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“アート”であるより“民芸”でありたい。

染め物をしていて以前から思うことがあります。それは「“アート”であるより“民芸”でありたい」ということです。

絵ならキャンバスに描けばいいし、しゃれたデザインならパソコンを使えばいい、わざわざ手を使って“布に描く”なら、その意味を見失いたくないと思っています。そこで、僕にとって、布とは? と何度も考えてみた。すると、行き着くのは、いつも衣服や寝具など“生活に密着したもの”という答えになります。

“アート”であるより“民芸”でありたい。

その一方で、生活のなかで使い古された、いわゆる「古布」などを見るとアートに近い感覚を覚えます。暮らしのなかで生み出され、伝承されてきた技に憧れてしまいます。そんな美しさ近づきたいと、最近はコツコツを時間をかけた作業が多くなりました。

“アート”であるより“民芸”でありたい。

“アート”であるより“民芸”でありたい。

これは「木目絞り」という、単純な絞りの柄を予定している風呂敷なのですが、1センチにも満たない幅で縫い絞り、木目のような柄を表現する技法で、根気のいる作業が続きます。まさに、民芸的な美しさがあるのですが、でき上がるまでには、かなりの集中力と時間を必要とするので、もう目も肩もガチガチです。それでもボチボチと作業をしているので、完成を楽しみにしていてください。

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