タグ: 古代布

  • 葛糸づくり

    葛糸づくり

    随分と昔に葛糸を作ったことがあります。ところが、都会に暮らしていると、なかなか葛が手に入らないし、その繊維を洗うための川の流れもありません――😥 しかし、まるで絹のような光沢を放つ葛糸のことが忘れられず、いつかは ひとつ屋でも手掛けてみたいと思っていました。

    ここ伊賀(三重県)に来て6年がすぎ、毎年、夏になると生い茂る葛を見ては「きれいな糸が作れるのになぁ~🤩」と思っていました。しかも、切っても切っても、すぐに伸びる葛は皆の嫌われ者。それでも勝手に採るわけにはいきません。ちなみに、海外では日本から持ち込まれて大繁殖し、もともとの植物を駆逐してしまうほどなので「グリーンモンスター」と呼ばれる存在だそうです。

    そんなある日、村の有志による葛刈りがあったとき、少しもらって久しぶりに “葛糸づくり” をしてみました。

    お~ッ! 何とかそれらしいものができました。次は、これを績んで糸にしていきます。さらに織って「葛布」にできれば、嫌われ者のグリーンモンスターから何かが作れそう! まさに、ひとつ屋が目指す “持続可能な物づくり” にピッタリな材料です。

    静岡県の掛川辺りで葛布は伝統工芸品となっていますが、さすがにそこまでのレベルは無理でも、私たちが目指す素朴な製品にはなりそうです。

    次は、もう少したくさんの量の糸づくりにチャレンジしようと思います。ぜひ! 楽しみにしていてください。

  • 近江上布(近江上布伝統産業会館)

    近江上布(近江上布伝統産業会館)

    先日のブログに書いたとおり、ひとつ屋に【古代布研究所】を設立しました。それは「日本に木綿(コットン)が伝来する以前から存在した植物繊維の布を再現したい! 」という思いで始めたもので、その名称ほど大それたものではありません。

    それでもその思いは熱く、基本的には古代布の製法を探究し、完成した布を日常の暮らしのなかで生かせるアイテムにしたいと考えています。また、そのプロセスを報告したり、広く情報を集めたり、さらには成果に基づいたワークショップを開催したりする予定です。

    その活動の第一歩として先週の日曜日(’24/2/25)に滋賀県の伝統工芸品である「近江上布」について学びにいってきました。「近江上布」は琵琶湖の東岸で織られる古い時代の製法を残す麻織物で、それには苧麻や大麻の“手績み(てうみ)糸”が用いられています。

    ここで学びたかったのが、この“手績み”です。辞書によると「繊維の長い麻などの植物の靭皮(靭皮)を細く裂き、縒(よ)って手作業で長くつなぐこと」をいうらしいのですが、私にはその方法が分かりません。植物から得た繊維を糸にする場合、「結ぶ」や「紡ぐ」は私にもできるのですが「績(う)む」だけが、どうもうまくできません。

    これを学ぶためにやって着たのが「近江上布伝統産業会館」。館内には、さまざまな近江上布のアイテムと地機などの伝統的な道具が展示されています。

    当館で開催されているさまざまなワークショップのなかから「手績み+地機織り」に参加させていただいて、疑問だった「績む」についても、とても丁寧にご説明いただきました。

    ▼ 麻の繊維を手績みて糸にする実演。

    ▼ 午前中に績んだ糸を午後からは地機(腰機)でコースターに織っていきます。

    ▼ 麻の繊維を績むところから始まり、丸 一日をかけて織ったコースターです。

    わずか1日という短い時間のワークショップでしたが、ひとつ屋の【古代布研究所】にとっては非常に大きな一歩となりました。もちろん、とても勉強になる興味深いことばかりの内容だったのですが、それより何より “とても楽しい時間”だったことが印象的でした。古くから伝わる技法で「績み」「織る」布――。私は、こんなにも美しい布を見たことがありません。ますます古代布に興味がわいてきました。勉強を続けていきます!


    【追記】このワークショップの帰り道、織田信長の安土城跡を見ました。といっても、今は城はなく、どこにでもありそうなただの小山です。しかし、かつてここに威容を誇った信長の“天主閣”があったかと想像すると、なんだか不思議な気持ちになります。

  • 古代布研究所

    古代布研究所

    木綿(コットン)は、肌着やシャツ、ズボンやスカートなど、とても身近な素材となっています。しかし、日本で一般的に普及するのは戦国時代の後期から江戸時代の初期のころだといわれています。いわゆる天下分け目の「関ケ原の戦い」が1600年なので、その歴史はわずか400年ちょっとというわけです。

    では、木綿が伝わる以前の庶民は何を着ていたのだろうか—? そんな疑問を抱くようになって随分と調べてみると、木綿が伝えられる前の日本では、大麻や苧麻、赤麻、葛、藤、楮、桑、科、芭蕉、於瓢などの繊維で織られた布が用いられていたようです(特権階級の人々は絹などを着ていました)。

    絹の美しさ、木綿の優しさ、羊毛の温もり—、どの繊維にもそれぞれの良さを感じますが、特に私は木綿が伝わる以前から存在する “古代布” に興味を惹かれます。自宅の裏の里山でも、苧麻や葛、赤蘇などは比較的簡単に手に入れることができます。また、その一部を【ひとつ屋染織農園】でも栽培しています。

    そんな植物繊維で織られた “古代布” に興味を抱いてから10年近くになりますが、織れたのは苧麻の花瓶敷きだけ―― 😭

    正直、その製作工程において分からないことが多すぎるんです―― 🤔 植物から繊維を取り出す方法はもちろんのこと、なんとか取り出した繊維を糸にする方法、さらにはそれを織る方法—などなど、本当に疑問が山ほどあり、前進することができていません。

    今も全国各地に伝統的な工芸品として、その製法が細々と伝わってはいますが、ひとつ屋でやりたいのは伝統工芸品ではありません。ちなみに、すでにその製法が途絶えたものもあります。


    日々新しい繊維が生み出される時代にあって、ひとつ屋では里山から採れる植物を使って古代布を作ってみようと思っています。しかし、前述したように、その工程においては分からないことばかりです。

    そこで、本日ここに!ひとつ屋に【古代布研究所】を(勝手に😅)立ち上げ、その製法を探究しようと思います。今後は活動内容を報告していきます! などといえば、冗談に思える話ですが【古代布研究所】の構想は本気です!ぜひ! 楽しみにしていてください。

  • カラムシ織り ①

    カラムシ織り ①

    ▼この植物を知っていますか?

    ▼葉の裏が白いんです。

    この植物は 『カラムシ』 です。ちょっと変わった名ですよね。漢字で書くと 『苧麻』 だそうです。イラクサ科の多年草で、文字どおり、この植物からは麻のような繊維がとれます。綿が普及する以前は、カラムシの繊維で織った布を衣服にしたらしく、現在でも新潟県の越後上布や沖縄県の宮古上布、八重山上布などは〝高級な織り物〟として、カラムシの伝統が受け継がれています。

    いわば〝古代の布〟といえるカラムシ織り――。上布のような〝高級な織り物〟は無理でも、素朴な古代布のような布をカラムシで織ってみたくて、実は、ひとつや染料農園の片隅で栽培していました。で、このほど、ついに小さな小さな作品ができました。

    ▼それがこれです。

    これは小さな花瓶敷き(約20×40㎝)です。われながら上出来です。次回のブログで、作っている途中を紹介します。楽しみにしていてください。