今回は『枇杷葉での染め方(前編)』 に続き、今回は後編です。いよいよ実際に染め上げていきます。
枇杷葉での染め方
① 前回までに枇杷の葉を煮出して染料にしています。
② 今回は、こんな布を染めてストールに仕立てようと思います。コットンとレーヨンのスラブ糸を織った布です。
③ 精練してから、植物染料の染まりをよくするため濃染処理(カチオン化)します。
④ いよいよ染めていきます!! が、ここでちょっと実験です。
草木染の場合、この段階で染料を高温にして“煮ながら染める”というのが一般的な方法なのですが、そうすると染まるのが急激なうえに、箸や棒で布を撹拌しないといけないので、染めムラになったり、ときには生地を傷めたりすることがあります。
そこで、今回は実験的に“染料を高温にせず、染めてみる”ことにしました。染料の温度は43℃ほど。ちょうどよいお風呂の温度です。そこに布を入れ、手で広げながら、ゆっくりゆっくり染めてみました。
⑤ 濃染処理しているので、コットンで、しかも低温でもしっかり染まりました。染色後はアルミによる媒染です。
※「媒染」とは、いわゆる「発色」と「色止め」のことで、簡単にいえば、金属イオンが繊維と染料を結びつける働きをします。また、この媒染剤の金属の種類によって、同じ染料でも異なった色になります。媒染後、水洗い、煮洗い(炊いて洗います)、さらに水洗いを繰り返して乾燥させれば、染色作業は終了です。
⑥ フリンジを作って完成です。とても!いい色になりました。
【備考】今回は、染料店で販売されている助剤を使ってコットン(植物繊維)に濃染処理(カチオン化)をしているので非常に濃く染まりました。が、未処理だとこのようには染まりません。昔は呉汁やミルクを使って、植物繊維を少しでも濃く染めたようです。ただし、色むらが起こりやすいです。