カテゴリー: 草木染の方法(YouTubeなど)

このカテゴリーでは、ひとつ屋がホームページやYouTubeにアップした動画を紹介しています。草木染の基本的な方法をはじめ、糸づくりや織り方など、染織に関わる工程を中心にまとめています。実際の作業の流れや手元の動きが分かるように、現場の視点から“How-to”をできるだけ丁寧に解説しています。

  • 沈殿藍(泥藍)の作り方

    沈殿藍(泥藍)の作り方

    夏の太陽を浴びて、ぐんぐん生長する藍。いよいよ収穫のころがやってきたので、ここらで刈りとって「沈殿法」という技法で藍の成分を染料(沈殿藍)にしようと思います。

    ちなみに、藍は生葉の状態では染まりますが、これを乾燥したり、冷凍したりすると染まらなくなります。そこで人は古くから、季節に関係なく藍で染められるよう、さまざまな方法を考えてきました。その代表的な方法に「すくも藍」と「沈殿藍」があります。

    日本で有名な徳島の阿波藍(あわあい)は「すくも藍」の技法で、藍の葉を発酵させて「すくも」を作り、さらにこれを微生物を使って発酵させ、染料を作る方法で、大変な技術と時間を必要とします。 一方、熱帯や亜熱帯の地域では「沈殿藍」「泥藍(どろあい)」と呼ばれる藍成分を濃縮する方法が伝統的に用いられてきました。

    この方法では、藍(主に、インド藍や琉球藍)の茎葉を水に浸して発酵させた後、その液に石灰を入れて藍の成分と水を分離させ、底に沈んだものを染料として用いる方法で、これなら僕にもできそうなので、チャレンジしてみます!


    【沈殿藍(泥藍)の作り方】


    ① 収穫した藍の葉を樽に入れ、水を張って発酵させます。

    ② 三日もすると、こんな状態になり、腐敗臭がします。

    ③ もう少し発酵させた後、葉を取り出します。

    ④ 発酵液に石灰を加えて撹拌します。

    ⑤ すると腐敗臭は消え、液も濃紺に変化します。

    これを2日ほど静置し、藍の成分を沈殿さたのが沈殿藍(泥藍)です。が、今日はここまでです。“自家製の藍”ができるか!? 楽しみにしていてください。


    ▼ この内容は、YouTube にも「沈殿藍の作り方」として動画をUpしました。ぜひ!そちらもご覧ください。
  • タマネギ染め(チタン媒染)

    タマネギ染め(チタン媒染)

    キッチンでも染めることができる代表的な染材といえば、なんといっても“タマネギの皮”です。少しネット検索しても、たくさんのページがピックアップされますが、その多くがミョウバンを使った媒染で、鮮やかな黄色に発色させる方法が紹介されています。以前、ひとつ屋でも 『タマネギの皮での染め方』 と題して、その染め方を詳しく紹介しましたが、そこでもミョウバンで媒染し、黄色く発色させる基本的な方法を掲載しています。


    タマネギの皮を煮出した茶色い染料で布を染めても、ミョウバンで媒染すると黄色く発色します。

    不思議ですね。でも、色の変化こそが草木染の醍醐味のひとつなのです。しかし、ときに媒染する前の色がとてもいい色で、このままの色に仕上げたいなと思うことがあります。タマネギの染料で染めてみても、落ち着いたレンガ色になるので、このままの色がいいなとよく感じます。
    そこで、今回はミョウバンではなく「チタン」を使って媒染し、この美しいレンガ色をとどめてみることにしましょう!


