カテゴリー: ブログ

ひとつ屋の日々の仕事や判断、その背景にある考えを、いくつかのカテゴリーに分けて記録しています。畑で植物を育て、染め、織り、道具を整え、作り続ける。その過程で起きた迷いや選択を、現場の視点から綴っています。完成品だけでなく、そこに至るまでの時間や思考も含めて残す記録です。

  • タイダイ大失敗!!

    タイダイ大失敗!!

    中南米やタイなどで染められている「渦巻き染め」。以前から、おおらかで底抜けに明るい雰囲気が好きで、一度自分でも染めてみたいと思っていました。先日、染料を入れてある引き出しを整理していると、前に使った染料の残りが出てきたので、それを使ってチャレンジしてみました。

    ▼ まずは布の中心をつまんで巻いていきます。

    ▼ グルグル、グルグル—。

    ▼ 巻き終わったら紐で縛っておきます。

    染料を容器(お好み屋さんでマヨネーズを細く出すための、あの容器)に入れて、マヨネーズをかける要領で染めていきます。今回は、残り物の染料なので、無条件にこの三色。でも、なんとなく、カリブ風というか、ラテンぽくって悪くありません。で、染めの作業も終了です!

    これを広げて、はいッ! できあがり!こんなにも、きれいな布が染め上がりました!!!!という、はずだったのですが—。

    実際は、ご覧のとおりの大失敗。というのも、本来なら上の写真の段階で、ビニールに入れてから電子レンジで加熱して染料を定着させるのですが、工房には電子レンジがありません。なので、蒸し器に入れて加熱することにしました。が、これが悪かったようです。蒸し上がった布を広げてみると、まったくイメージしなかったものになっていました。

    本来は、こんな柄になることをイメージしていましたから—。

    タイダイ大失敗!!

    我ながら「ぜんぜん、ちゃうやん!?」と凹んでいます。

    この大失敗の原因は、やはり蒸したことと、実はタイプの違う染料を使ったことにあるようです。熱によって染まりつく染料と、そうでない染料があったのですが「熱をかけたほうが、より定着するだろう」と考えたのですが、そうではありませんでした。

    緑の染料は低温でも染まるのですが、ご覧のとおり、すっかり消えています。色と色が接する部分がハッキリしないのも、蒸したときの水蒸気によって染料が流れ出たのだと思います。そのとき、緑は完全に流れてしまったというわけです。

    やっぱり、思いつきで作るのはダメ!!。反省です。もちろん、この技法は再挑戦します!! また、失敗作も、これはこれで面白いので、何か違った表現方法を考えてみるとします。さて、どうなるか!? うまくいけば、また報告します!!

  • チャンチンで朝顔

    チャンチンで朝顔

    お盆を過ぎたころから朝夕は涼しくなり、真夏の間は休んでいたウォーキングを再開しました。

    その途中、少し前までは、やかましいほどだった蝉時雨もすっかり消え、秋の虫の声に変わってきた公園の片隅で、夏を惜しむように朝顔が咲いています。

    チャンチンで朝顔

    朝顔を見ると思い出すことがあります。

    それは、誰よりも朝早くから働いていた父のこと。仕事ひと筋の無骨な父が知っていた数少ない花が「朝顔」で、僕に「今年も朝顔を植えてや」と、よく言っていました――。

    今風にいうと、夏の朝に清々しく咲く朝顔に父は一日の元気をもらっていたんでしょうね。そういえば、いつも「早起きは三文の徳やでッ!!」とも言ってました。

    そんなことを思い出しながら、こんな図案を描いてみました。

    チャンチンで朝顔
    これは45cm四方のバンダナのための図案で、「チャンチン」と呼ばれる小さなジョウロような道具の先から溶かした蝋(ろう)を出して描く技法のために考えたものなんですが、実は、このチャンチンを扱うのが非常に苦手なんです。

    でも、せっかくなので頑張ってみます!!

  • ロウケツ染め③『染色』

    ロウケツ染め③『染色』

    先日のブログで紹介した『ロウケツ染め「蝋伏(ろうぶせ)」』の作業について書いています。

    ひと口に「ロウケツ染め」といっても、さまざまな技法があり、今回は「蝋伏(ろうぶせ)」という基本的な技法で、布に蝋を置くことで染料が入るのを防いで図柄を表現します。たとえば、白地に蝋を塗り、黄色で染めれば、蝋を塗ったところだけが白く残ります。次に、その上(黄色い分)に蝋を塗り、赤い染料をかければ、黄と赤の掛け合わせでオレンジ色の地となり、白と黄の柄が浮かび上がります。こうして色を重ねて多色を表現するのが「蝋伏(ろうぶせ)」の技法と原理です。


    ロウケツ染めの方法


    ▼ 原画を布に写しとる作業をしています。
    ロウケツ染め③『染色』

    ▼ 白地を蝋で伏せる作業をしています。
    ロウケツ染め③『染色』


    今回は一色目となる黄色を染め、さらに黄色になる部分を蝋で伏せていきます。下の写真の白っぽい花(下の小さな花)が白くなり、上の黄土色っぽい花(上の大きな花)が黄色になります。

    ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』
    最初に考えておいたカラープランニング(最も上の写真の右に写っている色つきのもの)に基づいて、黄色になる全ての部分を蝋で伏せていきます。この作業を終えると、次はオレンジに染めるために、赤い染料で染めていきます。もとの黄色に赤色を乗せてオレンジ色を表現するのですが、染料の配合には微妙な感覚が必要です。こうしてできた染料をハケにとって、布へと刷り込んで染めていきます。下の写真は、その途中の風景です。

