3月の中旬に『桜染め①(染料を作る)』と題したブログをUpしました。
そのなかにも書きましたが、今までにも何度も何度も桜を使って布や糸を染めてきましたが、これまでに納得できる色に染まったことがありません。改めて今回は、いろんな繊維をさまざまな媒染剤を使って染めてみることにしました。作品づくりというより、その記録です。
【ソメイヨシノ(桜)】
◆ 学名(桜)/Cerasus Mill. ◆ 分類/バラ目バラ科サクラ亜科属
◆ 備考/「染井吉野(ソメイヨシノ)」は、江戸時代後期に交配で生み出された日本産の品種で、戦後の高度経済成長期に日本全国に植えられて有名になったそうです。毎年“桜前線”のニュースでよく耳にする「標本木」も、この種が用いられ、現代の観賞用の桜の代表するものとなっています。「桜」といえば、まず染井吉野の花を思い浮かべるほどです。
◆ 染色/2020年3月15日採取、’20年4月12日染色。以前に何かの本に『「④ 煮出し」と「⑤ 放冷」を何度も繰り返して良い色が得られる』とあったので、今回は、この方法を試してみようと思います。
染料を得るためには、小枝(下記写真)を用います。
※写真下の説明「被染材(濃染=カチオン処理済)(呉汁=大豆タンパクを下染め)/媒染剤」
綿/アルミ
綿(濃染)/アルミ
綿(呉汁)/アルミ
羊毛/アルミ
羊毛(先)/アルミ
絹/アルミ
綿/銅
綿(濃染)/銅
綿(呉汁)/銅
羊毛/銅
羊毛(先)/銅
絹/銅
綿/鉄
綿(濃染)/鉄
綿(呉汁)/鉄
羊毛/鉄
羊毛(先)/鉄
絹/鉄
綿/灰(椿)
綿(濃染)/灰(椿)
綿(呉汁)/灰(椿)
羊毛/灰(椿)
羊毛(先)/灰(椿)
絹/灰(椿)
綿/チタン
綿(濃染)/チタン
綿(呉汁)/チタン
羊毛/チタン
羊毛(先)/チタン
絹/チタン
【総括】
◆ 『「④ 煮出し」と「⑤ 放冷」を何度も繰り返して良い色が得られる』という方法を試してみた。濃い染料を得ることはできたが、日を重ねるごとに染料が濁っていく。そこで、1回目の煮出しを長時間にし、濃く澄んだ染料を使ったほうがよいのではないかと感じた。
◆ 桜染めで桜色(薄いピンク)を染めようとした場合「椿灰」で媒染するよいと、さまざまなところで聞く。今回は「椿灰」があったので、これでも媒染した。実際に絹はピンクに染まったが、来年以降は「椿灰」がない。そこで、その他の灰でも同様の色が得られるのだろうかと疑問を抱いた。来春には草木灰などでも試してみようと思う。
◆ 桜染めの場合、染めてすぐよりも、しばらくしてからのほうが赤み(ピンク)に変化するような気がする。