カテゴリー: 制作風景

このカテゴリーでは、ひとつ屋で手作りしているアイテムの製作風景を紹介しています。実際の現場での手順や試行錯誤、完成に至るまでの過程を、そのまま記録しています。中には、思うようにいかず商品にならなかったものもありますが(笑)、そうした失敗も含めて、物づくりのリアルな一面として残しています。

  • 海を封じ込めたボタン

    海を封じ込めたボタン

    来月、物作り学校時代の先輩たち3人と一緒に展覧会を開催することになっています。彫金やイラストレーションなど、専門の分野は異なっていますが、テーマを「月と太陽」として、それぞれに作品を出品することになりました。

    海を封じ込めたボタン
    もちろん、僕は染色と縫製での作品を出品します。Tシャツやカバンなど、計5~6点くらいの作品を出そうかと思っており、それらのイメージも固まりつつあるので、作り始められるものから作業を開始しました。

    その一つが、これです。

    海を封じ込めたボタン
    レジンに貝殻を埋め込んだ直径5cmほどのボタンを作っています。もちろん、これがメインの作品ではなく、藍で波をイメージして染めた地に、天然顔料で“太陽”を描き、そこに大きなこのボタンを付けた、ギラギラと輝く“夏の砂浜” を表現したカバン(バッグ)を作ろうと思っています。

    ところが、レジンを使うのは始めてのこと。気泡が入ったり、貝殻の配置が崩れたり—と、なかなか思うようなボタンにならず、何度も失敗し、早くも苦戦しています。

    これができたとしても、藍染め、顔料、さらには縫製—と、この作品が仕上がるまで幾つもの難関が待ち構えています。さぁ~て、作品は完成するんでしょうか!? お楽しみにッ!!

  • 枇杷葉染めの準備

    枇杷葉染めの準備

    以前から、これで染めてみたい!! と思っている植物に「枇杷(びわ)」があります。そう思って、工房の近所で枇杷の木を探すと、あちらこちらでよく見かける庭木でした。

    そこで、改めて調べてみると、今から三千年も昔の経典のなかに「枇杷は大変に優れた薬効をもち、生きとし生けるものの万病を治す植物」として紹介されているそうです。日本でも、奈良時代に光明皇后が施薬院で貧しい病気の人々の治療に枇杷の効能を用いたといわれています。以来、枇杷が寺院に植えられるようになり、さらには民間療法(薬)として人気の庭木となったそうです。

    枇杷葉染めの準備

    千年以上も日本人に愛されてきた枇杷ですが、その薬効はもちろんのこと、甘くて美味しいフルーツが増えた最近では、果物としても存在価値が薄れてしまいました。手入れされることもなく荒れるに任せている枇杷の庭木も見受けられます。そんな一軒のお宅にお願いして枇杷の枝を切らせていただきました。。

    枇杷葉染めの準備
    草木染の染料にするのは実でなく、葉の部分です。まずは細かく刻んで干します。今までに一度も枇杷葉を使って染めたことがないので、正直のところ、正しい方法が分かりません。たぶん、オレンジからピンク色に染まるはずなのですが—🤔 染め上がりを楽しみにしていてください!!

  • ひとつ屋のタグ

    ひとつ屋のタグ

    僕には、今も二人の先生がいます。一人は染色の先生、もう一人は縫製の先生です。一つの作品が完成すれば、必ず二人の先生に見せて意見をうかがうことにしています。

    最近になって、そのどちらの先生からも「ほんとッ!! うまくなりましたねぇ~。もう“売り物”になるレベルに達しましたねぇ~ 」といっていただきました。とても嬉しいです。しかも、染色の学校で開催される秋のイベントに出展するチャンスもいただきました。

    そこで、作品に付ける“ひとつ屋のタグ”を作ろうと考えています。近ごろでは、小ロットで本物のタグや折りネームを作ってくれるところもあるようですが、せっかく一つ一つ手作りしているのに、タグだけは機械で作ったものにするのもなぁ~ と考えた末に、基本に立ち返ってタグも一つ一つ手作りすることにしました。

    ひとつ屋のタグ
    どこにでも売っているアルファベットのスタンプと布用のインクです。考えてみれば、これで充分です。作品の雰囲気に合わせて、タグも一つ一つ違ったものにしようと思っています。

    ひとつ屋のタグ
    そもそも「ひとつ屋」という名前にしたのは、いろんなことがあって一つ一つのことを大切にしたいと思ったからです。正直のところ、今はビミョ~な雰囲気のタグですが、お墨付きの言葉をいただけた今だからこそ、やっぱ基本の思いを大切に、タグも一つ一つ手作りすることにします!

  • インドアカネで染める。

    インドアカネで染める。

    できるだけ自分で育てたり、採取したりした染料植物を使って染めようと心がけていますが、それだけでは限界があるので、ときには染料店で購入したものを使うこともあります。その代表が茜(アカネ)です。


    「茜」は、日本にも自生するアカネ科の蔓性多年生植物で、本州をはじめ、四国や九州での路傍や林で見ることができます。根から赤い染料を抽出することができるので、つまり“赤根”なんです。紅花(ベニバナ)よりも古くから染料として用いられてきましたが、日本の茜は手に入りにくく、一般の染料店で売られているのは、西洋茜(セイヨウアカネ)やインド茜がほとんどです(上の写真は「インド茜」です)。

    染色方法は最も基本的な方法で、ただ煮出した液に布を浸し、その後に媒染します。その媒染も、明礬(みょうばん)で大丈夫なので、とても手軽に染めることができます。下の写真は染色中です。“濃染処理をした布”と“精練のみの布”です。


    写真は上から、“精練のみの布” “濃染処理をした布”。三番目が“回数を重ねて濃く染めた布”です。どれも、フリンジをつけてスカーフに仕立てる予定です。

    茜はとても美しい色に染まります。お盆も過ぎ、これからの季節には茜色が似合います。そんな色を、いつの日か、自分で採取した “日本茜” で染めてみたいです。


    2019年の夏
    インドアカネの販売開始!

    ※ インドアカネは、ひとつ屋の実店舗のほか、Amazon楽天Yahoo!creema などでも販売しています。

  • わりばし絞り!?

    わりばし絞り!?

    前回のブログ『板締め絞り』の続編です。今回は板ではなく、割箸(わりばし)を使って絞ってみました。 今回も、スカーフを染めてみました。で「板締め絞り」ならぬ、これぞ「わりばし絞り」です!

    まずは、スカーフを長手方向にジャバラ折りして、「八」の字になるように割箸で布を挟んでいきました。割箸の両端は、ゆるまないように輪ゴムでしっかり縛ります。

    ↓ これを藍で濃く染めます。

    充分に発色させた後に、割箸を解けば、ご覧のとおりの模様があらわれます。しかし、僕のイメージでは、もっとハッキリした柄だったので少し残念です。でも、これはこれで良し!! とします。ただ、少し男性っぽい柄になったので、紳士用のスカーフにすることにします。それにしても、この技法はまだまだ勉強が必要ですし、新たな発見はいっぱいです。