄になりました。ちょっと板締め絞りにハマりそうです。

  • 晩秋

    晩秋

    秋が深まり、そろそろ今年最後の植物採取でも――と思い、近所の河川敷へと出かけてみました。ここは、大阪市の西南部。すぐそこは大阪湾です。もう、潮の香りさえします。

    お~!! 気持ちいい!


    晩秋

    ▼ 西には遠くに兵庫県の六甲山(ろっこうさん)。
    晩秋

    ▼ そして、はるか東には奈良との県境の「二上山」が見えます。
    晩秋

    植物採取をやめて、のんびりブラブラと散歩を楽しんでしまいました。このところ忙しい毎日が続いていたので、たまにはこんな日があってもいいか!!

    それにしても、空気が澄むころになりました。もう今年も、残すところ2か月。あれもこれもやっておこないと、忙しいばかりです。そして、来年は店のオープンだ!! 頑張るゾ!!

  • 北の大地が育んだ“アイヌの蒼”

    北の大地が育んだ“アイヌの蒼”

    秋晴れの続いた先日のこと、染料農園の一角に籾殻(もみがら)をまいて、土にすき込む作業を行いました。近郊の農家からいただいた籾殻。ですが、都会育ちの “シティーボーイの僕 (笑)” には、土にすき込む農作業は重労働です。

    北の大地が育んだ“アイヌの蒼”
    北の大地が育んだ“アイヌの蒼”

    この場所は、日当たりが悪く、水はけもよくないので、だれもが何も植えずに放置されていたのですが、籾殻や腐葉土を入れて土壌を改良してやれば、山野草で日陰を好む染料植物には最適な場所なんです。

    そこで、すき込んだ後に早速!! 植えたのが「ウォード(細葉大青/ほそばたいせい」という植物です(※本来、大青の「青」の文字は「靑」です。

    北の大地が育んだ“アイヌの蒼”

    この植物は文字どおり、「青」を染めることのできる染料植物で、蓼藍(たであい)や琉球藍、インド藍と同様にインジゴ成分を含みますが、種類は全く違うアブラナ科の2年草です。18世紀に中国から渡来したとされていますが、一説には古くから北海道には「蝦夷大青(えぞたいせい)」が自生しており、アイヌの人々はこれで民族衣装を染めたといいます(時代によっては交易で中国から藍を手に入れていたともいわれています)。また、同様に欧州ではアジアから藍が輸入されるようになるまで、藍染めには「ヨーロッパ大青」という種類の大青が用いられていたようです。

    ちなみに、アイヌの民族衣装を想像したとき、僕が思い浮かべたのが、この衣装の “紺色” でした。同じ藍を染めるにも、地域によって育てる(使う)植物がこんなにも違うことに改めて驚かされます。でも、だから色にも微妙な違いが生まれるんですね。僕は、いつもそこに風土性というか、人間くささというか、化学染料にない魅力を感じます。

    北の大地が育んだ蒼――。素敵ですね。北の大地じゃないですが、頑張って育てて“アイヌの蒼”を再現してみようと思います。

    国立民族学博物館に展示されていたアイヌの民族衣装

    国立民族学博物館に展示されていたアイヌの民族衣装

  • 枇杷葉での染め方(後編)

    枇杷葉での染め方(後編)

    今回は『枇杷葉での染め方(前編)』 に続き、今回は後編です。いよいよ実際に染め上げていきます。


    枇杷葉での染め方


    ① 前回までに枇杷の葉を煮出して染料にしています。

    枇杷葉での染め方

    ② 今回は、こんな布を染めてストールに仕立てようと思います。コットンとレーヨンのスラブ糸を織った布です。

    枇杷

    枇杷

    ③ 精練してから、植物染料の染まりをよくするため濃染処理(カチオン化)します。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ④ いよいよ染めていきます!! が、ここでちょっと実験です。

    草木染の場合、この段階で染料を高温にして“煮ながら染める”というのが一般的な方法なのですが、そうすると染まるのが急激なうえに、箸や棒で布を撹拌しないといけないので、染めムラになったり、ときには生地を傷めたりすることがあります。

    そこで、今回は実験的に“染料を高温にせず、染めてみる”ことにしました。染料の温度は43℃ほど。ちょうどよいお風呂の温度です。そこに布を入れ、手で広げながら、ゆっくりゆっくり染めてみました。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ⑤ 濃染処理しているので、コットンで、しかも低温でもしっかり染まりました。染色後はアルミによる媒染です。

    枇杷葉での染め方(後編)

    ※「媒染」とは、いわゆる「発色」と「色止め」のことで、簡単にいえば、金属イオンが繊維と染料を結びつける働きをします。また、この媒染剤の金属の種類によって、同じ染料でも異なった色になります。媒染後、水洗い、煮洗い(炊いて洗います)、さらに水洗いを繰り返して乾燥させれば、染色作業は終了です。

    ⑥ フリンジを作って完成です。とても!いい色になりました。

    枇杷葉での染め方(後編)

    枇杷葉での染め方(後編)


    【備考】今回は、染料店で販売されている助剤を使ってコットン(植物繊維)に濃染処理(カチオン化)をしているので非常に濃く染まりました。が、未処理だとこのようには染まりません。昔は呉汁やミルクを使って、植物繊維を少しでも濃く染めたようです。ただし、色むらが起こりやすいです。