カテゴリー: 制作風景

このカテゴリーでは、ひとつ屋で手作りしているアイテムの製作風景を紹介しています。実際の現場での手順や試行錯誤、完成に至るまでの過程を、そのまま記録しています。中には、思うようにいかず商品にならなかったものもありますが(笑)、そうした失敗も含めて、物づくりのリアルな一面として残しています。

  • 手捺染

    手捺染

    先日来、作っている『うずしおTシャツ』の染め作業を終えました。今日は、その工程を紹介します。今回、用いる技法は「捺染(なっせん)」と呼ばれるもので、染料を糊に混ぜて型紙を通して布に染め付ける方法です。

    でも、ひと言で「捺染」といっても、使用するのが染料だったり、顔料だったり、または手作業によるもの、機械によるものなどで、呼び方や作業工程が異なります。今回、私が用いたのは化学染料と合わせ型による「手捺染」という方法です。では早速、その工程を紹介します。


    ▼ まずは、前回までに彫った波の型紙の一枚目を使って染めました。


    最初に考えておいたカラープランニングを見ながら染料で色を作り、2枚目の型紙を使って次の段を染めていきます。

    ▼ カラープランニングです。



    ▼ 同様にして3段目。


    ▼ さらに4段目を染めてから渦巻きを染めていきます。


    ▼ 背中の「帆掛船」も同じように染めます。

    これで、型紙を使っての染めの作業は終了です。次は、これを定着液に浸けて色止めをし、さらに縫製をしてTシャツにします。1着作るのに大変な時間がかかりますが頑張ります。完成ほ報告を楽しみにしていてください!!

  • うずしお Tシャツ(帆掛舟)

    うずしお Tシャツ(帆掛舟)

    先日来、コツコツと作っている『うずしおTシャツ』の話です。
    下の写真が完成想像図だったのですが、なんとなく、観光地の土産屋さんで売ってそうなデザインだったので、ベースの白地を青のムラ染めにしたり、波の部分に捺染で「青海波」模様を入れたりと、手を加えて雰囲気を変えようと思っています。

    うずしお Tシャツ(帆掛舟)

    そうとなると、ちょっと寂しいのが背中のデザイン。そこで、こんな柄を入れるとしました。

    うずしお Tシャツ(帆掛舟)

    うずしお Tシャツ(帆掛舟)

    これは『帆掛舟(ほかけぶね)』という家紋で、村上天皇を祖とする名和(なわ)氏をはじめ、海に関係の深い家に見られるものだそうです。以前は、さまざまな家紋がデザイン的に大好きだったのですが、最近は、そうでもありません――。というのも、決して “品がいい” とはいえない部類の衣服や小物などに家紋が「和柄」として多用されているさまに、かなりげんなりしているからです。

    なのに、なぜ「帆掛舟」の家紋を使おうと思ったかというと、最近になって自分の先祖が鳴門の海で帆船を操っていたと知ったからです。もう百数十年も前のことだそうですが――。

    そんなわけで “うずしおに帆船をあしらったTシャツ” を作りたかったのです。 実は、このTシャツは海に生きたご先祖様に捧げるデザインだったんですよ。

    これで、すべての型紙が彫れたので、いよいよ染めの作業に入ります。

     

  • 檜皮(檜の皮)での染め方

    檜皮(檜の皮)での染め方

    少し前に息子と二人、ハイキングがてらに草木染の染料となる植物を採りに行ってきました。そのなかの一つ「檜皮(ひわだ)」で薄いコットンを染めてみました。


    檜皮の染め方
    (檜の皮)


    ▼ これが山で見つけた檜皮、つまりは檜(ヒノキ)の皮です。

    写真で見ると「えッ!? 」って感じなんですが、まずはゴミを取り除き、よく水洗いしてから2cmほどに切ってから乾かしておいたのが下の写真です。

    何となく、それっぽくなりました! これを、もう一度よく水洗いして、ステンレスの鍋で炊いて染料を作ります。ちなみに、草木染の染料を煮出す場合は、必ずステンレスかホーローの鍋で煮出します。鉄やアルミの鍋は禁物です。

