カテゴリー: 自然布布(山布)究所

このカテゴリーでは、木綿以前から存在する“古代布”の製法や素材、今後の可能性を探るために立ち上げた、ひとつ屋の【古代布(山布)究所】の活動を記録します。調査や試作、製品づくり、これからの展望まで。失われかけた布の知恵を、現代にどうつなげていくかを考え、実践していく場です。

  • カラムシ(苧麻)織り ①

    カラムシ(苧麻)織り ①

    ひとつ屋のブログに何度も登場している「カラムシ(苧麻)」。2015年の10月のブログ『カラムシ織り ②』では、ひとつ屋染料農園で栽培しているカラムシから繊維を取り、小さな花瓶敷きを織ってみたことを書きました。

    が、正直のところ(今だから言えますが――笑)、納得できるものではなかったんです。というのも、すごく硬いんです。それは糸というより、ゴツゴツとした“ひも”に近いもので、花瓶敷きやカバンのようなものにならいいのですが、もう少し“布っぽい風合い”が必要なものには使えそうにありませんでした。「上布(じょうふ)」と呼ばれた苧麻織りは、透き通るほどに薄く剥ぎ、象牙のような光沢を放つ糸を織ったといいます。

    そこに至るには相当の熟練技が必要だと思うのですが、もう少し布っぽい風合いを目指して再び素人なりにチャレンジします!


    カラムシから繊維をとる方法


    まずは、これがカラムシ(苧麻)です。ひとつ屋染料農園では数年前から栽培しています。

    カラムシ

    紫蘇のような葉をしています。

    葉の裏が白いのが特徴です。

    6月の中旬ごろからカラムシを刈り取り、一定の長さに切りそろえて外皮を剥ぎます。本来ならこれを束ねて冷たい川の流水にさらすとよいのだそうですが、都会ではそうもいかないので、そのまま外皮を剥ぐことにしました。

    スクレーパーを使って外皮の外側を剥いで内皮のみにします。このときに先ほどの作業(茎から外皮を剥がす)で2枚程度にしておいたほうが作業性がよいようです。

    と、理屈はわかるのですが、これがとても難しいッ! カラムシで糸を作るうえでの最大の山場!! 内皮が切れないようにスクレーパーを押したり、引いたり――。そぉ~っと丁寧に作業するのですが、写真のとおり、内皮が削げて切れてしまいます。

    カラムシ

    茎の状態のときに水にさらすことができなかったので、今回は剥いだ外皮を束ねて水にさらすことにしました。ときどき水を変えながら5~6時間の作業です。

    カラムシ

    スクレーパーを使って外皮の外側を剥いで内皮のみにします。このときに先ほどの作業(茎から外皮を剥がす)で2枚程度にしておいたほうが作業性がよいようです。

    と、理屈はわかるのですが、これがとても難しいッ! カラムシで糸を作るうえでの最大の山場!! 内皮が切れないようにスクレーパーを押したり、引いたり――。そぉ~っと丁寧に作業するのですが、写真のとおり、内皮が削げて切れてしまいます。

    もちろん力の入れ具合もそうですが、カラムシを刈り取る時季や成長の状態など、さまざまな熟練の技と経験値を必要とするのを痛感します。にわかでできるものではありません――。

    カラムシ

    それでも、なんとか薄く薄く内皮を取り出すことができ、やったー! と思えたのも束の間。繊維が乾くと、やっぱり硬いんです(涙)。もちろん、象牙色でもありません。調べてみると「苧麻の晒は、麻の晒ほど柔らかくはならない」とありますが、そんなどころの話ではありません。

    もっともっと薄くしなければならないのか⁉ もはや限界のような気がするのですが—。う~ん、難しいッ! まだまだ研究が必要です。

    カラムシ

    カラムシ

    ひとつ屋染料農園にはもう少しカラムシがあるので、引き続き研究を重ねようと思います。今後の報告を楽しみにしていてください!

  • 赤麻(あかそ)

    赤麻(あかそ)

    しとしとを秋の長雨が続く先日のお彼岸、久しぶりに息子を連れて母の実家へ行き、お墓参りをしてきました。母の実家は岐阜県のとある山里――。周辺は染料植物の宝庫です!!

    赤麻(あかそ)

    今回の目的は、もちろん!! お墓参り!! のはずですが、やはり染料植物が気になります。で、今回どうしても採取して、ひとつ屋染織農園に植えたかったのが「あかそ(赤麻)」です。

    赤麻(あかそ)

    文字どおり、赤麻(あかそ)は “赤い麻” で、木綿が日本に移入される前には、この植物の茎から繊維をとって織物にされたようです。古くは、この植物の栽培が推奨さえたこともあったそうです。また、葉を煮出すと赤い染料をとれ、布を美しい紅色に染めることができます。

    でも、どこででも見られる植物らしいのですが、大阪市内では見ることがないので、今回わざわざ岐阜で採取したものをひとつ屋染織農園に移植しました。

    涼しいところで採取した植物なので、酷暑の夏となる大阪で育つかは疑問ですが、頑張って育ててみます。来年には、これを使って赤麻染を計画しています。ぜひ!! お楽しみに!!

  • カラムシ織り ②

    カラムシ織り ②

    前回の(『 カラムシ織り ① 』)に引き続き 『 カラムシ織り ② 』 です。前回に紹介した小さな花瓶敷き(約20×40㎝)の制作工程を紹介します。

    ▼まずは改めて、これが〝カラムシ(苧麻)〟です。

    ▼実は、去年から栽培していました。下の写真は定植したころの〝カラムシ〟です。

    ▼夏、成長したカラムシを刈取り、ひと晩 水に浸してから皮を剥ぎます。さらに、外皮を剥いで繊維を取り出します。

    ▼その繊維を干したものが下の写真です。

    ▼この繊維を卓上機で織っていきます(平織)。

    ※本来は、透き通るほどくらいに薄く剥ぎ、象牙のような光沢を放つ糸を繋いで織るようです。さすが〝上布〟です。ちなみに、昔は経糸もカラムシを使っていたと思うのですが、今回は綿糸を使いました。

    ▼完成しました。カラムシ織りの花瓶敷きです。

    今回は試験的な制作だったので、小さな花瓶敷きを作りましたが、次は〝ちょっとオシャレなカバン〟でも作ってみようと思います。といっても、今年はカラムシをたくさん育てていないので、来年になります。そこで、早速!カラムシの栽培面積を広げました。

  • カラムシ織り ①

    カラムシ織り ①

    ▼この植物を知っていますか?

    ▼葉の裏が白いんです。

    この植物は 『カラムシ』 です。ちょっと変わった名ですよね。漢字で書くと 『苧麻』 だそうです。イラクサ科の多年草で、文字どおり、この植物からは麻のような繊維がとれます。綿が普及する以前は、カラムシの繊維で織った布を衣服にしたらしく、現在でも新潟県の越後上布や沖縄県の宮古上布、八重山上布などは〝高級な織り物〟として、カラムシの伝統が受け継がれています。

    いわば〝古代の布〟といえるカラムシ織り――。上布のような〝高級な織り物〟は無理でも、素朴な古代布のような布をカラムシで織ってみたくて、実は、ひとつや染料農園の片隅で栽培していました。で、このほど、ついに小さな小さな作品ができました。

    ▼それがこれです。

    これは小さな花瓶敷き(約20×40㎝)です。われながら上出来です。次回のブログで、作っている途中を紹介します。楽しみにしていてください。