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【草木染】ハルジオンで絹糸を染める方法

ハルジオン(春紫菀)は、キク科ムカシヨモギ属の多年草で北米を原産とし、1920年代に観賞用として日本に持ち込まれ、野生化したといわれています。現在ではヒメジョオン(ヒメジオン)とともに、道端や空地でよく見かける雑草です。今回は、そんな身近な雑草で絹糸を染めてみます。では、早速!始めましょう。

【草木染】ハルジオンで絹糸を染める方法

※なお、ハルジオンとヒメジョオンは別種の植物ですが、染色方法が同じなので、今回は「ヒメジョオン」も「ハルジオン」として表記・扱うことにさせていただきます。


ハルジオンの染め方


① まずはハルジオンを収穫します。花だけを使うのではなく、根を除く茎や葉の全草を用います。
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② 収穫してきたハルジオンは、ゴミや雑草を取り除き、ハサミや包丁で2~3㎝の長さに切ります。
【草木染】ハルジオンで絹糸を染める方法

③ これを水洗いして、泥などの汚れを落とします。
【草木染】ハルジオンで絹糸を染める方法

④ 鍋に湯を沸かし、水洗いしたハルジオンを入れて中火で煮出します。このとき、必ずステンレスかホーローの鍋を使ってください。アルミや銅、鉄の鍋は使用しないでください。
【草木染】ハルジオンで絹糸を染める方法


⑤ 1時間ほど煮出して染料を作ります。


⑥ その間に、仕上がりの色むらを防ぐために被染物(今回はシルクの糸)を水に浸しておきます。


⑦ 約1時間後、染料ができました。ハルジオンは、こんな状態です。

⑧ これを濾し、ハルジオンを取り除きます。


⑨ できた染料に被染物を入れ、極弱火で40分~1時間ほどかけて染めていきます。このとき、色むらができたり、糸が絡んだりしないように注意してください。

⑩ 40分~1時間後、被染物を取り出して軽く水洗いします。

⑪ 水洗いした被染物を各媒染液に浸していきます。今回はアルミ(左上)、鉄(右上)、銅(左下)、チタン(右下)の4種類で媒染剤を使用します。

⑫ 約30分間、媒染した後に被染物を水洗いします。

⑬ 水洗いした被染物を媒染ごとに分け、それぞれに先ほどの染料(温かい状態のもの)を注いで中媒染します。こうすることで一段と濃く染めることができます。

⑭ 約10分間、媒染した後にしっかりと水洗いし、脱水後に風通しのよい日かげで乾燥させれば完成です。上から、アルミ、鉄、銅、チタンによる媒染です。どれも非常に美しく染まりました。


【感想】

春から初夏にかけて可憐な花を咲かせるハルジオンやヒメジオン。都会でも見ることができる身近な植物ですが、ご覧のとおり、各媒染で非常に美しい色に染めることができます。今回の被染物は糸でしたが、シルク製品ならスカーフやストールでも同様に染まります。ぜひ!チャレンジしてみてください。
機会があれば、ウールやコットンの染め方も紹介します。


ひとつ屋では、さまざまな染料や繊維の染め方のワークショップをはじめ、染料や被染物(糸や布)の販売もしております。ぜひ!ひとつ屋をご利用くださいませ。

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