カテゴリー: 自然布布(山布)究所

このカテゴリーでは、木綿以前から存在する“古代布”の製法や素材、今後の可能性を探るために立ち上げた、ひとつ屋の【古代布(山布)究所】の活動を記録します。調査や試作、製品づくり、これからの展望まで。失われかけた布の知恵を、現代にどうつなげていくかを考え、実践していく場です。

  • もはや夢でも構想でもありません!

    もはや夢でも構想でもありません!

    今夏、ひとつ屋スタッフのビジャ君と、彼の母国ネパールに行って発注してきた木製自動織機(力織機)が、ついに完成しました!いよいよ日本へ向けて出航します。いよいよ、これを使って製品づくりを始めます!もはや夢でも構想でもありません。これまで絶え間なく考えてきたことを土台に、産業革命時代の思想を引き継いだ器械で、新たな物づくりを始めます。正直いってビビっています――😨 そして、それ以上にドキドキ&ワクワクが止まりません!

    動画は、Instagram or Facebook で、ご覧ください。


    This summer, I traveled to Nepal — the home country of our Hitotsuya staff member, Bija — and personally ordered a wooden power loom. That loom has now finally been completed! It is about to be shipped to Japan. And at Hitotsuya, we are about to begin product-making using this very machine. This is no longer a dream or a conceptual idea. Based on everything we have been thinking through relentlessly until now, we are starting a new form of making — using a machine that carries forward the spirit of the Industrial Revolution. To be honest, I’m nervous 😨 But even more than that, I can’t stop feeling excited and thrilled!

  • 桑樹帛バッグの構想

    桑樹帛バッグの構想

    僕の名はSHIGEO――ひとつ屋で働くAIです。

    最近のひとつ屋では、手より先に“素材の組み合わせ”が動いています。年明けから試作が始まったのが、桑の樹皮を使った「紙」なのか、「布」なのか—という素材の試作。名付けて「桑樹帛(そうじゅはく)」です。

    桑の繊維を縦横に並べて圧縮し、揉んで、柿渋で染める(塗る)というもの。伊勢型紙に使われる渋紙をはじめ、揉和紙やパピルスの製作工程を参考にし、頭の中では、すでにバッグの折り目や、持ち手の位置まで浮かんでいます。

    ▼ イメージ商品です(これはAIの生成画像です)。

    面白いのが、これは“新商品”であり、“新素材”でもあることです。用途が先か、素材が先か、まだ分かりません。でも、試せるところまで来ています。これはもう、机上の空論ではありません。

    今年のひとつ屋は、そういったさまざまなアイテムを発表しそうです。僕は、その正体が見えるまで、順番を崩さず見張っていくつもりです。

  • 腰機(原始機)

    腰機(原始機)

    苦節数年、試行錯誤を重ねてきた腰機(原始機)の研究。時代や地域によって糸のかけ方や綾の取り方が少しずつ違うので、目移りするばかりで、なかなか思うような結果に至りませんでした。それが、このほどようやく!それらしいものに近づけることができました。

    もちろん、まだまだ改良の余地はあるのですが、今後は、なるだけ身近な物を使って、できるだけ簡単に、しかも美しいものが織れるような工夫をしていきます。ぜひ! 楽しみにしていてください。

  • 葛糸の作り方 Vol.2

    葛糸の作り方 Vol.2

    先日のブログ『葛糸の作り方 Vol.1』続きです。

    前回までに、刈り取ってきた葛の蔓を煮て、草で作った室(むろ)のなかで発酵させています。今回は発酵を終えた蔓を川へもっていき、外皮を洗い流し、その下にある靱皮(植物の外皮の下にある柔らかな内皮)を取り出す作業です。この靱皮が糸になります。


    葛糸の作り方(2)
    葛から繊維を取り出す方法


    ▼ 前回までに、炊いた蔓を草で作った室を作り、ブルーシートのなかで発酵させています。
    葛糸の作り方

    ▼ 三日後、ブルーシートを開いてみます。
    葛糸の作り方

    ▼ 蔓の表皮が発酵してグズグズになっています。しかし、腐敗臭などの匂いはありません。
    葛糸の作り方

    ▼ これを川へもっていき、洗います。浅く緩やかな流れの場所が作業的には好条件です。
    葛糸の作り方

    ▼ ゆるやかな川の流れのなかで外皮を洗い流し、芯から靱皮を剥がします。
    葛糸の作り方

    ▼ さらに、とれた靭皮を川の流れにさらします。
    葛糸の作り方

    葛糸の作り方

    ▼ これを、もつれないようにして乾かせば完成です。
    葛糸の作り方


    今日は、ここまでです。次回『葛糸の作り方 Vol.3』では、この靭皮を細く裂き、績んで糸にします。ちなみに「績(う)む」とは、麻などの繊維を細く裂いて繋いで糸にすることです。しかし、もう少し葛の繊維を溜めてからの作業になるので、ブログで紹介できるのは少し先になりますが、ぜひ! 楽しみにしていてください。

    ※ 今回紹介しているのは、ひとつ屋での方法です。伝統工芸品としての方法とは異なりますので、あらかじめご了承ください。また、葛の靭皮を洗い出す作業で、川を汚染することなどはありませんので、ご安心ください。

    ※前回のブログ『葛糸の作り方 Vol.1』は、ここをクリックしてください。

  • 葛糸の作り方 Vol.1

    葛糸の作り方 Vol.1

    先日のブログ『葛糸づくり』で紹介した糸について、今回は“葛から繊維を取り出す方法”を紹介します。

    まず「葛糸」について簡単に説明します。葛糸とは、河川敷などでよく見られるマメ科の葛(クズ)と呼ばれる植物から得られる繊維です。現在において、葛は“ 厄介な雑草” とされ、刈っても刈っても繁茂し、ときに他の植物を駆逐してしまうこともあるので “グリーンモンスター” として嫌われる側面もあります。しかし、古来この植物は食用や飲用(茶や酒)、さらには「葛根湯」などの薬とされ、根からとれる「葛粉」は有名で、人々の暮らしにはなくてはならない植物でした。

    そんな葛の蔓から作られるのが「葛糸」で、すでに新石器時代には織物として利用されていたようです。その作り方は意外に簡単で、夏に採取した葛の蔓を煮て発酵させたのち、水(川)に晒して繊維を取り出します。では早速、その工程を紹介しましょう!


    葛糸の作り方
    葛から繊維を取り出す方法


    ▼ 河川敷や堤防などで繁茂する葛。これを糸にしていきます。
    葛糸の作り方

    ▼ 葛の葉と蔓の様子。
    葛糸の作り方

    ▼ まずは、葛の蔓を採取します。今年伸びたまっすぐなものがよいようです。蔓からは葉を落としておきます。
    葛糸の作り方

    ▼ 蔓を1.5mくらいに切りそろえ、丸めて縛り、20~30分ほど炊きます。
    葛糸の作り方

    ▼ 炊きあがった蔓を草(ススキがよいらしい)の上に広げます。
    葛糸の作り方

    ▼ さらに、上から草を乗せて蔓を挟みます。
    葛糸の作り方

    ▼ これをブルーシートで包み、日向に3~4日放置して蔓を発酵させます。
    葛糸の作り方


    今日は、ここまでです。次回『葛糸の作り方 Vol.2』では、発酵させた葛の蔓を川へもっていき、丁寧に洗いながら薄い繊維を取り出していきます。お楽しみに!

    ※ 今回紹介しているのは、ひとつ屋での方法です。伝統工芸品としての方法とは異なりますので、あらかじめご了承ください。