    タマネギ染め(チタン媒染)


    ▼ タマネギの皮で染めるときは、ミョウバンときと同様です。

    ▼ 媒染をする場合のみ、ミョウバンではなくチタンを用います。

    すると、染料のなかにあったとおりの色を留めることができます。当たり前といえば、当たり前のことなんですが“黄色味がかったレンガ色”、つまりは“タマネギの皮の色”がそのまま残るのも、不思議といえば不思議なことです。


    ▼すすいだ後に乾燥させたものです。


    お知らせ


    草木染工房 ひとつ屋では『草木染 1日体験教室』を開催しています。このページで紹介した方法のほかに、下の写真のようにオリーブ色やオレンジ色、カーキ色に染める技法を紹介しています。
    詳しくは『草木染 1日体験教室』のページをご覧ください。
    ひとつ屋の実店舗では、チタンのほかに、アルミや銅、鉄などの媒染液も販売しております。

  • 【染め方】アメリカセンダングサ

    【染め方】アメリカセンダングサ

    その名のとおり、北アメリカを原産とする帰化植物(外来植物)で、今では日本各地で見ることができるキク科センダングサ属の1年草の雑草です。子供ころ、空地などで遊んでいると衣服に細長い植物の種がつきましたよね。そう! あの「ひっつき虫」のことです。しかし、空き地がなくなった都会では、その姿を見ることもなくなりました。そこで、ひとつ屋では、わざわざ栽培しています(以前のブログ『貴重な雑草!―― アメリカセンダングサ』をご覧ください)。

    “雑草”や“帰化植物”などというレッテルを貼られたアメリカセンダングサですが、実はとても美しい色を染めることができます。色見本をご参照のうえ、雑草らしい力強い色を楽しんでください!

    ▼アメリカセンダングサ


    【 センダングサで染める方法 】


    ① 採取したアメリカセンダングサ。※以下、「アメリカセンダングサ」を「センダングサ」と省略します。

    ② これをよく水洗いし、ゴミや枯れた葉を取り除きます。

    ③ 水洗いしたセンダングサを長さ1cmほどに刻みます。
    ※ これを乾燥葉に置き換えても、これより先は“乾燥葉”でも同じ工程です。

    ④ これを40分ほど煮出してから濾します。

    ⑤ この液で布や糸を浸し、弱火で40分ほど煮ながら染めます。

    ⑥ 40分後、液から布(糸)を出し、軽く水洗いしてミョウバンを溶いた媒染液(1リットルに10グラムほどのミョウバン)に40分ほど浸します。

    ⑦  その後、媒染液(ミョウバン液)から布(糸)を出し、ぬるま湯でよくすすぎ、陰干しして完成です!

    絹の光沢によく合う色合いです。

    当たり前のことなのかもしれませんが、植物染料で染めると、その植物がもっている色に染まります。今回も、最も上の写真のアメリカセンダングサの花(つぼみ)と似た色に染まりました。不思議なのが、花のない時季に採取したものでも花の色になります。また、媒染液を変えると茎の色になったりもします。本当に不思議です。

    身近にある植物です。ぜひ!! チャレンジしてみてください!

  • コーヒーで染める方法

    コーヒーで染める方法

    少し前のブログ『コーヒーの出がらし』で「コーヒーを飲んだ後の“出がらし”を集めて染材にしようと思っています」というようなことを書きました。その後も、日に数杯のコーヒーを飲んだ後の出がらしを集め、先日 ついに!! スカーフを一本染めることができました。今日は、その染め方を紹介します。


    コーヒー染めの方法


    ① ① まずは、染めたいもの(※ここではコットン(綿)のスカーフです)の精練をします。精練とは、布に付着した糊や汚れ、油分を取り除くことをいいます。家庭では、沸かした湯に少量の中性洗剤と布を入れ、1時間ほど弱火で炊き、よく濯いでから脱水します。すぐに染めない場合は、汚れないように注意して乾燥させてから保管します。

    ② 次に、濃染処理をします。精練した布を30分ほど水に浸してから脱水し、呉汁(豆乳でも代用できますが、布が硬くなります)に10分ほど浸してから軽く絞ってムラなく乾燥させます。これは布にタンパク質を付着させると濃く染めることができるからです。元来タンパク質であるシルク(絹)やウール(羊毛)などは、濃染処理する必要はありません。

