随分と前に 『生平(きびら)の型染め』 と題して、こんな型紙を彫って生平(きびら)を染めました。
ところが、布のままで何も作らずにいました。というのも、生平は麻の繊維で織った布で、古くは男性の夏の羽織などに用いられたようですが、硬くて決して肌触りのよい布ではありません。暖簾(のれん)やランチョンマットにはよさそうですが、それらに仕立てる気にはなれず、そのままだったものを、ついに!! こんなバッグに仕立てました。
一見すると、簡単なバッグなのですが、実は!! ここには〝この数年、僕がコツコツを続けてきた勉強の結果〟が集約されているんです。染色技法はもちろんのこと、縫製、レザークラフト、そして木工――。
シンプルながらよい雰囲気のバッグができました。
ショップのオープンにあたり、在庫と取り置きしておきたいところなのですが、でき上がったのが〝母の日〟とあって、そのまま義母へのプレゼントとなりました。思った以上に義母が喜んでくれたので、時間と手間をかけて作った甲斐があります。最近、また少しだけ自分の作品に自信がもてるようになりました。