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ライフワーク『共生』

先日、こんなバッグを作りました。ネパール産の大麻(ヘンプ)を粗く織った布を表地に使っています。大麻――!? そうです! あの悪名高き大麻です。「大麻」といえば、とても悪いイメージがありますが、かつては栽培が推奨されるほど、私たちの暮らしに有益な植物でした。ところが、悪用されることにだけ注目された結果、昭和23年に大麻取締法が施行されると、特殊な利用を除き、日本の暮らしから大麻は消え失せ、2000近くあった農家はほぼ失われてしまいました。

そんな大麻がネパールでは自生(野生化?)しているそうです。もちろん、悪用することは許されませんが、自生しているものを加工して「 ワイルド ヘンプ 」として製品にしているようです。このバッグは、それで作ったものです。

ライフワーク『共生』

ライフワーク『共生』

ライフワーク『共生』

ひとつ屋には、そんなネパールから来たスタッフがいます。ニックネームはビジャ君。とにかく真っすぐな性格と美しい瞳が印象的な好青年です。

最近、テレビを見ていると「良質な外国人労働者をどう確保するか」などのニュースや番組をよく見かけます。今、アジアの先進国で“良質な外国人労働者”を奪い合っているんだとか—。ビジャ君とともに働いていて、まるで物のように“良質な”という言葉が人に用いられるのを悲しく思います。かつての奴隷貿易のように、今なお安い労働力を奪い合う国々――。

途上国の若者を奪い合うのではなく、彼らが海外で働かなくてもよいように“母国で仕事ができる環境”を作り出すことが、私たちの国にとっても重要なことであるように思います。主たる産業が農業であるネパール。美しい国土や環境、文化や歴史、さらには自尊心を保ちながら生きることが新しい産業や国のあり方のような気がしてなりません(以前のブログ『ネパール募金』もご覧ください)

それはハンドメイドの小さな小さなバッグではありますが、草木染と融合することで何か大きな可能性を秘めているような気がしています。
何より、私はこれをライフワークの一つして生きていきたいと思っています。

※何をもって「先進国」と「途上国」という分類をするのかは疑問ですが、上記の文章では旧来の意味で用いています。

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