昨年の11月のブログ『ひとつ屋マルシェ農園』で“ 麦の栽培” をしていることを書きました。パンや麦茶にして、ひとつ屋マルシェでご賞味いただくのを夢見て頑張って育てていました。
▼ 昨年の10月の玄順に麦のタネをまきました。
▼ 鹿対策のネットもしました。
▼ しっかりと麦踏みを繰り返し――。
▼ 春を迎えるころには随分と大きくなりました。
春爛漫の4月7日(日)、いよいよ穂が出ようとしたとき、やられてしまいました。防獣ネットは倒され、すべての麦が食い荒らされています。地面には、しっかりと鹿の足跡が—。こうして、秋からの努力が一夜にして水泡と帰しました。
▼ 破られた防獣ネット。
▼ 食いちぎられ、荒らされた麦。
▼ そして、鹿の足跡—。
この惨状を目の当たりにすると、やはり「憎き鹿めッ!」とは思うのですが、その問題の根深さを痛感させられます。私のような “にわか農家” の立場なら「これも勉強だ」と諦めもつくのですが、専業農家はそうも言っていられません。毎年のように被害に遭うともなれば死活問題で、その被害額は全国で150億円を超えるそうで、獣害が原因で離農する人も少なくないとか――。
そんなおり、義理姉から鹿肉と猪肉のジビエを送っていただきました。早速、焼いていただいたのですが、なんだかとても複雑な気分で頂戴しました。
▼ 鹿肉と猪肉の焼肉BBQ。
こうした被害の最も大きな要因が “人間活動” にあるのは間違いありません。地球温暖化をはじめ、国内の山野における杉や檜などの人工林の拡大、また農林業従事者の高齢化と過疎化、そして狩猟者の減少などがあげられます。さらにはニホンオオカミの絶滅など、生態系の崩壊が大きな原因だと思います。
このように原因を探ると、鹿(害獣)が悪いのか、人間が悪いのか—は明白です。
そんなことを思いながらいただくジビエの味は格別でした。
猪や熊が街に出没するニュースを聞いて、害獣(獣害)の問題に関心が高まりつつあります。しかし、今の “人間活動” を急変させることは難しいので、この問題を即座に解決するのは非常に困難です。しかし、このままでは農林業の従事者は激減する一方であり、ひいては食料自給率や国内産業の衰退につながります。
といえば、どんどん話は難しくなってしまいます――。でも、ひとつ屋にも何かできることがあるような気になってきました。早速! この思いを行動に移すとします! 今後の報告を楽しみにしていてください!