カテゴリー: ブログ

ひとつ屋の日々の仕事や判断、その背景にある考えを、いくつかのカテゴリーに分けて記録しています。畑で植物を育て、染め、織り、道具を整え、作り続ける。その過程で起きた迷いや選択を、現場の視点から綴っています。完成品だけでなく、そこに至るまでの時間や思考も含めて残す記録です。

  • DIY セルフリノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    DIY セルフリノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    前回の『DIY リノベーション「和室②」土壁の補修』まででは、2階和室の柱や天井の木部にオイルステインを塗り、欠落した土壁(「聚楽壁(じゅらくかべ)」または「京壁(きょうかべ)」と呼ばれる土壁)の補修をしました。


    ▼ 聚楽壁の欠落部(キズ)
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ▼ こんなふうに修復しました。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ところが、ご覧のとおり、色が合っていません。なので、DIYリノベーションならではの秘策をこうじることにします!

    その “秘策” とは、この上から “ペンキ” を塗ること!! といっても、最近は、色や機能性が優れた “和室(壁)用のペンキ” が、いろいろと発売されており、わざわざ調色する必要もありません。が、ひとつ屋ではオリジナルを求めて落ち着いた色に調色しました。


    土壁へのペンキの塗り方


    ①まずは、前々回の『DIY リノベーション「和室①」オイルステイン』でオイルステインを塗った柱や敷居、鴨居などの木部をマスキングします。基本的には、今回の作業で誤ってペンキがつくのを防ぐためにマスキングテープを貼るのですが、思いがけないところにもペンキが飛ぶので、それを予測してマスキングしておくのがポイントです。

    ▼ 柱だけでなく、窓もマスキングしています。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ②マスキングが終われば、いよいよペンキを塗っていきます!! といいたいところですが、その前に「シーラー」と呼ばれる下地剤を塗っておかなければなりません。

    ▼ 「下塗りシーラー」です。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    これは、古くなった土壁の表面を補強し(ポロポロと土が落ちるのを防いでくれます)、さらにはペンキののりをよくもしてくれます。さまざまな種類がホームセンターでも売られていますが、安価なんもので充分なので、この下処理をやっておくと壁が強くなります。

    ③いよいよペンキを塗っていきます。今回は、和室らしい色にするために二色のペンキを使いました(※このように二色以上のペンキを混ぜて色をつくる場合は、最終的に必要な量を一度につくっておいてください。たらなくなって、後で同じ色をつくるのは非常に難しいです)。

    ▼ 二色のペンキを均一に混ぜています。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ④均一になるまで充分に混ぜたペンキをローラー刷毛(ハケ)にとって壁に塗っていきます。柱との境や塗りにくい箇所は、ふつうの刷毛を使って塗っていきます。

    ▼ ローラー刷毛は非常に便利です。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ▼ おおよそ、部屋の半分が塗れました。
    DIY リノベーション「和室③」土壁にペンキを塗る

    ⑤ペンキを一度塗っただけではムラがあります。ムラがなくなるまで二度、三度と塗り重ねていきます。塗り終えたら、マスキングテープを剥がしてペンキ塗りの作業は終了です。完成した和室は、この建物のリノベーションが終わってから、ほかの部屋と同時に一挙公開します。


    ひとつ屋のセルフリノベーション(DIYリフォーム)に関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。


  • DIY セルフリノベーション「和室②」土壁の補修

    DIY セルフリノベーション「和室②」土壁の補修

    前回の『DIY リノベーション「和室①」オイルステイン』に引き続き、2階和室の改装作業中です。前回までに、かつての雨漏りや経年によるシミやキズを目立たなくするために木部にオイルステインを塗りました。


    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    今回からの作業は、土壁の補修です。ちなみに、この部屋の「聚楽壁(じゅらくかべ)」や「京壁(きょうかべ)」といわれる伝統的な日本建築に用いられる代表的な塗り壁の一種。豊臣秀吉が京都に造営した邸宅「聚楽第(じゅらくだい)」の付近の使われたことから、これらの名がついたそうです。本来、茶室などにも使われる落ち着いた雰囲気の土壁なのですが、最近ではこの壁をプリントした壁紙もあります。

    土壁の一種なので、湿気を吸ったり吐いたりするうえに火性にも優れているので、まさに日本の気候風土や生活環境に育まれた壁なのですが、土の塗り壁ゆえに、模様替えの際に家具などをぶつけてしまうと、すぐにキズがついてしまいます。この和室でも、何カ所も下の写真のような状態だったので補修を試みてみました。

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    早速、ホームセンターで、こんなものを購入しました。

