6月のオープン以来、たくさんの方にワークショップへのご参加いただいています(本当に!! ありがとうございます!!)。そのなかでも最高齢で84歳の女性の作品 『藍の絞り染めのランチョンマット』 です。


「昔から縫うことは苦にならない」とおっしゃる作品は、絞り染めはもちろんのこと、すべては手縫いです。帯芯を入れてしっかりさせた分、作業は大変だったと思います。それゆえに、素朴な温かみと品(ひん)の両方をもつ作品です。そんな雰囲気が大好きで、僕が目指すところでもあります。
このカテゴリーでは、ひとつ屋で開催したワークショップの様子や、受講生さんの作品などを紹介しています。染織やものづくりの体験を通して生まれた時間や成果を、記録として残していくためのカテゴリーです。

6月のオープン以来、たくさんの方にワークショップへのご参加いただいています(本当に!! ありがとうございます!!)。そのなかでも最高齢で84歳の女性の作品 『藍の絞り染めのランチョンマット』 です。


「昔から縫うことは苦にならない」とおっしゃる作品は、絞り染めはもちろんのこと、すべては手縫いです。帯芯を入れてしっかりさせた分、作業は大変だったと思います。それゆえに、素朴な温かみと品(ひん)の両方をもつ作品です。そんな雰囲気が大好きで、僕が目指すところでもあります。

ご自分で染めた布で洋服を作ってみたい…と、先日から染色を始められた生徒さんがあられます。洋裁は得意で、手縫いも苦ではないとおっしゃるので、まずは藍での縫い絞りをレクチャーさせていただきました。
3時間のワークショップで、きれいに染めていただけたと、ひと安心した翌々日のこと。もう素敵なチュニックに仕立てられ、ご来店くださいました。びっくりです!! 本当に素敵な作品です!! これからもレクチャーさせていただくのが楽しみです。


今年の半夏生(はんげしょう)は7月1日。半夏生とは、この日までに「田植えを終える」という目安で、古くから農家には大事な日だったそうです。また、この日を過ぎると、そろそろ「一番藍(いちばんあい)」の収穫がはじまるころともされたそうです。ひとつ屋の染料園の藍も収穫のころを迎えました。
↓収穫した藍(タデアイ)

そこで、ひとつ屋 では、この時季にしか染められない、「藍の生葉染め」のワークショップを開催します!!
※染め方な色合いについては『 藍の生葉染め 』 をご覧ください。
↓涼しげな淡い藍色に染まります。

今回のワークショップでは、シルク100%の手織りストールを(約35 cm ×約170cm)を染めます。全体を藍色に染めることのもちろんのこと、ムラ染めにしたり、絞り染めにしたりすることができます。ぜひ!! この季節にしか染まらない藍色を楽しんでください!!
※生葉藍の準備などがございます。ご参加は予約になっております。あらかじめご了承ください。
・場所/ ものづくり工房 ひとつ屋
・所要時間/2~3時間
・料金/3,800円(材料費込み/ 消費税込み)
・ご参加申込方法/店頭にてお申込みください。
・持ち物/エプロン(作業に適した服装)、タオル1枚
・期間/7月初旬~下旬(生葉藍がなくなり次第、終了させていただきます)
・対象年齢/中学生以上

天然染料(草木染め)で最も有名な染料の一つが「タマネギの皮」です。食品の一部であるうえに、美しい色に染めることができるタマネギの皮は、媒染剤(色止め・発色)が料理でも使う「明礬(ミョウバン)」なので、気軽にキッチンでも染めることができます。インターネット上でも、その染め方が数多く掲載されていますが、今回は“ひとつ屋流ワンポイント”を加えながら“きれいに染める方法”を紹介します。
【きれいに染める方法】
今回、染めてみるのは、2本のストールです。
(染めるものは天然繊維に限ります。)

上がシルク(絹)で下がコットン(綿)です。ともに40×160センチほどの大きさで、両方を合わせた重さが、約200gほどです。※早速ッ!! ここでポイント!! ① 染めるものは、必ず重さを量っておきましょう。後々、いたるところで重さが必要になります。② 染めるものを精練(下記参照)をしておきましょう!!
【精練の方法】
精練とは、染めるものに含まれている汚れや油分、糊などを取り除く下処理のことをいいます。一見、きれいで真新しい布(生地)でも精練は必要です。この作業をしたものと、そうでないものでは染め上がりに随分と差がでます。方法は至って簡単ッ!! 布の重さの30倍ほどの水に洗濯用中性洗剤を適量(いつもの洗濯と同じ割合)を加え、沸騰する直前の温度で1時間ほど炊きます。後は、ふつうにすすいで脱水してください。※はいッ、ここでポイント!! 草木染では、すべての工程でステンレスかホーローの鍋を使ってください。また、その他の道具でも鉄やアルミ、その他の金属鍋は使わないでください。その理由は後述しています。
【地入れ】
精練を終えて一旦 乾かした布の場合、染料の浸透をよくするために「地入れ(じいれ)」と呼ばれる作業を行います。「地入れ」なんていうと、すごい作業のようですが、ただ単に染めるものを30分ほど水に浸けておくだけです。精練後、乾かさずに染める場合、この作業は不要です。

