タグ: ロウケツ染め

  • アフリカンなTシャツ(Part 1)

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    最近、友禅(ゆうぜん)や紅型(びんがた)のような精緻な染織品よりも “おおらかな雰囲気を染め物” に心惹かれます。特に、以前のブログ『国立民族学博物館』で紹介したような “アフリカの染め物” には、とても魅力を感じます。

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    いつか自分でも染めてみたい!! と、思っていたのですが、今回ついに挑戦してみることにします。

    本来、こうしたアフリカの染め物は、タンニンを含む植物で布を染めてから、鉄分(金属)を含む泥で模様を描くなどしていると思うのですが(あくまでも僕の推測です)、今回はロウケツ染めで、その雰囲気にチャレンジします。ということで、まずはロウで模様を描きます。

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    ▼もう一度 同じ所にロウを置いて厚みをもたせます
    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    で、いよいよ染色。今回はスレン染料を用いました。

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    アフリカンなTシャツ(Part 1)

    これに、再びロウを置いて黒で染め二色にします。最終的にはTシャツを作ろうと思っています。今後の作業を楽しみにしていてください!


     ◆ 制作風景


    アフリカンなTシャツ(Part 1)
    アフリカンなTシャツ(Part 2)
    アフリカンなTシャツ(Part 3)
    アフリカンなTシャツ(Part 4)
    アフリカンなTシャツ(Part 5)

  • ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    少し前に『天然顔料によるロウケツ染め』 と題して、弁柄(べんがら)や黄土(おうど)などの天然顔料を使ったロウケツ染めについて書きました。あくまでも実験的な試みだったのですが、思った以上に、よい感じだったので、今度は本格的にTシャツを作ろうと思い、作業を開始しました。


    【天然顔料によるロウケツ染めの方法】


    今回も前回と同様に、ちょっとアフリカっぽい感じのデザインです。というのも、僕のなかで“土顔料染め”といえば、“アフリカの泥染布”が連想され、ついつい それっぽいデザインになってしまいます。それでは、早速!! 作業開始です。

    ▼ まずはニット生地に下絵を描きます。

    ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    ▼ 下絵にそって蝋(ろう)を置いていきます(防染力を高めるため、二度の蝋置きをします)。

    ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    ▼ 蝋で囲んだ部分を天然顔料で染めていきます。

    ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    ▼ ちなみに、こんな刷毛(はけ)を使って顔料を刷り込むように染めていきます。

    ベンガラと松煙(墨)によるロウケツ染めTシャツ(part1)

    今日の作業は、ここまでです。焦る気持ちを抑えて、土顔料で染めた部分が充分に乾くのを待つとしましょう。これが乾燥したら顔料の上から蝋で伏せ、布全体を浸染します。その作業は次回です。お楽しみにッ!!

  • 天然顔料(ベンガラ染め)によるロウケツ染め(前編)

    天然顔料(ベンガラ染め)によるロウケツ染め(前編)

    ずっと以前から悩んでいることがあります。それは、これからの作品づくりで “天然染料にこだわるか否か” という点です。最近になって、ついに答えが出ました。

    それは “臨機応変に対応する!” ということです。

    洗濯用の洗剤が進歩した現代では、やはり天然染料の堅牢度には限界があります。特に、植物染料は化学染料に比べて堅牢度(耐久性)がはるかに低く、例えば洗濯頻度の高いTシャツなどの普段着には不向きな面があります。比較的に堅牢度のある植物染料であっても、多色の表現となると膨大な時間と手間を要することになります。

    また、植物染料の多くは綿に染まりにくく、絹や羊毛などの動物性繊維(タンパク質)に染まり安いと性質があります。洗濯堅牢度や日光堅牢度が低い植物染料で無理にTシャツを染めることにこだわるよりも、手作り感のある技法にこだわったほうがよいように思うようになりました。

    それでも天然染料には魅力を感じます。そんなおり、天然染料の雰囲気と化学染料の利便性を兼ね備えた土顔料(いわゆる「ベンガラ染め」です)をもとにした染料と出合いました。そこで早速!! このところハマっているロウケツ染めで実験しました。

    まずは、試験的に小さな布で「堰出し」という技法です。


    ▼ ロウで囲った内側を呉汁に溶いた天然顔料で彩色します。

    ▼ 彩色した部分を充分に乾かしてからロウで伏せます。

    ▼ すべての堰出し部分をロウで伏せてから全体を染めます。(地色は「松煙(しょうえん)」という煤を使って染めました)

    ただ今、天日にて全体を乾燥中のため、今回はここまで。中途半端な終わり方で、すみません!! ちなみに、乾燥後は熱湯のなかで蝋を落とす「脱蝋(だつろう)」という作業を行うのですが、このときロウと一緒に顔料が流れ落ちてしまえば失敗となります。

