カテゴリー: 染太郎日記

ひとつ屋の主催「壱つ屋染太郎」が、畑や工房、暮らしの中で感じたことを、そのまま書き留めています。結論や答えよりも、その時々の気持ちや揺れを大切にした、徒然なる日々の記録です。嬉しいことも、悲しいことも、しんどいことも、日々の中でふと浮かんだ疑問も—。そうした個人的な思いを綴ってきたのが「染太郎日記」です。

  • 商売繁盛 って!?

    商売繁盛 って!?

    若いころから毎年この時季になると体調を崩します。まるで年中行事ように--。例によって、今年もそうで、どうにも辛いので病院にいってきました。いつものことなのですが、今年もまた病院の先生に「気候の変化に体だついていけていない」と言われました(いやぁ~、意外にデリケートなんです(笑)。

    で、診察を終えて処方箋をもらって薬局へ。「体調の悪いとき、病院からまた別の場所に行くのは、しんどいわ。昔みたいに病院で薬くれたらええやんッ! と思いながら薬局へ行くと、その受付のカウンターには、こんなものが—。


    商売繁盛 って!?

    え”~ッ 商売繁盛 って!? まぁ、気持ちは分からないことないですが、「一応 薬局やし、受付のカウンターに “商売繁盛” はないんじゃなの!? せめて見えない所に祀ってよ!」な~んて余計なことを思ってしまいました。

    そんなことよりも、このところの体調不良で作業が滞っているのだから、早く治して作品づくりを再開しなければと思っています。

  • 郷愁

    郷愁

    自宅から工房まで、自転車でおよそ20分。その道は、僕が物づくり原点を学んだ高校に自転車で通った、かつての通学路でもあります。あれから30年――、道すがらの風景も随分と変わりました。

    ところが、この「踏切」の風景だけは、当時にまま何も変わっていません。

    郷愁

    自転車で擦れ違うにも、ちょっと注意が必要なほど小さく、何の変哲もない踏切なんですが、チンチン電車がコトコトと通り抜ける風景がまるでオモチャのようで、学生のころからこの風景が大好きでした。そして、この踏切を渡るときに見える「一点透視図法」のお手本になりそうな、こんな風景も好きでした。

    郷愁

    雨の日も、風の日も、クラブの早朝練習の日も、寝坊した日も—、朝夕と通った学校への道。その途中にあったいくつかの踏切は高架になり、もうイライラすることもありませんが、どこか寂しい風景になりました。

    なので、このオモチャのような踏切だけは、これからもこのままであって欲しいと “郷愁” にも似た思いを抱いてしまいます。今も毎日のように渡っているにもかかわらず――。

    あれから随分と時が流れましたが、あのときと同じ気持ち、いや、それ以上の思いで物づくりを続けていられることをありがたいと、この踏切を見るたびに思います。

  • チャンチンで朝顔

    チャンチンで朝顔

    お盆を過ぎたころから朝夕は涼しくなり、真夏の間は休んでいたウォーキングを再開しました。

    その途中、少し前までは、やかましいほどだった蝉時雨もすっかり消え、秋の虫の声に変わってきた公園の片隅で、夏を惜しむように朝顔が咲いています。

    チャンチンで朝顔

    朝顔を見ると思い出すことがあります。

    それは、誰よりも朝早くから働いていた父のこと。仕事ひと筋の無骨な父が知っていた数少ない花が「朝顔」で、僕に「今年も朝顔を植えてや」と、よく言っていました――。

    今風にいうと、夏の朝に清々しく咲く朝顔に父は一日の元気をもらっていたんでしょうね。そういえば、いつも「早起きは三文の徳やでッ!!」とも言ってました。

    そんなことを思い出しながら、こんな図案を描いてみました。

    チャンチンで朝顔
    これは45cm四方のバンダナのための図案で、「チャンチン」と呼ばれる小さなジョウロような道具の先から溶かした蝋(ろう)を出して描く技法のために考えたものなんですが、実は、このチャンチンを扱うのが非常に苦手なんです。

    でも、せっかくなので頑張ってみます!!

  • 再開した染色の勉強

    再開した染色の勉強

    7月に入ってから本格的に再開した染色の勉強――。まずは半年にわたって基本的な染色技法の習得です。最初の三ヶ月で「ろうけつ染め」を、後半の三ヶ月で「型染め」を学びます。

    すでに「ろうけつ染め」の実習は始まっているのですが、正直のところ “ 四苦八苦している ” というのが現状です―― 。

    というのも「ろうけつ染め」は、溶かした蝋(ろう))を筆や専用の道具で布に塗り、その部分が染まらないことを利用して図柄を表現する技法で、おおらかで自由な手描きの雰囲気が特徴の一つなのですが、実は僕、この “ 手描き ” というのが、とても!! 非常に!! 苦手!! なんです!!!!!

    なので、これが必要ではない「絞り染め」や「型染め」の技法を中心に作品を作っており、「ろうけつ染め」を意図して避けてきました。それなのに!!、最初の課題が「ろうけつ染め」だなんて— 、どんなデザインにすればいいのか!? 手描きが苦手なだけに、それさえも思いつきません。

    実は、そんな思いもあって、おおらかで自由な雰囲気のするアフリカや南米の染織品にヒントを得ようと、先日「国立民族学博物館」に行ってきました。

    ▼ こんなものを染めてみたいんです。
    本格的に再開した染色の勉強

    一見すると簡単そうにも見えるんですが、この雰囲気が出せないんです。 おおらかで大胆で、そして自由な雰囲気――、まねることはできても、オリジナルとして描くことが、日本人である僕の頭では無理なんですよね。

    もちろん、何度もチャレンジしたんですが、納得できるものにはなりませんでした。そして、行き着いたのが “アフリカ人じゃないし—。” という開き直り。

    せっかく染色を再開したわけだし、近いうちにおおらかで大胆な作品にチャレンジしてみようと思ってはいるのですが、最初の課題でもある今回は、“アフリカのようなデザイン”ではなく、“東洋的な図案” にすることにしました。

    ▼ 悩んだ末に、こんな図案にしました。
    再開した染色の勉強
    これは「宝相華(ほうそうげ)」と呼ばれる空想上の植物で、牡丹(ぼたん)をはじめ、蓮(はす)、柘榴(ざくろ)などを組み合わせた図案になっています。日本では正倉院の宝物をはじめ、このブログでも紹介した平等院にも見られた模様です。唐草模様のように同じ図柄を連続して用いることが多いようですが、僕の描いたものは若干のアレンジをしています。

    ちなみに、課題で作るのは40×100cmの布。テーブルセンターにも、タペストリーにもできるものです。これからの作業は、この図案を布に写して蝋を置き、染めていきます。

    手書きが苦手な僕––。さて、どうなりますやら!? 楽しみにしていてください。