タグ: 植物染料

  • 屋根裏利用計画

    屋根裏利用計画

    下の写真は、納屋の屋根裏です。
    以前の住人が古い農具や廃材をしまい込んでいたらしく、まるでタイムカプセルのような空間でした。
    昨日のブログ『三寸大工』で書いた「棚」の材料も、ここから引っ張り出したものです。

    あの棚のほかにも、何やかんやと作ってきたので、これでもずいぶん片づいたほう――。
    それでも、まだまだ“過去の名残”があちこちに残っています。

    では、なぜ前の住人が大きな廃材までをわざわざ屋根裏に引き上げていたかというと、おそらく納屋の天井裏がいちばん湿気の少ない場所だったからでしょう。
    実際、ここに置かれた木はどれもよく乾いていて、古いわりに状態が良好です。
    昔の人の知恵には、つくづく感心します。

    つまり、田舎の古民家暮らしで厄介なのが“湿気”なんです。
    夏場など、小旅行で家を閉めておくと、たった数日で家中がカビ臭くなるほど。
    そんな環境では、せっかく収穫した植物染料の保管にも苦労します。
    密封容器に乾燥剤を入れて保管しているものの、これがなかなかの出費—(涙)。

    そこで目を付けたのが、この屋根裏。ここなら湿気を逃れられるはず! と夏に思いついたのですが、しかし、その季節は灼熱地獄。さすがに作業は無理なので、冬を待って整理し、ここを「染料のストックと乾燥のための場」に改装する計画を立てました。

    もちろん、三寸大工のDIYで。
    これもまた、ひとつ屋の小さな進化です。どうぞ楽しみにしていてください。

  • 梅染めの絹糸(『梅の枝(梅楚)染め方』)

    梅染めの絹糸(『梅の枝(梅楚)染め方』)

    ここ大阪でも、再び緊急事態宣言が発出されることになりました。昨年の春にも思いましたが、こんな状況でも季節が巡り、花は咲くものです。今年も、そろそろ梅花の便りが聞かれるころになりました。そんな梅の枝で染めた絹糸です。巣ごもりして、ストールを織ろうと思っています。
    馥郁たる梅の香りが漂うころには、少なくとも宣言が解除されていることを願うばかりです。
    ▼ 右からチタン媒染、銅媒染、アルミ媒染、鉄媒染です。
    梅染めの絹糸(染め方)
  • 自家栽培の西洋アカネ(Madder)を収穫。

    自家栽培の西洋アカネ(Madder)を収穫。

    2014年の秋に『西洋アカネ(madder)』と題したブログを書きました。その内容は「インターネットで西洋アカネの苗を買い、栽培にチャレンジします」というものでした。あれから6年――、何度も枯らしそうになりながら、試行錯誤の末に3年前からは“自家栽培の西洋アカネの収穫”ができようになりました。そして、今年も無事に収穫が始まっています。


    ⇓ 西洋アカネの収穫は冬枯れのころに行っています。なぜなら茎や葉の養分が根に集中している気がするからです(ただし、これは僕の個人的な見解です)。

    ⇓ たくさんの種ができていますが、アカネは根を染料とします。

    ⇓ 上部を刈り取り、プランターごとひっくり返して根を収穫します。6年前に栽培を始めたころは地植えしていましたが、プランターのほうが確実に収穫できるので、2年前からはこちらの方法で栽培しています。

    ⇓ わざわざプランターで栽培しているにもかかわらず、わずかな隙間から根を出し、地面へも伸びています(笑)。

    ⇓ 根に絡んだ土を落とすと、大きな根が出てきました! うれしいです。

    ⇓ これをきれいに水洗いし、乾燥して保存します。

    60cmのプランター1個でこれだけ収穫できました。栽培の当初は、収穫時に「これだけ‼?(涙)」なんてことが何度もあったことを思うと、育てるのも上手になりましたぁ~。

    ⇓ 根を収穫した株は、こんな状態--。取り過ぎないように大切に扱ってやれば、春には再び芽を出し、2年後にはまた収穫させてくれます。プランターは、まだ数個ありますが、隔年の収穫を行うようにしているので、もう一鉢分に収穫だけにします。

    自家栽培の西洋アカネで染めるのが楽しみです!

  • 赤麻(あかそ)染め――染料の作り方

    赤麻(あかそ)染め――染料の作り方

    先日、岐阜県で採取してきた「赤麻(あかそ)」から染料を作り、きれいな赤い染料をとることができました。今日は、その染料の作り方を紹介します。


    まずは「赤麻」についてです。赤麻は「赤苧」とも書く、イラクサ科の多年草で、山地に多く自生し、高さ60~80cmで、葉の縁にはノコギリのようなギザギザがあります。その名のとおり、茎に赤みがあり、淡紅色の穂をつける植物です。

    制作風景

    制作風景

    ちなみに、昔は乾燥させた赤麻の茎を木槌などでたたいて繊維をとり、それを撚(よ)り合わせて糸を作り、さらに布に織ったそうです。それが「麻」のような布なので、「赤麻」と書くようになったそうですが、その葉は紫蘇によく似ており、「赤い蘇」の意味ではないかと思っています。漢字での表記は別として、もともと「そ」には何らかの意味があって(例えば「ギザギザ」みたいな意)、「紫の“そ”」や「赤い“そ”」から、そう呼ぶようになったのではないかと思うんです。
    ※ただし、あくまでも僕の個人的な説です。


    それでも、染料をとるために赤麻を煮ると、ほんとに「紫蘇ジュース」と同じ香りがするんです。僕の仮説も、まんざら間違いではないかもしれませんよ。

    余談はこのくらいにして「赤麻での染料の作り方」は次のとおりです。


    染料づくり


    (1)まず、水洗いしてゴミを取り除いた赤麻を、2~3cmほどの長さに切ります。そのとき、ステンレス製の刃物は使えません。草木で染めた多くのものは、最終的に金属イオンで発色と定着をさせます。これを媒染(ばいせん)と呼ぶのですが、それまでは金属に触れさせることができないからです。

    制作風景

    (2)湯が沸騰したら火を弱め、40分ほど煮て染料を抽出します。僕の場合、あまり難しく考えず、自分が好きな色が出れば煮るのをやめます。ただ、できるだけ濃く、それでいて透明度の高い染料を作ることを目標としています。というのも、濃い染料にしておけば、後で薄めることができるからです。

    制作風景

    (3)煮るのが終わると、ストレーナーで大まかに葉や茎を取り除き、熱いうちに細かい目の濾布(こしぬの)を使って、染料のみを濾しとります。煮出した直後は茶色だった染料が、空気に触れ、次第に赤く変化していきます。

    制作風景

    (4)さらに、このまま2~3日放置しておくと、空気との酸化作用によって赤みを増します。

    制作風景

    赤麻の染料は、水だけを使って抽出することができる、比較的簡単な染材です。近くに赤麻のある方は、ぜひ!やってみてください!!