    『天然顔料(ベンガラ染め)によるロウケツ染め(後編)』へと続きます。

  • ろうけつ(亀裂模様)の染め方

    ろうけつ(亀裂模様)の染め方

    腰のほうも随分とよくなり、作業場も整理できたことなので、久しぶりに「ろうけつ染め」をしようと思います(ろうけつ染めは、ほんとッ!! 手間がかかります)。


    【ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)】


    ▼ まず最初に用意したのが、天然の黄土で染めた生地(もちろん、これも 【ひとつ屋】 で染めています)。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ これを新聞の上に広げます。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ ハケで蝋(ロウ)を塗っていきます。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ ちなみに、これが蝋です。今回はパラフィンにステアリン酸を配合したものを使いました。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ 蝋を充分に乾かすと、昆布のような硬さになります。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ まずは、これを大まかに割ります。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ さらに、染料の中で細かく割りながら染めていきます。蝋の亀裂に染料が入っていきます(天然顔料の「ベンガラ」で亀裂部を染めました)。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    ▼ 亀裂の染色が終わったら、ここでいったん乾かします。
    ろうけつ(亀裂模様)の染め方 (前編)

    今日の作業はここで終了です。赤いベンガラ染料が乾いたら、これを熱湯に入れて蝋を落とす「脱蝋(だつろう)」という作業を行います。すべてを天然染料でやってみているのですが、熱湯で炊く脱蝋の作業で染料も落ちてしまわないかが心配です。

  • ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』

    ロウケツ染め③『蝋伏と脱蝋』

    7月から制作している「ろうけつ染め」が完成したので、その方法を記しておきます。

    まず、「ろうけつ(蝋結) 染め」とは、溶かした蝋(ろう)を「筆」や「チャンチン」と呼ばれる道具を使って模様を描き、その部分に染料が入らないことを利用した技法をいいます。「ロウ染め」や「バティック」ともいい、塗布した蝋に割れを入れることで独特の亀裂模様を作り出すことでも知られています。


    【「ろうけつ」の染め方 】


    ひと口に「ろうけつ染め」といっても、さまざまな技法があります。今回は「蝋伏(ろうぶせ)」という基本的な技法で、布に筆で蝋を塗ることで染料が入るのを防いで図柄を表現する方法を紹介します。たとえば、白地に蝋を塗り、黄色で染めれば、蝋を塗ったところだけが白く残ります。次に、その上(黄色い分)に蝋を塗り、赤い染料をかければ、黄と赤の掛け合わせでオレンジ色の地となり、白と黄の柄が浮かび上がります。こうして色を重ねて多色を表現するのが「蝋伏(ろうぶせ)」の技法と原理です。

    まずは図案を考え、さらにカラープランニングをしてからコピー機などを使って実寸に拡大し、これを布の下に敷いてトレースします。写真中の右上にあるのがカラープランニングです。


    次に「蝋伏(ろうぶせ)」の作業です。まずはカラープランニングを見ながら白くなる部分に筆で蝋を塗っていきます。全てを塗り終わったら、もう一度同じ箇所に蝋を塗ります。一度目より二度目が重要で、はみ出したり、塗り残したりしないように充分に注意してください。


    今回使用する色は「白」を含め、「黄」「オレンジ」「赤」「茶」の五色で、この順に色を重ねていきます。「白」を蝋で伏せた後、最初に黄色で全体を染め、次に黄色になる部分だけを蝋で伏せていきます。※以下、それぞれの色ごとに同じ作業を繰り返していきます。

    オレンジに染め、オレンジになる部分を蝋で伏せます。

    赤に染め、赤になる部分を蝋で伏せます。この作品の場合、赤いバックなので、背景となる部分の全てを蝋で伏せていきます。


    最後に、茶色になる部分を黒の染料で染めます。下の色を透けて茶色に見えることを利用して薄めの黒の染料を用います。これが最後の色なので黒に蝋伏せの必要はなく、これで染色と蝋伏せの作業は終了です。


    いよいよ「脱蝋(だつろう)」の作業です。「脱蝋」は文字どおり“蝋を取り除く作業”のことで、大きな鍋に沸かした熱湯のなかに布を入れて、これまで塗ってきた蝋を溶かして布から剥がします。一回目におおよその蝋を抜き、さらに別の鍋で二度目の脱蝋をし、完全に蝋を布から落とします。

    ↓二度目の脱蝋

    脱蝋後、丁寧に水で洗い、余分な染料を取り除きます。

    乾燥して完成です。

    ようやくタペストリーになりました。

    「ろうけつ染め」は、「蝋纈(ろうけち)」とも呼ばれ、その歴史は2~3世紀にさかのぼることができます。日本でも正倉院の宝物に見られるほど古く、絞り染めの「纐纈(こうけち)」、板締め絞り染めの「夾纈(きょうけち)」と並んで“天平の三纈(さんけち)”と呼ばれるそうです。このことがイメージあって、仏教美術に登場する宝相華(ほうそうげ)の図案を作品にしましたが、もっとおおらかなデザインのほうが、この染色技法にはあっているような気がしました。次は、そんな図案に挑戦してみようと思います。


    ひとつ屋の染色(染織)教室


    ひとつ屋では、草木染め(天然染料)・化学染料を問わず、染め物や織り物の楽しさを学んでいただくための染色(染色)教室を開催しています。ぜひ!あなたらしい物づくりを楽しんでください!!
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