道路の路肩や河川敷に絡み合って生い茂る葛(くず)――。雑草としては、これほどやっかいな植物はありません。地上部の蔓を刈り取っても、地下に栄養を蓄えた太い根が残っているので、完全に駆除するのが不可能に近いといわれているそうです。また、海外では「グリーンモンスター」と呼ばれ、厄介な外来植物として扱われています。
ところが、昔は身近に育つ葛を定期的に刈りとり、さまざまなものに利用したそうです。蔓(つる)は、煮てから発酵させ、表皮の繊維をとって「葛布(くずふ)」と呼ばれる布を織り、残った芯では籠(かご)を編んだそうです。また、根からは「葛粉」をとったり、「葛根湯(かっこんとう)」と呼ばれる薬を作ったりしました。そして、葉は染料にもしたと聞いたので、早速!! 葛の葉で染めてみることにしました。
お~ッ!! とても美しい緑に染まりました!
今では、すっかり “厄介者” になってしまった葛ですが、その根、葉、蔓—、どこも捨てることなく、人の暮らしとともにあった植物だったんですね。そんな葛で染めた布で何を作るか、どうぞ楽しみにしていてください。
また、ひとつ屋では、葛の蔓から作った糸を使った織物「葛布」づくりにもチャレンジしていきたいと思っています! こちらもお楽しみに!