    コトコト、コトコトと炊き続けましたが、あまり濃い染料が取れなかったので、今回は重曹を加える「アルカリ抽出」という方法で染料を作りました。

    ▼ こうしてできたのが↓ これです。とても濃い染料になりました。

    では、布を染めていきます!! といいたいところですが、その前に、重曹を加えてアルカリになっている染液に酢を加えて中和し、さらに、染める布を精練してから絹化させておくことが必要があります。ちなみに「精練」とは、布の汚れを取り除くことなのですが、目に見える汚ればかりではなく、布の含まれる油分やタンパク質を取り除くことをいいます。昔は灰汁などで炊いたようですが、今は専用の洗剤を加えて1時間ほど炊きます。また「絹化」とは、文字どおり「絹」のようにすることなのですが、これも見た目の問題ではなく、綿(コットン)や麻などの植物性繊維にタンパク質を付着させることをいいます。これは染料や媒染剤(色止め)がタンパク質と結びつくことで、しっかりと繊維に定着するのを利用した下処理です。これも昔は呉汁(ごじる)や豆乳を使ったようですが、今では専用の溶剤があります。そもそもタンパク質でできている絹(シルク)やウール(羊毛)は、この作業をする必要がありません。

    ▼ 下処理した布を染料に入れます。

    この状態で、ムラにならないよう、常に染液になかで広げるようにしながら染めていきます。好みに色具合になったところで引き上げ、水で軽くすすいでから媒染液に浸します。このときの色具合ですが、布は濡れているときは濃く、乾くと薄く感じるので、想像している仕上がりの色より、少し濃い目に染めておきます。今回は明礬(みょうばん)と銅の2種で媒染します。

    ▼ まずは明礬による媒染。

    ▼ 次に銅による媒染。

    媒染とは、染料を布に定着させるためのもので、いわゆる“色止め”です。難しくいうと、植物に含まれるタンニンが金属イオンと結びついて布に定着する作用で、同じ植物を使って染めても、媒染剤となる金属の違いで全く違った色になります。


    媒染後、ソーピング(余分な染料を落とし、堅牢度を上げる)してから乾燥して仕上げます。上が明礬で、下が銅による媒染です。どちらも落ち着いた美しい色に染まりました。今回染めたのは、スラブの入った、とても薄いコットン生地で、春から初夏にかけてのスカーフでも作ろうと思っています。次の作業は、天然顔料を用いて柄を加え、さらにフリンジを作ってから、1年ほど熟成させます。草木染は熟成させると、ほんとッ!! いい色になります!

    次の報告を楽しみにしていてください!!

  • はぎれを染める

    はぎれを染める

    今回も地味な制作風景です。下の写真は、伸子に張った布を引き染めしているところです。実は、毎日こうして布で何かを作っていると、はぎれが溜まるんです。捨てるに捨てられず、何かを作るにも小さすぎる––なんていう生地が、ダンボール箱にいっぱいあるんです。

    はぎれを染める。

    そこで、いろんな色に染めて、パッチワークのTシャツを作ってみよう!と、小さなハギレばかりを染めています。さて、どんな作品ができのか!?  今はオレンジ色ですが、まだまだいろんな色を染めなければならなので、作品を紹介できるのは、だいぶ先になりそうですが、楽しみにしていてください。

  • 青海波のTシャツ

    青海波のTシャツ

    以前のブログ『ただ今「うずしおTシャツ」思案中です』で “鳴門の渦潮” をイメージしたTシャツを作ろうと、あれやこれやと思案しているのですが、なかなか納得できるものにならない! というような内容の投稿をしました。

    ▼ そのときのTシャツのデザイン案です。

    青海波のTシャツ

    それからも考えた末に、色分けしたラインを型染(捺染)で表現しようと思っているのですが、ベタっとした面を作るより、せっかくの型染なので青海波(せいがいは)の模様を加えようと考え、その型紙を彫り始めました。

    青海波のTシャツ

    まるで蛇の鱗のように、重なり合いながら続くのは「青海波」と呼ばれる伝統的な模様で、もともとは雅楽『青海波』で着用された衣装に施されたものだそうです。その名のとおり、広い海に絶えず繰り返される穏やかな波をイメージした模様は、平穏な暮らしが続くようにという願いが込められた“吉祥文様”です。

    ▼ 穏やかな波を表現した「青海波紋」
    青海波のTシャツ

    と、由緒ある模様なのですが、整然と繰り返されることに美しさのある青海波文を手作業で型紙に彫るのには、とても苦戦しています。ふ~ッ😮‍💨 先日の絞り染めと同様(『絞り染めの風呂敷』)、毎日 少しずつ作業して進めています。でき上がりを楽しみにしていてください!