カテゴリー: ブログ

ひとつ屋の日々の仕事や判断、その背景にある考えを、いくつかのカテゴリーに分けて記録しています。畑で植物を育て、染め、織り、道具を整え、作り続ける。その過程で起きた迷いや選択を、現場の視点から綴っています。完成品だけでなく、そこに至るまでの時間や思考も含めて残す記録です。

  • ロウケツ染め「蝋伏(ろうぶせ)」

    ロウケツ染め「蝋伏(ろうぶせ)」

    前回のブログ『ロウケツ染め①「デザイン画をトレースする」』に続いての工程です。

    前回までにデザイン画を布に写し取る作業を終え、今回からは、溶けた蝋(ろう)を筆で布に塗っていく作業です。せっかく作るなら!! と、はりきって細かな図柄のデザインにしたものの、これを布に写し取る作業も、蝋を塗る作業も、思った以上に大変なものになりました。

    ちなみに、ロウケツ染めで布に蝋を塗ることを「置く」と言います。なので、以後は「置く」と表現します。


    ロウケツ染めの方法


    ▼ デザイン画を布に写しとる作業。
    ロウケツ染め②『蝋伏(ろうぶせ)』

    ひと口に「ロウケツ染め」といっても、さまざまな技法がありますが、今回の課題で用いるのは「蝋伏(ろうぶせ)」という基本的な技法で、布に蝋を置くことで染料が布に入るのを防ぎながら色を重ね、図柄を表すものです。たとえば、白地に蝋を置き、黄色で染めれば、蝋を置いた所だけが白く残ります。さらに、その上(黄色い部分)に蝋を置き、青で染めれば、黄と青の掛け合わせで緑の地となり、白と黄の柄ができます。これが「蝋伏」の技法と原理です。

    この技法に乗っ取って、布に写しとった下絵を原画(カラープランニング)と照らし合わせながら、まずは白くする部分に溶けた蝋を筆にとって置いていく作業です。

    ▼ 白くする部分に蝋を置きました。黄土色の部分が蝋で伏せた所です。
    ロウケツ染め②『蝋伏(ろうぶせ)』

    ロウケツ染め②『蝋伏(ろうぶせ)』

    蝋を一度 置いただけでは布に染料が入ってしまうので、もう一度同じ部分を塗って完全に防染しなければなりません。それが今回の課題なんです。しかも、最終的には五つの色を使う予定なので、5色×2=10回も、この細かな作業を、根気よく!! 丁寧に!! 失敗なく!! 完了しなければなりません––😱 ともかくも、現段階で白はOKなので、次の段階へと進むとします。

  • ロウケツ染め①「デザイン画をトレースする」

    ロウケツ染め①「デザイン画をトレースする」

    先月から再開した染色の本格的な勉強––。最初の課題は「ロウケツ染め」です。その染め方(方法)について手順を追って紹介したいと思います。


    ロウケツ染めの方法


    ① まずは図案(デザイン)を考えます。
    再開した染色の勉強

    ② 考えた図案を布にエンピツ(B4)で写し取っていきます。今回は、トレス台を使っています。

    ロウケツ染め①『デザイン画をトレースする』

    染めるのは40×100cmの布。テーブルセンターにも、タペストリーにもなる大きさです。最初に原寸大に拡大した図案の布の下に敷き、B4の鉛筆を使って、できあがりの予想図を確認しながら丁寧にトレスしていきます。

    ロウケツ染め①『デザイン画をトレースする』

    上の写真の右上に置いている赤い絵が、できあがりを予想した図案です。真っ赤なベースに空想上の植物である「宝相華(ほうそうげ)」を配した図柄です。

    頑張って作業を進めていきます!!

  • 再開した染色の勉強

    再開した染色の勉強

    7月に入ってから本格的に再開した染色の勉強――。まずは半年にわたって基本的な染色技法の習得です。最初の三ヶ月で「ろうけつ染め」を、後半の三ヶ月で「型染め」を学びます。

    すでに「ろうけつ染め」の実習は始まっているのですが、正直のところ “ 四苦八苦している ” というのが現状です―― 。

    というのも「ろうけつ染め」は、溶かした蝋(ろう))を筆や専用の道具で布に塗り、その部分が染まらないことを利用して図柄を表現する技法で、おおらかで自由な手描きの雰囲気が特徴の一つなのですが、実は僕、この “ 手描き ” というのが、とても!! 非常に!! 苦手!! なんです!!!!!