    ロウケツ染め③『染色』
    黄から赤へと染められていきます。
    染め重ねる作業を終えると、蝋の上にのった染料を拭き取って乾くのを待ちます。乾く時間が非常に大切で、この間に染料が布に定着していきます。赤く見えているのも、次第に尾オレンジ色に変化していきでしょう。

    ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』


    布が乾ききったら、またカラープランニングを見ながら、オレンジになる全ての部分を蝋で伏せていきます。最終的に五色の色を使うので、現在のところ、作業はやっと半分といったところです。このところの残暑で、作業に集中できず、少しザツになっているのが気になっていますが、秋風の吹くころの完成を目指して、残りの半分の作業を頑張るとします。

  • タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①

    タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①

    先日のブログ『タイダイ大失敗!!』で「渦巻き染め」がうまくできなかったことを書きました。あれから何度もチャレンジして、ようやく思うような柄を出せるようになったので、今日はその染め方を書いておこうと思います。

    ちなみに、タイダイ(Tie Dye)のタイ(Tie)は「縛(しぼる)る」や「ゆわえる」の意味で、ダイ(Dye)は「染める」の意味。つまり、タイダイ(Tie Dye)を日本語でいうと「絞り染め」ということになります。


    タイダイの染め方 ① 


    今回、使った染料はダイロン・コールドです。この技法ではさまざまな種類の染料が使えますが、家庭でも染めていただけて低温(水)でもに色落ちも少なく、発色がきれいなダイロン・コールドを使いました。Tシャツやタオルなど、頻繁に洗濯し、色落ちが心配な場合は、別売りの「カラーストップ」を使用すれば、さらに堅牢度を上げることができるそうです。

    タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①
    ① まずは下準備です。染めたい布を洗濯して糊や汚れを取り除き、ダイロン・コールドの場合は専用の定着液に浸しておきます。布を絞っておいてから定着液に浸す場合もあるようですが、この後に脱水作業があり、そのときに絞っておいた形が崩れることがあるので、今回は定着液に浸してから絞って模様をつけるようにしています。

    タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①
    ② 布を絞って模様をつける作業です。今回は “ 渦巻き状の模様 ” を染めたいので、布の中心(渦巻きの中心にしたい箇所)を指で摘んで、下の写真のようにクルクルと巻いていきます。結構、適当にやっても構わないのですが、きれいな渦巻きのほうが染め上がりもきれいなようです。また、「少し強い(きつい)かな!?」と思うくらい巻いたほうが、くっきりとした柄になります。

    タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①
    ③ 次に、巻き終えた②が崩れないように、6~8等分に紐で縛っておきます。染色後、この状態のまま脱水機にかけるので、紐が解けないようにしっかりと縛っておいたほうがよいです。ただ、あまりにも強く縛ると、縛ったところがムラになることがあります。縛った柄を作るか、作らないかもデザインの一つなので、このことも考慮して作業してください。

    タイダイ(Tie Dye)の染め方 ①

    今日の作業は、ここまで。次回は、いよいよ染色です。

  • 自作! トレス台

    自作! トレス台

    染色の作業では、しばしばトレス台が必要になります。これはガラス板の下から光を当てて、布の下に敷いたデザイン画などを透過させて写し取るための道具です。とても単純なものなのですが、最近では光源にLEDを使った薄型のものをはじめ、光が満遍なく当たるもの、さらには目が疲れにくいものなど、さまざまな種類があります。ところが、どれも結構な値段のわりにA3ほどの面積しかなく、購入する気にはなれませんでした。

    でも、ないとなると作業にも時間がかかってしまうし、何よりトレスが億劫になるので納得するものを自分で作ることにしました。今日はトレス台の作り方を紹介します。


    トレス台の作り方


    まずは材料です。9㎜角の木材が6本、さらに蛍光灯と乳白色のアクリル板、さらにはアクリル板に合わせて切った1×4材が4枚です。ちなみに、1×4材はホームセンターのカットサービスであらかじめ切ってもらうと楽ですよ。

    自作! トレス台

    木材をこんなふうに組み合わせて蛍光灯を取り付けておきます。左右どちらにコンセントがあっても使えるようにコードは中央から出し、スイッチは手元にくる位置に付けておくと便利です。

    自作! トレス台

    そして、内側に這わした9㎜角の木材にアクリル板を乗せ、ボンドで固定すれば完成。とても簡単です!

    自作! トレス台

    電気をつければ、こうなります。

    自作! トレス台

    写真にすれば、蛍光灯の光が偏っているように見えますが、実際には思った以上に使いやすく、作業面積の広さはもちろんのこと、持ち運びのときの重さも申し分ありません。さらに、ひと手間かけて木枠と天板をフラットになるよう工夫したので、作業面の段差に紙や布が引っかかったりすることもなく、使い勝手も上々です!

    おかげで、以前は ▼ こんなだったトレス作業が—。

    自作! トレス台

    今では ▼ こうなって作業が非常に楽になりました。

    自作! トレス台

    まだまだ “あると便利だろうなぁ~” と思う道具はたくさんありますが、一足飛びに揃えるのは難しいので、ひとつ一つ納得できるものを作っていこうと思うます。