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変化の年

この春に父の十三回忌がありました。思い起こせば、すでに意識がない父に付き添いながらいると、大きな病院がゆらゆらと揺れたのを思い出します。それが東日本大震災の当日のこと。それまでに仕事上の人間関係と連日の徹夜で疲れ切っていた私は、自分の体調不良のせいで周囲が揺れて見えていると思ったほど、ここ大阪でも揺れました。

その数日後に父はなくなり、私も仕事をやめることにしました――。大きな喪失感と体調不良のなか、何も考えることができず、ただ漠然とした日々を過ごしていました。

そんな状態がどれくらい続いたでしょうか。ふらっと立ち寄った園芸店で、小さなサボテン(多肉植物)を見つけました。毎日の水やりもなく、花を咲かすこともなく、目を見張って生長することもないサボテンは、そのときの自分に重なって見えたほどでした。

▼ 当時のサボテン
サボテン

あれから月日は流れ、今年はあのときと同じ“兎年”です。小さなカップに入って売られていたサボテンも、今は5倍以上の大きさになり、 毎年 小さな花を咲かせるようになりました。

名前さえも知らないサボテン。水やりもなく、花を咲かすこともなく、目を見張って生長することもないはずだったのに、生きてるんですねぇ。当たり前のことだけど――。

人は12年もたてば、見た目にも、周囲の環境も、心持ちも変わるのに、“習慣を変える”ことははとても難しいことになってしまいます。サボテンのように、目に見えないほどの生長を続けていたいものですが、なかなかそうはいきません。

今日から新年度です。また何かを決断して変わっていかなければならないような気がしています。

 

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