    なので、これが必要ではない「絞り染め」や「型染め」の技法を中心に作品を作っており、「ろうけつ染め」を意図して避けてきました。それなのに!!、最初の課題が「ろうけつ染め」だなんて— 、どんなデザインにすればいいのか!? 手描きが苦手なだけに、それさえも思いつきません。

    実は、そんな思いもあって、おおらかで自由な雰囲気のするアフリカや南米の染織品にヒントを得ようと、先日「国立民族学博物館」に行ってきました。

    ▼ こんなものを染めてみたいんです。
    本格的に再開した染色の勉強

    一見すると簡単そうにも見えるんですが、この雰囲気が出せないんです。 おおらかで大胆で、そして自由な雰囲気――、まねることはできても、オリジナルとして描くことが、日本人である僕の頭では無理なんですよね。

    もちろん、何度もチャレンジしたんですが、納得できるものにはなりませんでした。そして、行き着いたのが “アフリカ人じゃないし—。” という開き直り。

    せっかく染色を再開したわけだし、近いうちにおおらかで大胆な作品にチャレンジしてみようと思ってはいるのですが、最初の課題でもある今回は、“アフリカのようなデザイン”ではなく、“東洋的な図案” にすることにしました。

    ▼ 悩んだ末に、こんな図案にしました。
    再開した染色の勉強
    これは「宝相華(ほうそうげ)」と呼ばれる空想上の植物で、牡丹(ぼたん)をはじめ、蓮(はす)、柘榴(ざくろ)などを組み合わせた図案になっています。日本では正倉院の宝物をはじめ、このブログでも紹介した平等院にも見られた模様です。唐草模様のように同じ図柄を連続して用いることが多いようですが、僕の描いたものは若干のアレンジをしています。

    ちなみに、課題で作るのは40×100cmの布。テーブルセンターにも、タペストリーにもできるものです。これからの作業は、この図案を布に写して蝋を置き、染めていきます。

    手書きが苦手な僕––。さて、どうなりますやら!? 楽しみにしていてください。

  • 初夏の彩り

    初夏の彩り

    清々しい季節が過ぎて梅雨に入りました。連日のように降り続く雨ですが、僕は雨が嫌いではありません。雨の日は、とても作業に集中できるからです。

    ある意味、僕にとって貴重なレイニーシーズン。GW中に採取した植物で染めた生地で何を作ろうかと思案しています。

    初夏の彩り
    ちなみに、上の写真の布を染めた植物です。いろんな色がありますが、実際に使ったのは、ほぼ下の写真の4種類の植物で、媒染剤(ばいせんざい)の違いが色の違いとなっています。

    ▼ シダ類(詳しい名前を知りません)
    初夏の彩り

    ▼ イタドリ(虎杖)
    初夏の彩り

    ▼ サクラ(八重桜)
    初夏の彩り

    ▼ ヨモギ(蓬)
    初夏の彩り

    さぁ~て、何ができるか楽しみにしていてください。うまくできたら報告しますねッ!!

  • 日本の自然から生まれた色を大切にしたい。

    日本の自然から生まれた色を大切にしたい。

    草木染を中心にした“ものづくりスペースのブログ”のはずなのですが、草木染のことについて書く時間がありません。作業風景や作品のことを書こうとは思っているんですが、作品を撮影しようにも場所がなかったり、作業中は手が放せなかったりで、その機を得ることができません。でも実際には結構と染めています!

    最近は随分と思うように染めることができるようになりました。染めムラもなく、その風合いにも納得できるようになりました。

    ちなみに、下の写真は、最も左の茶色が紅葉葉楓(もみじばふう)で染めたもので、その右隣が「藍(あい)」、その次が「桜」、次の二つが「背高粟立草(せいだかあわだちそう)」、さらに「柿渋(かきしぶ)」、最後の二枚が「栗」です。

    こうして並べてみると、自分でいうのもなんですが、本当に美しい色合いです。日本に育った植物から生まれた色は、まさに!! “日本の色”といった感じで、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

    次の作業は、これを使った作品づくりです。さぁ、また少し頑張ります!