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    これを水で練ってから欠落した部分に塗ります。

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    この部屋の壁の色に合わせて壁土を買ったつもりなので、欠損部分だけを修理するば、和室のリフォーム終了するはずだったのですが、なかなかうまく塗ることができませんでした。とりあえず、欠損部を埋めた埋めただけで精いっぱいの状態です。ザラザラとした聚楽壁の肌に新しい壁土をなじませるのが難しかったです。

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    DIY リノベーション「和室②」土壁の補修

    上の写真のような状態で穴埋め作業は終了するとします。これ以上やると、ひどい状態になりような気がするので—。しかも色を合わせたつもりが、ご覧のとおり! まったく違ったふうに見えます。しかし! しかし、DIYリノベーションなりの秘策があるので、次回以降を楽しみにしていてください。


    ひとつ屋のセルフリノベーション(DIYリフォーム)に関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。


  • DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    例年になく長かった今年のお正月休み――。呑んで、食べて、の~んびりするつもりだったんですが、さすがに9日間は長い!! 始まって二日もすれば、“の~んびり”のはずが、すぐに “ダラダラ状態” です。実は、のんびりするのが苦手なんです。

    なので、せっかくのお正月休みとはいえ、ここはチャンス!! とばかりに、実店舗のDIYリノベーション(リフォーム)を頑張ることにしました。

    今年は、2階の和室からリノベーションをスタートします。


    2階の和室です。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    一見すると、きれいな状態に見えるのですが、かつての雨漏りしたことがあったらしく、聚楽壁(じゅらくかべ/土壁)が落ちていたり、雨水によるシミがあったり—、以外に手直しの箇所が多そうです。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    まずは畳を上げての大掃除です。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    その後、床をブルーシートで覆ってから改装作業です。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    最初にする作業は、雨漏りによるシミや経年による柱や天井の変色を目立ちにくくするために、木部にオイルステインを塗っていきます。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン
    使用したのは、このオイルステイン。ちなみに、オイルステインは木に浸み込ませて着色するためのもので、簡単にいえば「染料」で、“木目を生かしながらも着色もしたい” というような場合に用います。これに対してペンキは、いわば「顔料」で、下地(木目など)を隠したいときに使います。最近では多種多様な種類が販売され、着色とニス塗り(着色面のツヤ出しや保護)が同時にできるものをはじめ、水性のもの、カラフルなものなどがあります。ご自分のイメージにあったものを使ってください。

    塗り方は、刷毛(ハケ)や筆にとって木に塗っていくと浸透していくので、このまま乾かすだけでよいのですが、木目の詰まった堅い木の場合は塗布後に拭き取ると、よりきれいに仕上がります。

    ちなみに、オイルステインは、あくまで染料なので、染み込ませることが大切で厚く(たっぷり)塗らないことがポイントです。

    DIY リノベーション「和室①」オイルステイン

    オイルステインを塗ったのが、上の写真の右半分。落ち着いた茶色になりました。シミや変色も目立たなくなり、木目もきれいに際立ちました。

    すべて木部にオイルステインを塗り終えると、次の作業はマスキングをして、壁の補修です。


    上記のセルフリノベーション(DIYリフォーム)に関するご質問などがございましたら【草木染工房 ひとつ屋】のスタッフに、お気軽におたずねください。


  • DIY セルフリノベーションの始まり始まり!

    DIY セルフリノベーションの始まり始まり!

    実は、1年以上も前から新しい にするための物件を探していました。あれでもない!! これでもない!! と、ずいぶん探し回りましたが、この度 ようやく!! 気に入った物件と出合い、先日ついに契約しました!!


    ▼ これが新しい 【ひとつ屋】 の外観です。
    DIY リノベーションの始まり始まり!
    ▼ 間取りは、こんな感じです。
    DIY リノベーションの始まり始まり!

    場所は大阪市阿倍野区。再開発で賑わう阿倍野・天王寺駅周辺からも歩いても数分の所にあり、今の僕ができる可能なかぎりの好立地条件をゲットすることができました。面積も以前の工房より広く、使い勝手もよさそうなのです。ただ、築年数を経ているうえに木造なので、かなりの手直が必要そうです。もう予算がないので、すべて自作!! つまりDIY!! つまりは “セルフリノベーション” です!!


    ▼  1階の店舗部分です。ショップ&ワークショップのスペースにしたいと思っています。
    DIY リノベーションの始まり始まり!

    DIY リノベーションの始まり始まり!


    ▼ 2階の和室と洋室です。工房と応接室にしようと思っています。
    DIY リノベーションの始まり始まり!

    DIY リノベーションの始まり始まり!

