これまでの圃場とは別に放棄耕作地を借りて藍用の畑にしようと、その復活に取り組んだのは昨年の秋のことでした。その工程は“放棄耕作地の再生”というより、もはや“開拓”や“開墾”という状態でした。時間と労力をかけた新しい圃場でしたが、藍の収穫時期を迎え、想像していたような結果にはならず、とてもガッカリしています。まさに“骨折り損のくたびれ儲け”――。徒労感でいっぱいです。
▼ 再生前の放棄耕作地。
手間と時間をかけ、一本一本の草(笹)の根を手作業で抜き取り、とりあえず畑らしくなったのは春になってからです。
※ 植え付けまでの作業については『放棄耕作地に藍を植え付ける』をご覧ください。
▼ ようやく藍の苗を植え付けたのは5月の連の終わりごろでした。
異変に気付いたのは6月の上旬。手前の畑はそうでもないのですが、奥の畑は藍がほとんど生長していません――。
収穫時期の7月を迎えても、奥の畑の藍は小さいまま、ほとんど生長しませんでした。
手前の畑は、何とか収穫することができたのですが、よく見ると鹿の食害があります。
▼ 鹿に食べられた藍。茎の先がありません。
▼ 地面に目をやると、鹿の足跡がたくさんあります。
それでも何とか収穫できた藍は、一枚一枚 丁寧に葉をとり、これを天日に干す作業を繰り返して乾燥藍葉とします。
これまでは小さな圃場で試験的に栽培していただけなので成功した気になっていたのですが、面積が広くなると少し勝手が違います。正直のところ、ちょっと調子に乗っていたような気がします。やはり、もっと細心の注意をを払いながら管理すべきだったと、かなり反省しています。
特に、今年は防獣ネットなしでの栽培を目指しましたが、野菜ほどではありませんが、鹿による食害がありました。
さらに大きな問題が、上段の放棄耕作地に“水が流れる溝”ができており、雨が降れば、その溝を伝わって下段のこの圃場に流れ込みます。そのせいで水はけが非常に悪くなり、藍の生長を妨げていたようです。放棄耕作地の再生は自らの圃場の問題だけでなく、周囲の放棄耕作地を含め、里山の環境を改善を考える必要があることを痛感させられました。
▼ 分かりにくいかもしれませんが、上段の放棄耕作地にできた水が流れる溝です。
▼ 水はけをよくするために、(奥の)藍畑に排水溝を作ったのですが、まったく効果はありませんでした。
意気揚揚と始まった放棄耕作地の再生ですが、ド素人がやってそう簡単にはいくはずもなく、かなり凹んでいます――。ただ。放棄耕作地の再生一年目は土の状態も悪いので、ある程度の悪い結果は覚悟していました。今年の冬は、じっくり土づくりに手間をかけようと思っています。もちろん、来年は害獣対策と管理も今年以上にやっていくつもりです。
何事も“ローマは一日にして成らず”だし、“段々よくなる法華の太鼓” です。失敗をしっかりと受け止め、ひとつ一つを塗りつぶすように修正していきながら次に備えます。まだまだ頑張りますよ!
▼ ちなみに、大阪の圃場は例年にないほどの豊作だったので、ホッとしています。