投稿者: hitotsuya

  • 縁もゆかりもない場所へ帰る旅

    縁もゆかりもない場所へ帰る旅

    ここ(三重県伊賀市)に来て6年の月日が流れました。今になって思えば、若くもないのに “無謀な冒険”だったような気がします。“縁もゆかりもない ” 場所に、夫婦二人だけで乗り込んできたのですから—。

    なので、当初は知人・友人はおろか、話せる人もいない状態で始まり、孤立するばかりの二人。それに追い打ちをかけたのがコロナウイルスのパンデミックでした。

    これにより、村のすべての行事が中止となり、ここに暮らす人々と出会う機会さえ失われてしまいました。

    まぁ、そのころは家(古民家)の改装にも忙しく、ある意味それはそれでよかったのかもしれませんが、やはり何となく寂しい日々でもありました。

    縁もゆかりもない場所へ帰る旅

    先日のブログ『祇園祭』でも書きましたが、ようやく徐々に村の行事が復活し、それに参加させていただく機会も増えてきました。すると、顔見知りになったり、冗談が言い合えたり、🍻 が呑める間柄になったり—と、徐々に徐々に親しくさせていただけるようになりました。

    今では、大阪で暮らしていたときよりも、ご近所の人と話すことが増えました、齢50を過ぎての大冒険でしたが、今ここにいることの悔いは全くありません!

    よく「田舎では時間の流れ方が違うんです」なんて言葉を耳にしますが、確かに私が生まれ育った大阪とは良くも悪くも時の流れが異なります。ただ、私にはここでの時間の流れ方が性に合っているような気がします。

    今では “縁もゆかりもない ” はずだったここが、私は大好きです。この思いこそが、私とこの地を繋げてくれる “縁とゆかり” なのかもしれません。それでも、まだまだ私は旅を続けたいような気がしています。ただ、大阪で続けていた “根無し草” の旅ではなく “帰る場所がある旅” がしてみたいと初めて思うようになりました。そんな感覚に自分でも驚くばかりです。

  • 葛糸づくり

    葛糸づくり

    随分と昔に葛糸を作ったことがあります。ところが、都会に暮らしていると、なかなか葛が手に入らないし、その繊維を洗うための川の流れもありません――😥 しかし、まるで絹のような光沢を放つ葛糸のことが忘れられず、いつかは ひとつ屋でも手掛けてみたいと思っていました。

    ここ伊賀(三重県)に来て6年がすぎ、毎年、夏になると生い茂る葛を見ては「きれいな糸が作れるのになぁ~🤩」と思っていました。しかも、切っても切っても、すぐに伸びる葛は皆の嫌われ者。それでも勝手に採るわけにはいきません。ちなみに、海外では日本から持ち込まれて大繁殖し、もともとの植物を駆逐してしまうほどなので「グリーンモンスター」と呼ばれる存在だそうです。

    そんなある日、村の有志による葛刈りがあったとき、少しもらって久しぶりに “葛糸づくり” をしてみました。

    お~ッ! 何とかそれらしいものができました。次は、これを績んで糸にしていきます。さらに織って「葛布」にできれば、嫌われ者のグリーンモンスターから何かが作れそう! まさに、ひとつ屋が目指す “持続可能な物づくり” にピッタリな材料です。

    静岡県の掛川辺りで葛布は伝統工芸品となっていますが、さすがにそこまでのレベルは無理でも、私たちが目指す素朴な製品にはなりそうです。

    次は、もう少したくさんの量の糸づくりにチャレンジしようと思います。ぜひ! 楽しみにしていてください。

  • 栽培絵日記/24年7月16日(火)晴【ひとつ屋シルク ほか】

    栽培絵日記/24年7月16日(火)晴【ひとつ屋シルク ほか】

    この『栽培絵日記』のコーナーでは、栽培絵日記の【ひとつ屋染織農園】での栽培記録を絵日記風に写真と短いコメントで紹介しています。


    数日降り続いていた雨も上がり、この2~3日は夏本番の陽ざしだ。今日、ここ東海地方も梅雨明けしたらしい。この時期になると植物たちは、ますます旺盛になり、藍は収穫に忙しく、繁茂する雑草の草刈りにも休む間がない。にも関わらず、昨今の猛暑のせいで、もはや日中の野良仕事は危険で行えず、朝夕の少し涼しい時間帯を選んで畑へ出て計画的に作業をしなければならない。今日は、梅雨明けした【ひとつ屋染織農園】の状況を報告である。


    ▼ 梅梅雨末期の豪雨による湿気と、それから一転した連日の酷暑。その成長を心配したが、なんとか無事に育ってくれている【ひとつ屋シルク】の蚕たち。繭を作るまで、もう少しだ。頑張れ!

    ▼ 染料用のマリーゴールドの収穫も始まりました。

    ▼ 心配したレモングラスも、ここにきて急に生長しています。
    ひとつ屋染織農園

    ▼ ほかにも、里山も野草たちも元気です!
    ひとつ屋染織農園


    大阪での生活に区切りをつけ、本格的に伊賀(三重県)で暮らすようになった今年ーー。なので【ひとつ屋染織農園】の耕作面積も一気に今までの3倍にしたので、その維持管理に追われまくっています。慎重に準備を進め、勉強もしてきたつもりなのですが、とにかく思いどおりに作業が進みません。今になって、農業の大変さを実感しています。それでも来年は、もう少し耕作面積を増やしたいと思っています。

  • 祇園祭

    祇園祭

    今日は「祇園祭」です! といっても、山鉾巡行のある、あの京都の大祭ではなく、わが村の小さな小さな「祇園祭」です。それでも、京都と同じ「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」をお祀りする由緒正しい祭礼。今日は早朝から村の草刈りをし、午後からは奉納する花飾りを作って神社での神事、さらに! 夜は慰労会でした――。


    昔は多くの子供たちが参加する 大切な年中行事だったそうですが、過疎と高齢化で次第に規模が小さくなり、奉納する花飾りも簡素化されたようです。それでも、都会に生まれ育った “移住組” の私には、どれもが新鮮で、まるで “民俗学者” にでもなったような気分で眺めていました。

    全国各地では、すでに完全に失われた神事がたくさんあるのでしょう。歴史が消え、記憶が消え、そして人の営みが消えてしまうのは、とても残念なこと。何かの縁で、ここに暮らすことになったので、私にできることはやっていきたいと思っています。

  • 最近の楽しみ

    最近の楽しみ

    ひとつ屋のある大阪・阿倍野から伊賀の古民家工房まで電車を使っておよそ1時間半。そのうち、阿倍野から地下鉄が15分ほどで、大阪上本町から近鉄特急で最寄り駅までがちょうど1時間。そして現地での所用時間が15分ほどです。

    今の時代、切符を買う手間もなければ、特急券を予約しておく面倒もありません。スマホさえあれば、まったく造作ない道程です。それは、あまりに便利すぎて、ちょっと退屈なほどでもあります。

    そこで、最近 見つけた楽しみの一つが、ひとつ屋を30分ほど早く出て上本町の近鉄百貨店、いわゆる“デパ地下”で、ちょっと贅沢なお弁当を買って、それを車窓の風景を眺めながらゆっくり車内でいただくことなんです。

    ▼ 今日は、大きな出し巻きと炊き込みご飯がメインのお弁当。大胆でシンプルな内容ですが、大阪らしい出し巻きが実に美味しかったです!

    ▼ そして、車窓には夏空のもと、まるで箱庭かジオラマのような風景が広がっています。

    いよいよ本格的な猛暑の到来です! 皆様、くれぐれもご自愛のうえ、酷暑を乗り切ってください!