【タマネギの皮で染料を作る】
今回は8リットルの水で20グラムのタマネギの皮を使いました。たった20グラムかと思われるかもしれませんが、集めるとなると、結構な量のマネギを食べないといけません・・・。実際に見ると、これぐらいの量です。Tシャツ1枚を染めるにも同じくらいの量が必要になると思います。ただ、多すぎても美しい色にはなりません。ちなみに、今回は“黄金色を目指していて、皮の量が多すぎると、ベージュや茶色になってしまいます。

20グラムのタマネギの皮に8リットルの水を加え、30分~1時間ほどかけて煮出して染液を作ります。※は~いッ、ここでもポイント!! タマネギの皮を煮出すとき、煮立たせないにように注意しましょう。どの本を見ても、そんなこと書いていないのですが、煮立たせると染液が濁ってしまって、それで染めると染め上がりも濁った色になるような気がしてなりません。なので、僕は煮立たせません。湯のなかでタマネギの皮があまり踊らない程度の温度で、じっくりと煮出します。染液の透明度や色の具合は、下の写真(【タマネギの皮で染める】)をご覧ください。
↓煮立たせず、じっくり色を抽出します。

【タマネギの皮で染める】
いよいよ染色です。まずは煮出したタマネギの皮を目の細かなザルやストレーナーで濾し取って染液(染めるための液)を作ります。これはタマネギの皮を8リットルの水で煮出しているので、ストール1本に対して40倍の染液を用いるということになります。今回は染液に布を浸して染める「浸染(しんせん)」という技法なので、この染液のなかで布をゆったりと泳がしながら染めます。なので、このくらいの量の染液が必要となります。といいつつ、これでも僕は少ないほうだと思います。ただ、これ以上少ないと、染めムラの原因になります。また、ひとつ屋では染料を60℃ほどに温めてから染めています。
↓シルク(絹)のストールを染めています。

↓コットン(綿)のストールを染めています。

上の写真のような状態で、絶えず染液のなかで布を動かしながら10分ほどで染めます。※はいッ、ここでもポイント!! 布を動かす場合は、ただかき混ぜるのではなく、染液のなかで布を広げるようにします。そのとき、菜箸を使うと布に穴を開けてしまうことがあるので、しゃもじ(先の丸いターナー)のようなものを使ってください。
【媒染をする】
ある程度に染まったら(ちなみに、染色に「正解ッ!!」なんて色はありません。あくまで自分が好きな色具合になればOKです)染液から引き上げ、バケツなどに汲んでおいた水に入れて余分な染料を洗い流します。ゴシゴシは洗わず、水のなかで振り洗いする程度です。これを手で軽く絞り、媒染液に浸けます。黄金色に発色させるための媒染剤は「明礬(ミョウバン)」です。スーパーの漬物売場などで売っているものでOKです。これを8リットルのぬるま湯に20グラムを入れてよく溶かし、軽く絞った染めた布を浸します。このときも、染色のときと同様に、均等に媒染液が布に触れることを意識しながら、ときより広げるようにして動かして30分ほど浸けます。

媒染液に浸すと、みるみるうちに色が変わっていきます。ご覧のとおり、茶色いタマネギの皮で染めたにも関わらず、黄色く発色します。これが草木染の特徴の一つです。植物染料と媒染剤の組み合わせで、同じ染材で染めても全く違った色になります。このように、植物の成分と金属イオンが結びついて発色するのが草木染の原理なので、その工程で鉄やアルミなどの金属製品を使うと思わぬ色に発足してしまうことがあるので、それらが使えないというわけです。
【煮洗いをする】
媒染液に30分ほど浸したあと、よく水洗いをしてから、余分な染料や媒染剤を取り除くため、8リットルの湯(40度前後)に少量の中性洗剤を加え、10分ほど加熱しながら煮洗いをします。

【乾燥、仕上げ】
煮洗いした布(生地)をよくすすいでから脱水し、シワにならないように広げて陰干しすれば完成です。とてもいい色になりました。上がシルク(絹)で下がコットン(綿)です。

【追記】
ご覧のとおり、シルク(絹)とコットン(綿)では色が違います。これは繊維にタンパク質が含まれるか否かによって違いが生じます。というのも、植物染料はタンパク質と結びつきやすいという性質があり、タンパク質でできているシルクやウール(羊毛)などの動物性繊維は染まりやすく、これを含まないコットンや麻などの植物性繊維は染まりにくいということが起こります。なので、植物性繊維には「絹化」と呼ばれる、繊維にタンパク質を付着せておく下処理をすることがあります。昔は呉汁(ごじる)や豆乳に浸したそうですが、今は専用の助剤があります。ちなみに、写真のコットン・スカーフも絹化の下処理をしているので、何もしないよりも濃く染まっています。また、精練や煮洗いの場合も中性洗剤ではなく、専用の助剤を用いることで堅牢度の高い作品にすることができます。
今回、紹介したのは、あくまで家庭のキッチンでできる方法ですが、それでもとてもきれいに染めることができます。ぜひ!! チャレンジしてみてください。