    もう、決して“若い”といわれる歳ではなく、最近は何をするのも“面倒くささ”を感じるようにもなりました。細かい作業にはメガネが必要になり、湧き出るような情熱も失われました。 夢を追ったがせいに、これまでにいろんな思いをしました。が、もう一度だけ頑張ってみようと思います。「ひとつ屋」の由来、ひとつ一つを、ひとり一人を大切にしばがら—。


    お知らせ


    これからしばらくの間、ブログの内容が草木染工房といいながら改修工事のことばかりになってしまうと思います。あしからずご了承ください。

    ひとつ屋のセルフリノベーション(DIYリフォーム)に関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

  • ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』

    ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』

    7月から制作している「ろうけつ染め」が完成したので、その方法を記しておきます。

    まず、「ろうけつ(蝋結) 染め」とは、溶かした蝋(ろう)を「筆」や「チャンチン」と呼ばれる道具を使って模様を描き、その部分に染料が入らないことを利用した技法をいいます。「ロウ染め」や「バティック」ともいい、塗布した蝋に割れを入れることで独特の亀裂模様を作り出すことでも知られています。


    【「ろうけつ」の染め方 】


    ひと口に「ろうけつ染め」といっても、さまざまな技法があります。今回は「蝋伏(ろうぶせ)」という基本的な技法で、布に筆で蝋を塗ることで染料が入るのを防いで図柄を表現する方法を紹介します。たとえば、白地に蝋を塗り、黄色で染めれば、蝋を塗ったところだけが白く残ります。次に、その上(黄色い分)に蝋を塗り、赤い染料をかければ、黄と赤の掛け合わせでオレンジ色の地となり、白と黄の柄が浮かび上がります。こうして色を重ねて多色を表現するのが「蝋伏(ろうぶせ)」の技法と原理です。

    まずは図案を考え、さらにカラープランニングをしてからコピー機などを使って実寸に拡大し、これを布の下に敷いてトレースします。写真中の右上にあるのがカラープランニングです。


    次に「蝋伏(ろうぶせ)」の作業です。まずはカラープランニングを見ながら白くなる部分に筆で蝋を塗っていきます。全てを塗り終わったら、もう一度同じ箇所に蝋を塗ります。一度目より二度目が重要で、はみ出したり、塗り残したりしないように充分に注意してください。


    今回使用する色は「白」を含め、「黄」「オレンジ」「赤」「茶」の五色で、この順に色を重ねていきます。「白」を蝋で伏せた後、最初に黄色で全体を染め、次に黄色になる部分だけを蝋で伏せていきます。※以下、それぞれの色ごとに同じ作業を繰り返していきます。

    オレンジに染め、オレンジになる部分を蝋で伏せます。

    赤に染め、赤になる部分を蝋で伏せます。この作品の場合、赤いバックなので、背景となる部分の全てを蝋で伏せていきます。


    最後に、茶色になる部分を黒の染料で染めます。下の色を透けて茶色に見えることを利用して薄めの黒の染料を用います。これが最後の色なので黒に蝋伏せの必要はなく、これで染色と蝋伏せの作業は終了です。


    いよいよ「脱蝋(だつろう)」の作業です。「脱蝋」は文字どおり“蝋を取り除く作業”のことで、大きな鍋に沸かした熱湯のなかに布を入れて、これまで塗ってきた蝋を溶かして布から剥がします。一回目におおよその蝋を抜き、さらに別の鍋で二度目の脱蝋をし、完全に蝋を布から落とします。

    ↓二度目の脱蝋

    脱蝋後、丁寧に水で洗い、余分な染料を取り除きます。

    乾燥して完成です。

    ようやくタペストリーになりました。

    「ろうけつ染め」は、「蝋纈(ろうけち)」とも呼ばれ、その歴史は2~3世紀にさかのぼることができます。日本でも正倉院の宝物に見られるほど古く、絞り染めの「纐纈(こうけち)」、板締め絞り染めの「夾纈(きょうけち)」と並んで“天平の三纈(さんけち)”と呼ばれるそうです。このことがイメージあって、仏教美術に登場する宝相華(ほうそうげ)の図案を作品にしましたが、もっとおおらかなデザインのほうが、この染色技法にはあっているような気がしました。次は、そんな図案に挑戦してみようと思います。


    ひとつ屋の染色(染織)教室


    ひとつ屋では、草木染め(天然染料)・化学染料を問わず、染め物や織り物の楽しさを学んでいただくための染色(染色)教室を開催しています。ぜひ!あなたらしい物づくりを楽しんでください!!
    ※ 詳しくは「染色(染織)教室のご案内」のページをご覧ください。