先日、氏神さまの夏祭りがありました。
今では、大都会の一部となった僕の暮す街も、江戸時代には “なにわ伝統野菜” を産した農村だったらしく、現在に伝わる夏祭りも、本来は雨乞い神事でここに登場する高さ20mの櫓(やぐら)は、たわわに実った稲や作物を提灯や鈴で表しているそうです。

いいものですね。日本の夏祭り。
でも、今年も夫婦二人だけでの参拝です。
子供は友達同士でワイワイ行ってしまいました。
このスタイルが定着しつつある、この数年。
うれしいやら、さみしいやらです。
ひとつ屋の日々の仕事や判断、その背景にある考えを、いくつかのカテゴリーに分けて記録しています。畑で植物を育て、染め、織り、道具を整え、作り続ける。その過程で起きた迷いや選択を、現場の視点から綴っています。完成品だけでなく、そこに至るまでの時間や思考も含めて残す記録です。

先日、氏神さまの夏祭りがありました。
今では、大都会の一部となった僕の暮す街も、江戸時代には “なにわ伝統野菜” を産した農村だったらしく、現在に伝わる夏祭りも、本来は雨乞い神事でここに登場する高さ20mの櫓(やぐら)は、たわわに実った稲や作物を提灯や鈴で表しているそうです。

いいものですね。日本の夏祭り。
でも、今年も夫婦二人だけでの参拝です。
子供は友達同士でワイワイ行ってしまいました。
このスタイルが定着しつつある、この数年。
うれしいやら、さみしいやらです。

照りつける太陽のもと、河原の風景も、すっかり夏模様です。

そんな、晴天が続いた7月のある日、工房でこんな柄のストールを染め始めています。

模様はスノーフレーク “雪の結晶” です。外の風景とは対照的なものを作っています。

藍でムラ染めした記事に、一枚が写真(上から2枚目)の半分の型紙に抜染糊を置いては乾かし、型紙を洗ってはまた糊を置くという作業を繰り返して、ようやく全面に置くまでに丸一日を要しました。


このところの暑さで、すでに夏バテ気味の僕には、ちょっと大変な作業でした。しかも、ドライヤーを使って糊を乾かすので、もう工房のなかは熱気ムンムン、汗はダラダラです。作業を一段落させて外に出ると空には夕刻の気配が漂い始めています。

とりあえず、今日は総柄の糊置きは終了です。これで糊を完全に乾燥させてから蒸してから糊を落とし、さらにフリンジをつけて完成する予定です。

葛飾北斎の『富嶽三十六景』にちなんで始めた『あべのハルカス 三十六景』。第十四景となる今回は、工房のほど近くにある史跡「松虫塚(まつむしづか)」から見たハルカスです。

塚の横を通る道を「松虫通り」といい、近くには「松虫」という駅もあるほど、「松虫」という言葉が日常的に使われているにもかかわらず、その名の由来となった「松虫塚」が当地に存在する理由は定かではないそうです。
▼「松虫塚」です。

少し詳しく調べてみると、美しい声で鳴きながら短い命を燃やす鈴虫(松虫)を哀れに思い、旅人が塚を建てたという説があったり、後鳥羽上皇に仕えた松虫と鈴虫の二人の女官が、法然上人が土佐に流されたのち、当地に隠棲したからという説があったり、さらには、昔むかし、ある人が友と二人で阿倍野の松原を通ったとき、その一人が麗しく鳴く鈴虫(松虫)の声に誘われるように草むらに入り、それを心配した友が捜しに行くと草のしとねに伏して亡くなっていたらしく、これを泣く泣く葬った塚であるなどと、さまざまな説があるようです。
どの話にも “無常” のようなものが感じられると同時に、静けさと一抹の寂しさ、そして少しの不気味ささえ感じます。
湿気の多い夏の夜空を照らして聳え立つ「あべのハルカス」――。雲にまでに届く照明は、松虫塚の印象とは異なり、まるで “バベルの塔” のようです。

随分と前に大阪のデパートで、藍染めに馬の柄を配したTシャツを見ました。紺色の地に白馬(抜染)をポンポンと飛ばしただけのTシャツだったのですが、なぜか強い印象を受けました。
そのTシャツに描かれていたのは“西洋的なシルエットの馬”だったのですが、これが“東洋的なデザインの動物”だったら面白いだろうな と思っていたのですが、なかなか実際の作業に至りませんでした。が、先日ようやく型紙を彫りました。

▼考えたデザインは、これです。

どこかで見たことがありませんか? そうです! 伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の『白象図』を元に染色用の型紙になるよう考えたものです。型にするのが意外に大変でした。
さぁ、どんなTシャツができることやら!? お楽しみに!!

夏の太陽を浴びて、ぐんぐん生長する藍。いよいよ収穫のころがやってきたので、ここらで刈りとって「沈殿法」という技法で藍の成分を染料(沈殿藍)にしようと思います。

ちなみに、藍は生葉の状態では染まりますが、これを乾燥したり、冷凍したりすると染まらなくなります。そこで人は古くから、季節に関係なく藍で染められるよう、さまざまな方法を考えてきました。その代表的な方法に「すくも藍」と「沈殿藍」があります。
日本で有名な徳島の阿波藍(あわあい)は「すくも藍」の技法で、藍の葉を発酵させて「すくも」を作り、さらにこれを微生物を使って発酵させ、染料を作る方法で、大変な技術と時間を必要とします。 一方、熱帯や亜熱帯の地域では「沈殿藍」や「泥藍(どろあい)」と呼ばれる藍成分を濃縮する方法が伝統的に用いられてきました。
この方法では、藍(主に、インド藍や琉球藍)の茎葉を水に浸して発酵させた後、その液に石灰を入れて藍の成分と水を分離させ、底に沈んだものを染料として用いる方法で、これなら僕にもできそうなので、チャレンジしてみます!
① 収穫した藍の葉を樽に入れ、水を張って発酵させます。
② 三日もすると、こんな状態になり、腐敗臭がします。

③ もう少し発酵させた後、葉を取り出します。

④ 発酵液に石灰を加えて撹拌します。

⑤ すると腐敗臭は消え、液も濃紺に変化します。

これを2日ほど静置し、藍の成分を沈殿さたのが沈殿藍(泥藍)です。が、今日はここまでです。“自家製の藍”ができるか!? 楽しみにしていてください。