カテゴリー: 制作風景

このカテゴリーでは、ひとつ屋で手作りしているアイテムの製作風景を紹介しています。実際の現場での手順や試行錯誤、完成に至るまでの過程を、そのまま記録しています。中には、思うようにいかず商品にならなかったものもありますが(笑)、そうした失敗も含めて、物づくりのリアルな一面として残しています。

  • 鹿革を草木染した製品づくり

    鹿革を草木染した製品づくり

    「鹿(キョン)の端革(はぎれ)があるので、草木染して何か作れないか?」という依頼で長財布の試作品を作ったのは数年前のこと。当時のブログにも、鹿革を草木染し、縫製することに苦心したことを書いています。


    草木染の鹿革の長財布


    ▼ 鹿革を草木染して縫った長財布

    ▼ 開くと、こんな感じになっています。

    ▼ さらに、広げることができます。

    ▼ 広げた状態で表面を見ると、こんな状態です。このパッチワークは西洋茜(あかね)、藍、コーヒー、タマネギの皮、ウコンなどで鹿革を染めました。


    ところが、その後 鹿革を安定的に入手することができず、そのアイテムづくりは中断したままになってしまいました。それでも、鹿革を草木染する方法を考え続け、今では型染ができるに至っています。

    ▼ 柿渋で型染(試作)した鹿革

    そして最近になって、何度目かの鹿革(草木染)の問い合わせをいただきました。私も、今度こそは製品に辿り着きたいと願っています。

    当時のブログにも書いていますが、鹿革らしい柔らかな雰囲気を残しながら、シンプルで日常的に使えるアイテムを作りたいと思っています。ぜひ!楽しみにしていてください。


    鹿革の草木染について


    ◆ 『草木染の鹿革』についての投稿

    ◆ 『草木染の鹿革の長財布』についての投稿

    ◆ 『皮革(牛革・鹿革)と牛の角の草木染』についての

  • 花唐草紋様

    花唐草紋様

    先日の投稿『天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?(2)』で使ったのと同じ型紙で染めたバッグです。これは濃染処理した帆布をレモングラス(銅媒染)で染めています。

    同じ型紙を使っても、色が変わればイメージの違ったものになります。

    ちなみに、この型紙は随分と前に浴衣用にデザインしたものなので、縦に繋いでいくことができる「送り型」になっています。「花唐草紋様」とまで命名して、はりきって作ったのですが、今なお浴衣を染めてはいません—😅 というのも、ひとつ屋には反物が置ける捺染台がありません。いつかはチャレンジしたいと思っています。


    『天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?(2)』で紹介した「花唐草紋様」のバッグ。
    天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?(2)

    ▼ ↑上と同じ型紙を使って、レモングラス(銅媒染)で染めたバッグ。

    もっと違った色で「花唐草紋様」のバッグを作っていきたいと思っています。ぜひ!楽しみにしていてください。

  • 天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?(2)

    天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?(2)

    以前に『天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?』と題したブログで、この思いを実験したカラーサンプルを掲載しました。

    ▼ 天然染料のみの型染めのカラーサンプル
    天然染料だけでカラフルな型染ができないものか?

    そから数か月—。これは少し前に染めてカバンに仕立てたものなのですが、なんとなくコツみたいなものが分かってきました。オリジナルの方法で “天然染料でのカラフルな型染” というテーマに何かしらの答えが出せそうです!


    工程


    ▼ 使用した型紙

    ▼ 糊を置いて、天然顔料を用いて色を挿します。

    ▼ 全体には柿渋を用いました。

    ▼ 乾燥後に蒸しまし、糊を落とします。

    ▼ 少しにじみはあったものの、とりあえずは思いどおりの色が出ました。

    ▼ カバンに仕立ててみました。

    実は、 “四原色(CMY)” で構成されているので、これをもとに様々な色を作ることができるはずです。今後は、それにチャレンジしようと思っています。楽しみにしていてください。


    I have been experimenting with trial and error for some time, wondering if it is possible to create colorful stencil dyeing using only natural dyes. In Japan, Bingata and Yuzen already existed before chemical dyes appeared, so it should definitely be possible. However, rather than searching for a method on the Internet and imitating it, I would like to explore it in my own way and produce some results.
    This is something I dyed and made into a bag a while ago. I’ve kind of figured out the gist of it. It seems like we can find some kind of answer to the theme of “colorful stencil dyeing using natural dyes” using an original method.