    ③ いよいよ染めていきます。濃く煮出したコーヒーに、一度 水に浸けて絞った布を浸して染めます。ポイントは、ムラにならないように、たっぷりの湯にコーヒーを煮出し、その中で布を泳がせるように染めていきます。染めている時間に決まりはありません。好みの濃さになるまでコーヒーの中で布を泳がせてください。下の写真では40分ほど染めました。

    コーヒーで染める方法

    ④ 染め終えた布をコーヒーから引き上げ、そのまま水の中で軽くすすいで付着した出がらしなどを落とします。その後、軽く絞って媒染液に浸けます。今回は銅媒染液です。

    コーヒーで染める方法

    媒染液に30分ほど浸してから、よく水洗いしてから脱水します。

    コーヒーで染める方法

    ⑤ これを陰干しして完成です。ご覧のとおり、コーヒーで染めたはずのスカーフが緑色になりました。難しいことは聞かないでください!! コーヒーを染めたあと銅媒染すると緑色になるのです。コーヒーのイメージとは違った色ですが、僕はこの緑が好きで、よくコーヒーの銅媒染をします。家庭(キッチン)でされるときは銅ではなく、明礬(みょうばん)で媒染するのが安全でよいと思います。恐らく、色はベージュか茶色に染まると思います。

    コーヒーで染める方法

    コーヒーは出がらしで充分ですので、ぜひ!! ご家庭でもチャレンジしてみてください。布を輪ゴムなどで縛って模様をつける“絞り染め”なんかも楽しいですし、夏休みの宿題にはピッタリですよ(火を使うので、ヤケドなどには充分に注意してください)。

  • 柿渋の作り方

    柿渋の作り方

    染色に興味をもって、もう随分になります。しかし、自分で柿渋を作るのは初めてなので、うまくいくかは分かりませんが、とりあえず、その工程を紹介します。


    柿渋の作り方


    ①まずは「渋柿」を用意します。この柿は9月の中旬に採取したものです。地域や種類にもよるようですが、7月下旬から9月中旬に採取した“青い渋柿”を用意します。甘柿ではダメです。かならず、「渋柿」を使ってください。

    柿渋の作り方

    ②これを水洗いし、枝やヘタを取り除いてから包丁で小さく切り分け、フードプロセッサーで粉砕します。このとき、注意するのが包丁もフードプロセッサーもステンレスかセラミック製のものを使い、決して鉄製のものは使わないでください。さらに、使用後は入念に洗ってください。ちなみに、この作業を昔は臼(うす)と杵(きね)で柿をつぶしたようです。

    ▼ 適当な大きさに切り分けた渋柿。
    柿渋の作り方

    ▼ 切り分けた柿をフードプロセッサーで粉砕します。
    柿渋の作り方

    ▼ 粉砕されにくい場合は、少量の水を加えます。
    柿渋の作り方

    ③少量の水で粉砕した渋柿を適当な容器(これも鉄はダメです)に移し、ひたひたより少し多いくらいまで水をいれます。ひたひただと、柿が水を吸ってしまって上部が乾燥してしまいます。逆に入れすぎると柿渋が薄くなってしまいそうなので、あくまでも“ひたひたより少し多いくらいの水”にして発酵させます。

    柿渋の作り方

    ④三日ほどすると、水が黄色みを帯び、お酒のような匂いがします。さらに、もうすこし(3~4日ほど)発酵させててから、ザルのようなもので濾(こ)します。

    柿渋の作り方

    ⑤ しぼりカスに、1回目より少量の水(半分程度)の水を加え、さらに発酵させて1番液に加えて本格発酵させていきます。最低でも2年も発酵させます。気の遠くなるような話ですが、気長にいきましょ!!

    柿渋の作り方

    今日現在は、2番液を発酵せている状態です。これから2年にわたり、この柿渋の変化をブログにUpしていきます。失敗するか? 成功するか? 楽しみにしていてください!!