3月中旬にブログで『へっついさん』と題して、工房の一角に鎮座するボロボロのかまどについて書きました。先日、その“へっついさん(かまど)”の修理が終わりました。これからは、ごはんを焚いたり、筍を茹でたり、そして草木染で使ったり—と、フルに活用しようと思います。今回は「古いかまどの修理方法」を紹介します。
かまどの修理
▼ まずは、かまどの現状です。
▼ もう何十年も使われずに放置され、朽ち果てるのを待つののみだった「へっついさん(かまど)」。
▼ 表面のタイルはもちろんのこと、構造的にも破損がひどく、しかも付属の部品も失われていたので「もう修復は無理かなぁ~😭」とも考えました。
▼「まぁ、ダメでもともと!」という気持ちで、ボチボチと修理を始めます。
▼ まずは全体を掃除し、状況を把握します。
▼ そして、剥がれているタイルや構造部分を探し出し、まるでパズルように一つ一つもとの場所に嵌め込み、耐火(耐熱)ボンドで仮止めしていきます。
▼ 次に、壊れてパーツが失われてしまっている箇所は、耐火セメントを用いて補修します。下の写真は、煙突の付け根の部分で、空洞部にモルタルで補修するのに苦労しました。
▼ 少しずつモルタルを塗り重ね、何とか補修ぶ成功!
次に問題になったのが、「釜輪」や「焚口」と呼ばれる、かまどに用いられる金属部品です。錆びて朽ち果てていたのでネットで探してみたのですが、なかなかピッタリのサイズが見つからない—😥。しかも、地方によって使っていたものが異なるらしく、「焚口」については思うものがありませんでした。
▼ 鍋や羽釜を置くための「釜輪」。
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▼ ネット検索し、何とか新しいものを購入することができました。
▼ かまどに薪や炭などの燃料をくべるための「焚口」。
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▼ 焚口の1つが失われていたので、これもネットで探してみましたが、どうしてもピッタリしたものを見つけることができず、近所の工場で似たものを作ってもらいました。
▼ すべての破損部の仮止めを終え、「釜輪」や「焚口」の金物も所定の場所にセットしました。
▼ ここへモルタルを刷り込んで、しっかりと固定していきます。
▼ このモルタルが半乾きのうつに表面をきれいにふき取っていきます。
▼ 例の焚口の周辺も—。
▼ お~ッ! 完成です🤗 少しずつ作業して約10日。あれだけボロボロがった「へっついさん」が、なんとか復活しました。壊してしまうのは簡単ですが、修理は大変です。でも、楽しくできました😄 あとはモルタルのなかの水分は充分に乾いてから火入れをします。早く煮炊きをしてみたいのですが、もう少しの辛抱です――。