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近江上布(近江上布伝統産業会館)

先日のブログに書いたとおり、ひとつ屋に【古代布研究所】を設立しました。それは「日本に木綿(コットン)が伝来する以前から存在した植物繊維の布を再現したい! 」という思いで始めたもので、その名称ほど大それたものではありません。

それでもその思いは熱く、基本的には古代布の製法を探究し、完成した布を日常の暮らしのなかで生かせるアイテムにしたいと考えています。また、そのプロセスを報告したり、広く情報を集めたり、さらには成果に基づいたワークショップを開催したりする予定です。

その活動の第一歩として先週の日曜日(’24/2/25)に滋賀県の伝統工芸品である「近江上布」について学びにいってきました。「近江上布」は琵琶湖の東岸で織られる古い時代の製法を残す麻織物で、それには苧麻や大麻の“手績み(てうみ)糸”が用いられています。

ここで学びたかったのが、この“手績み”です。辞書によると「繊維の長い麻などの植物の靭皮(靭皮)を細く裂き、縒(よ)って手作業で長くつなぐこと」をいうらしいのですが、私にはその方法が分かりません。植物から得た繊維を糸にする場合、「結ぶ」や「紡ぐ」は私にもできるのですが「績(う)む」だけが、どうもうまくできません。

これを学ぶためにやって着たのが「近江上布伝統産業会館」。館内には、さまざまな近江上布のアイテムと地機などの伝統的な道具が展示されています。

当館で開催されているさまざまなワークショップのなかから「手績み+地機織り」に参加させていただいて、疑問だった「績む」についても、とても丁寧にご説明いただきました。

▼ 麻の繊維を手績みて糸にする実演。

▼ 午前中に績んだ糸を午後からは地機(腰機)でコースターに織っていきます。

▼ 麻の繊維を績むところから始まり、丸 一日をかけて織ったコースターです。

わずか1日という短い時間のワークショップでしたが、ひとつ屋の【古代布研究所】にとっては非常に大きな一歩となりました。もちろん、とても勉強になる興味深いことばかりの内容だったのですが、それより何より “とても楽しい時間”だったことが印象的でした。古くから伝わる技法で「績み」「織る」布――。私は、こんなにも美しい布を見たことがありません。ますます古代布に興味がわいてきました。勉強を続けていきます!


【追記】このワークショップの帰り道、織田信長の安土城跡を見ました。といっても、今は城はなく、どこにでもありそうなただの小山です。しかし、かつてここに威容を誇った信長の“天主閣”があったかと想像すると、なんだか不思議な気持ちになります。

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