    一段時間以來,我一直在嘗試和犯錯,想知道是否可以僅使用天然染料來創建彩色模板染色(型染)。 在日本,在化學染料出現之前,紅型(沖縄)和友禪(京都・石川)就已經存在了,所以這絕對是可能的。 不過,我不想在網路上尋找方法並模仿它,而是想以自己的方式探索並產生一些結果。
    這是我不久前染色並製成袋子的東西。 我已經大概明白了其中的要點了。 似乎我們可以用一種原始的方法來找到「使用天然染料進行彩色模板染色」這個主題的某種答案。

  • 鳳凰図

    鳳凰図

    前回の投稿『橘立涌文様』と同様の技法で染めた「鳳凰図」です。これは沖縄に存在した琉球国の王家を象徴する図柄の一つで、特に黄色地に鳳凰の図案を染めた紅型は王家にのみ許されたです。

    ち衣裳だったそうなみに、「鳳凰」は中国の伝説に由来する想像上の動物で、徳の高い王の治世のみ姿を見せるといわれています。英語では「不死鳥」の意味で「Phoenix」と訳されますが、それとも違うような気がします(個人的な見解です)。ともかく、鳳凰が現れるような時代になってほしいものですね(ただ、これも個人的な意見です)。

    ▼ 糊を置いたあと、柿渋で染めた状態。

    ▼ 糊を落としている場面。

    ▼ 完全に糊を落とし、白い鳳凰が浮かび上がりました。

    紅型とは逆の彫り方での型紙で染めているので、鳳凰が白く表現されています。伝統的な紅型では、この白い部分が極彩色に彩られ、「瑞雲」と呼ばれる雲のなかに配されることが多いのですが、ひとつ屋では “エキゾチックな花” と合わせてみました。

    まだ何に仕立てるかは決めていませんが、おそらく大きめのトートバッグになるかと思います。ぜひ! 楽しみにしていてください。

  • 橘立涌文様

    橘立涌文様

    雲や湯気が立ち昇る様子をデザイン化したものといわれる「立涌(たてわく)文様」。平安時代には格式の高い文様(有職文様)とされ、貴族たちに愛されたそうです。もともとは中国のもので、日本には奈良時代に伝えらえました。そのため、どこかエキゾチックな雰囲気のデザインなのですが、ときとともに竹や藤、桐、麻の葉など、日本の美意識を取り込んだ模様も育まれてきました。

    なかでも私が好きなのが、この「橘(たちばな)」を配した図柄です。というのも、日本の伝統的な図柄の多くが中国に由来するのですが、この「橘」は日本固有の柑橘植物であるがゆえに、そのデザインも日本独自のものとして発展したからです。

    今回は、そんな中国生まれの「立涌」と、日本生まれの「橘」が調和した「橘立涌」と呼ばれる伝統柄を柿渋で型染めする工程を紹介します。


    型染の工程


    ▼ 橘立涌文様。型染め用の型紙です。

    ▼ まずは、この型紙の上から布に糊置きをします。

    ▼ 型紙を外すと橘立涌文様が現れます。

    ▼ 近くで見ると、↓ こんな状態です。

    ▼ これを乾かしてから呉汁(豆乳)で下染めし、そして柿渋で染めます。

    ▼ その数日後、糊を洗い落します。

    ▼ ひとつ屋では、これを乾燥後に蒸して完成させます。

    天然染料(柿渋)と呉汁(豆乳)、糠(ぬか)や米粉でできた糊などのナチュラルなものだけで、伝統的な橘立涌文様を美しく染めることができました。

    この後は、この布(帆布)と皮革とでバッグに仕立てようと思っています。楽しみにしていてください!